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- Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480024350
作品紹介・あらすじ
原子爆弾の惨害を正面にすえ、人間の愛欲の最も深い場所から戦争を批判するという困難な作業に挑み、全世界に衝撃を与えた映画『二十四時間の情事』の映画の母胎となったシナリオとダイアローグを収録した本書は不思議な魅力をたたえた作品となっている。
感想・レビュー・書評
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ヒロシマとフランス。
互いに戦争によって傷を負った二人が出逢い、逢瀬を重ねる。
トラウマについての本で言及されていたので読んでみた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
恐怖を恐怖によって伝えるのではなく、ひとつの忘れがたい恋愛のなかに恐怖を刻み込むことによって、その恐怖を伝えるというこのテクストは、単なる反戦小説ではない。反戦思想では、「反戦」という道徳が絶対的な価値として君臨しており、あらゆるものはその秩序のうちに配置される。記憶することは善であり、忘却することは悪である。こうした見方から離れることができないかぎり、このテクストを読むことはできないと思う。また、映画もいいけれど、終盤のまさに言葉でしか描くことができない、キャラクターの別人化・二重化はテクストが表現できることの可能性を突き詰めている。デュラスのなかでも特に好きな作品。
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