古代中国 説話と真相 (筑摩選書 259)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480017789

作品紹介・あらすじ

酒池肉林、臥薪嘗胆……よく知られる説話を実証的に検証し、当時の社会体制を詳らかにする。古代中国史を批判的に見つつも、よき「戦国時代案内」でもある一冊。

感想・レビュー・書評

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  •  上古の酒池肉林や春秋時代の臥薪嘗胆、戦国時代の合従連衡に始皇帝の焚書坑儒など、有名な説話の真偽を検証。ほぼ後世の創作だと著者は指摘する。
     教訓説話のため紂王個人の暴虐性が強調されたり、説話自体の時代ではなく説話が作られた後世の社会制度を反映していたり。三皇五帝はさすがにそのまま真実ではないだろうとは分かるが、実在の人物にまつわる説話は真実ととられやすい。
     人文科学(文化研究)ならば事実か創作かの区別が不要な場合があるが、社会科学(社会研究)ならば区別は必要不可欠、との記述が腑に落ちた。現在人口に膾炙した説話は、事実とは異なる文化ということだろう。

  • 古代中国でよく知られる、史記や戦国策や管子や孟子は後世に逸話を収集や上古への仮託によって記載されたものが多い。

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著者プロフィール

落合 淳思(おちあい・あつし):1974年愛知県生まれ。立命館大学大学院文学研究科史学専攻修了。博士(文学)。現在、立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所客員研究員。主な著書に『殷代史研究』『甲骨文字辞典』(以上、朋友書店)、『漢字字形史字典【教育漢字対応版】』『漢字の音――中国から日本、古代から現代へ』(以上、東方書店)、『殷――中国史最古の王朝』『漢字の字形――甲骨文字から篆書、楷書へ』(以上、中公新書)、『漢字の構造――古代中国の社会と文化』(中公選書)、『甲骨文字の読み方』『古代中国の虚像と実像』(以上、講談社現代新書)、『甲骨文字に歴史をよむ』(ちくま新書)、『甲骨文字小字典』『漢字の成り立ち――『説文解字』から最先端の研究まで』(以上、筑摩選書)などがある。ほか論文多数。


「2023年 『古代中国 説話と真相』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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