幽霊艦長 (ちくま文庫 み 4-18)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480027573

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  • 水木しげる戦争漫画の短編集。原住民との交流や、その娘と結婚した兵隊のエピソードには驚いた。極限にあっても娘を守った兵隊たちには感心する。表題の幽霊艦長は、最期まで責任を持った艦長に敬服する。現代の政治家に読ませたい漫画だ。

  • 「敗走記」「レーモン河畔」「KANDERE」(何れも、生死の境を彷徨う南太平洋諸島戦線での従軍模様を。現地住民との交流・反駁も生々しく描写)、「海の男」(捷一号作戦における戦艦大和艦長有賀氏の来方行末を)、「ダンピール海峡」(戦陣訓、そして軍旗信仰に支配された兵士の怨念を)、「白い旗」(硫黄島の栗林中将玉砕後、投降し部下を生きながらえさせようとした軍人とそれに反駁する軍人との相克を)、「幽霊艦長」(味方を囮とする戦術すら厭わない駆逐艦艦長は、自らの命と引換えに陸軍撤退という任務を完遂する)の7本。重厚な作品群であるとともに、これらで描かれる相克・対立は簡単に正邪の結論を下せない内実を有する。しかし、戦場での命の余りの軽さには、括目せざるを得ないものがある。

  • 体験者しか書けない、本当の戦争の生々しさ、残酷さが伝わってきます。201501

  • 敗送記他6編が収録されている。水木しげるの戦争体験記。

  • 体験者が描く戦争漫画。強烈

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著者プロフィール

1922年(大正11年)生まれ、鳥取県境港市で育つ。太平洋戦争時、ラバウル戦線で左腕を失う。復員後、紙芝居画家を経て貸本漫画を描き始め、1957年『ロケットマン』でデビュー。以後、戦記もの、妖怪ものなど数多くの作品を発表。1965年『テレビくん』で第6回講談社児童漫画賞を受賞。1989年『昭和史』で第13回講談社漫画賞を受賞。1991年紫綬褒章受章、2003年旭日小綬章受章。主な作品に『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』『悪魔くん』『総員玉砕せよ!』『のんのんばあとオレ』など。2015年11月死去。

「2022年 『水木しげるの大人の塗り絵 あの世紀行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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