マラカンドラ: 沈黙の惑星を離れて (ちくま文庫 る 1-1 別世界物語 1)
- 筑摩書房 (1987年3月1日発売)
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感想 : 3件
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- Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480021212
作品紹介・あらすじ
サルカンドラ(地球)から、ランサムという言語学者が2人の男に拉致されてマラカンドラ(火星)に行く-。地球よりはるかに古く美しい別世界で、次々にひき起こされる不思議な出来事。香気あふれるファンタジーの名篇。『ナルニア国物語』で名高いC・S・ルイスの神学的SF『別世界物語』全3部作の第1巻。
感想・レビュー・書評
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神学的SF。
真なることを伝えるために物語という形式を用いる。
また、荒俣さんの解説によると、第二次大戦への反発のなか、科学と宗教とが互いに主張しあうなかで生まれたものだそう。
もちろんルイスはキリスト教的見地に立つのだが、それにしても、幻想の国の土壌、生物、思想、言語を逆ピラミッド式に組み立てるやりかたはダイナミック。言語学にまだみずみずしさがあった時代なのかな? 指輪物語をほうふつとさせる。
水いろとばらいろの織り成す美しい世界。中村妙子さんの訳がかぐわしい(たしか高校の先輩なのです)。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ナルニアの作者が書いた異世界ファンタジー。三部作のうちの一巻目。
カラフルでポップで幻想的で、なんとも言い難い魅力ある物語。ただし、一冊目のみ。
二冊目、三冊目からはどんどんキリスト教的内面独白物語に変貌してしまい、ファンタジーとは言い難くなる。が、さすがの大家でそれはそれでそこそこに楽しくはある。
ファンタジーものとしては、一冊目のマラカンドラのみがオススメ。
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