- Amazon.co.jp ・本 (377ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480015174
作品紹介・あらすじ
創業者古田晁の急逝から5年後の1978(昭和53)年7月12日、筑摩書房は会社更生法を申請、事実上倒産した。去るも地獄、残るも地獄。再建への模索は、はたして功を奏するのか。重厚長大な文学全集からペーパーバック(文庫・新書)の創刊へと舵を切り、営業と物流の大改革を断行しつつ、生き残りをかける。永江朗が描ききる、必死のドラマの40年。
感想・レビュー・書評
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筑摩書房がかつて「倒産」していたとは知りませんでした。
会社更生法の適応を受けざるを得なくなった状況についてもよく整理されていますし、筑摩書房の倒産という出来事が出版業界だけにとどまらず社会全体にも小さくない影響を与えたのだということを知りました。
倒産後の筑摩書房がどのようにして復活したのか、「全集の筑摩」といわれ、「硬派な文芸書」の出版社であった筑摩書房が「ちくまプリマー新書」などを出すに至った理由は何なのか、ということについてもある程度理解することができたように思います。
「売れる」「売れない」という価値判断ではなく、「読者が何を読みたいと思うか」というニーズに寄り添った姿勢はありがたいと思いましたし、これからもよい本を出し続けてほしいと強く思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
《本書を執筆していていちばんつらかったのは、一九七八年の倒産に至る経緯を調べていたときです。筑摩書房に対して抱いていたイメージが崩れてしまいました。いい会社だと思っていたのに、がっかりしました。》(p.348)
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筑摩書房は今でこそ良書を堅実に出版しているイメージがあるが、そこに至るまでにほんと紆余曲折あったのだな。。本に対する熱い想いを持った人間たちのぶつかり合いは今や時代錯誤なのかもしれないがカッコいい!
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すっきりまとめられ、倒産時の問題点も明確にされている。
社外の人に社史を書いてもらう、というのは、距離が出来てちょうどいいのかもしれない。
以前の筑摩書房のカラーも好きだったけれど、倒産を乗り越え、その後のちくまは更に面白い、目の離せない出版社になっていると思う。
全集の文庫展開、アンソロジー…がんばってほしい出版社さんの1つ。注目してます。 -
筑摩書房の倒産からの歴史がわかりやすく1冊に
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筑摩書房倒産後40年の歩み。
●柏