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- Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480015372
作品紹介・あらすじ
人は、この世に生まれ、年老い、病を得て、死ぬ。仏教に謂う「四苦」を日本人はどのように捉えてきたのか。教理経論を絵で伝える「仏教説話画」を、イコノロジーの手法で読み解くと、苦しみに対峙する中世日本人の心性が浮き彫りになり、時空を超えて、その知=死生観・宇宙観が現代によみがえる。生活史・民俗史をも視野に入れた、日本美術史の画期的論考。
感想・レビュー・書評
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仏教説話画を、説話に付随する絵画として見るのではなく、絵画からその背後にある思想に踏み込んでいくというアプローチを取る。主に生・老・病・死にまつわる部分を扱う。
絵画の読み解き方について順を追って丁寧に述べているため、収録されている図面で読み時をしようと思うのだが肝心の図が小さかったり粗かったりするので、出来ることならば大判の図録と合わせて読んだ方が楽しい。判型がそこまで大きくないので言うのは贅沢なのかもしれない。そのためあまりぱっとした印象は受けなかった。
四門出遊における病者の描き方の変遷など、興味深い部分もあったが、出生にまつわる扱いの小ささ等は、絵画以外のアプローチでも割合良く触れられる自称であるためか、絵画の解釈を通じて新たな観点を取得したと言うよりも絵画サイドからの補強が得られたといった印象が強い。
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