もてない男: 恋愛論を超えて (ちくま新書 186)

著者 :
  • 筑摩書房
3.26
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本棚登録 : 669
感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480057860

感想・レビュー・書評

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  • 西欧文学や近代日本文学に関する薀蓄を傾けながら、モテない男の立場から、恋愛するのが当たり前のような風潮の現代を生きる苦しさを論じた本です。

    各章の末尾に詳しいブックガイドが付されていますが、基本的にはエッセイであり、著者自身が述べているように「義憤」ではなく「私怨」で書かれた本です。「そりゃ、大学教師で本を出してればそれなりに「ファン」はいる。しかし、そういう付加価値がなくて一番切実に異性に飢えていた学生時代にはほんとうにもてなかったのである。その怨恨だけは忘れられないし、これからだってどうなるかわかりはしない」なんて、何だか分かりませんがカッコいいセリフのような気がしてしまいます。

    本書の大ヒット以降、多くの類書が出回ることになったという事情もあって、今読むといま一つインパクトが弱いようにも感じました。「恋愛」が近代の産物だという議論から、より自由な男女の関係を称揚する一部のフェミニストに実証的な見地から反論しながら、それに代わる(モテない男のための)具体案を提出できないでいるところに、何となく歯切れの悪さを感じてしまったからかもしれません。

  •  本のタイトルにあるように、本書は女性にもてない男(昨今でいう弱者男性)に向けて、著者が性にまつわる歴史やそれに対する独自の見解を示し、各章の末尾にそこで話題となった題材と関連した本を紹介する構成となっている。この本は、とにかく性にまつわる話を展開して、女性とはなにか、恋愛とはなにか、性欲とはなにかと、考えさせられる。今回本書を読んで、性と宗教との関係性について(p52、p61など)色々と根深いものだとわかった。

  • 『恋愛論アンソロジー ソクラテスから井上章一まで』中公文庫 
    がこのアプリになかったので代わりに記録。

    恋愛の民主化というワード

  • 著者が言及している内容の妥当性・信憑性は一旦置いといて、着眼点が面白い。
    これを根拠に論を展開するのはいただけないが、たたき台としては実に価値のある一冊だと思う。

    なにより、小谷野氏の説得力が凄い。

  • 少し変わった考え方の持ち主のようだ。共感できる部分もあるが、わからないところも多い。

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  •  恋愛って素晴らしい、人はいくつになっても恋愛をしなければならない、などなどの恋愛礼賛にしんどさを覚える人におすすめ。

  • 本屋で平積みになって辛酸なめ子のコメント「恋愛教の洗脳が解けました。これからは心穏やかに生きていけそうです」という帯がついてたから、てっきり新刊かと思って買っちゃったら、10年以上前の本だった。
    内容はエッセイだった。読みやすくてサクサク読んじゃったけど、帯のあおり文句とはちょっと違うんじゃないかな~?
    よく確かめずに買った私が悪かったんだけど。

  • 前回読んだ著者のほかの作品。
    個人的には第四回の嫉妬・孤独論が面白かった。
    章ごとに文献リストを載せていることもなんだか嬉しい。

    そしてまた思うことなのだが、著者の知識量は並大抵のものではない。

  • 落語を聴かないヤツは日本の文化を語る資格はないって啖呵がいい。

著者プロフィール

小谷野 敦(こやの・あつし):1962年茨城県生まれ。東京大学文学部大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了、学術博士。大阪大学助教授、東大非常勤講師などを経て、作家、文筆家。著書に『もてない男』『宗教に関心がなければいけないのか』『大相撲40年史』(ちくま新書)、『聖母のいない国』(河出文庫、サントリー学芸賞受賞)、『現代文学論争』(筑摩選書)、『谷崎潤一郎伝』『里見弴伝』『久米正雄伝』『川端康成伝』(以上、中央公論新社)ほか多数。小説に『悲望』(幻冬舎文庫)、『母子寮前』(文藝春秋)など。

「2023年 『直木賞をとれなかった名作たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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