貧乏サヴァラン (ちくま文庫 も 9-5)

著者 :
制作 : 早川 暢子 
  • 筑摩書房
3.69
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本棚登録 : 1666
感想 : 114
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480033659

感想・レビュー・書評

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  • 老女お茉莉さんの偏屈ガーリーエッセイ。父の森鴎外が亡くなって夫とも離婚してジリ貧でも、なんか楽しそうな生活してます。衣食住において自分の美意識を追及する執念に感心してしまう。乙女かくあるべし。あと卵料理食べたくなる。

  • ハイカラ!

  • 森茉莉の「食」に纏わる文章を抽出した本。森茉莉の文章を読むと、何時もせかせかと気忙しく過ごす自分の日常を反省する。この様な精神的貴族でありたい。

    20120317
    再読。森茉莉の文章の中から「食」にまつわる文章を抽出した本。日常食べるビスケットやチョコレートから、幼い頃食べた鴎外が伯林で食べてきた西洋料理、婚家食べた料理、巴里で食べた生牡蠣や様々な料理や葡萄酒、旬の好きな野菜を使ったメニューやある日の森茉莉の献立等々、貧乏だけれどブリア・サヴァランな舌と心を持つ著者のこれでもかというあの独特の文体と料理の攻撃にはうっとりとしてしまう。鴎外の好物だったロシアサラダは絶対作ってみたい。だけれど、葬式饅頭をご飯の上にのせてお茶をかけて食べるのはどうなんでしょうか、うーん。

  •  この、マイペースな、下手したら傍若無人ないつまでもお嬢様な感じ、

     嫌いじゃないな。


     嫌いじゃない理由はまぁ、きっと他にも色々あって。


     おおらかなものの見方もそこに通じているんでしょうが、



     「苦しさも暗さも後になって振り返ってみれば切ない歓びだ」


     この一行に出会えて良かったと、思いました。


     プラスの気持ちも、マイナスの気持ちも全てひっくるめて、自分の存在を肯定してくれるものなのだと、

     わたしはとても不器用なので、そのような見方を、大切にしていきたいと思うのであります。

  • 隠れ名店の隠れmenuを見ているような・・
    そんな気分にさせてくれます。

    毒舌が日本語の美しさで調和され、心地良いのも妙です。

  • 辛口でかわいい森茉莉氏の魅力たっぷり

  • 貧乏だって美味しいものが食べたい。
    食べるものをけちけちしたら、人生がつまらない。
    森鴎外の娘、森茉莉の人生哲学と贅沢な思想が面白い。

  •  読むといちいちに作者がこだわるので疲れた。こだわりすぎて不便な人だ。

     ある種の美学だと思うし、若い痛いころに出会っていたなら劇ハマリしていたかもしれないが、わたしはもう大人だし、社会と敵対もしていないし、「大変そうな・・・」という感想がメイン。

     森鴎外の娘。

  • 何故、料理エッセイがこんなにも美しいのか!
    それはひとえに森茉莉の文章があるからでしょうね。茉莉ばあさんの悪口もまた、面白い(笑)。

  • まず、タイトルが見事!森?外のお嬢さん、茉莉さんの日々の暮らし、食に関するエッセイです。?外の愛娘であった茉莉さんの感性は、?外の滞欧経験によって作られています。実際の茉莉さんの生活は存じ上げませんが、ご本から察する限りでは決して裕福ではないように感じます。それをご自身の感性が彩っているのがよく分かります。お薬のガラス瓶やテレビの緞帳といった家の中の小物、味に関する感性の細やかさを存分に発揮されており、それが独特の筆致で描かれています。同じ文豪のお嬢さんであった幸田文さんのストイックな感じとは対照的なエッセイです。背筋がすっと伸びた「心は錦」の感じが共通していて、私はどちらも好みですが。

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著者プロフィール

1903~87年、東京生まれ。森鴎外の長女。1957年、父への憧憬を繊細な文体で描いた『父の帽子』で日本エッセイストクラブ賞受賞。著書に『恋人たちの森』(田村俊子賞)、『甘い蜜の部屋』(泉鏡花賞)等。

「2018年 『ほろ酔い天国 ごきげん文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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