ゲーム理論を読みとく (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 270
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480062024

作品紹介・あらすじ

数学と物理学の天才フォン・ノイマンや映画「ビューティフル・マインド」で話題を呼んだジョン・ナッシュが創始したゲーム理論は、社会のどの分野でも見られる協調と対立の現象を数学的モデルで厳密に分析することを目指し、ビジネスの現場から国家戦略まで多くの分野で影響力を発揮してきた。しかしそうした考え方は大きな壁にぶつかっている。いまや現代社会科学の支配的パラダイムにまでなりつつある「戦略的思考」のエッセンスと広がりを描くと同時に、そこから脱出する道をさぐる。

感想・レビュー・書評

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  • 社会生活をゲーム化するとかその類の本かと思い手に取ったら国家の戦略レベルの内容で読むのにかなり辟易した。
    何度も断念しようかと思ったけど理に適う内容もあったのでとりあえず読み進めた。
    今の自分には必要のない知識だけどそのうち役に立つ日もくるかも知れない。

  • ゲーム理論を分かりやすく解説するものかと思ったが、そうではなく、ゲーム理論を批判的に読み解く本であった。しかし、その批判を読んでいると、なるほどそう簡単にはゲーム理論で現実の経済事象や政治事象は解けないものだと思う。今度はゲーム理論そのものを解説した本を読んでみよう。

  • ゲーム理論自体を考える。

  • ゲーム理論はノーベル経済学賞を受賞したとのことですが、政治の領域にも随分用いられていることは新しい発見です。有名な囚人のジレンマだけではなく、過去の戦争が誤算によって始まってしまったこと。ヒトラーの力の源泉が理解できないその不気味さにあったということもゲーム理論が適用されなかった?例なのでしょう。ベトナム戦争、キューバ危機、バングラデシュ独立戦争、ルワンダのジェノサイト、北朝鮮の核開発などはいずれもゲーム理論の読み違いなのですね。いろいろな分野でこの考え方が適用されるのだということを痛感します。

  • ゲーム理論に関して、その問題点や解決方法など様々な取り組みが紹介されている本。
    若干詰め込んだ感じもあり、重たい印象を受けた。

    ゲーム理論において、鏡像として相手を設定することでの失敗は人間の複雑性を見てとれるものとして面白いと思った。
    また、言語の話や、認識論の話など、哲学的な話題も盛り込まれていて、様々な学問と結び付けられて書いているのはとても面白い。

  • ゲーム理論の限界を説いた書。
    外的要因のない状態(人間関係上の化学反応のない状態)でのゲーム遂行を前提とするゲーム理論は、無力であるということを言っている。

    ゲーム理論は、あらゆる局面でのゲーム的な判断を想定するわけだが、その局面が真空状態ではないし、そもそもゲーム的な合理的判断を人間が常にするわけでもない。

    そんな中にあって、この理論の現実社会での有用性について疑問符を投げかける書籍。

  • ゲーム理論ではそのゲームを成立させるための前提条件において省かれている要素が多過ぎて、そのまま答えを現実に置き換えて利用するのは危険だ・・・な感じ?
    しかし多過ぎて複雑過ぎる現実世界の諸要素を単純化抽象化して考えるというのは有用な面もあるだろうとは思う。

  • ゲーム理論についての本。
    数式とか(^q^)な自分でも読める、文系にはありがたいゲーム理論の本。

    この本、サブタイトルのー戦略的理性の批判ーが示す通りゲーム理論を批判している。理論に基づき戦略的に意思決定をしているようだが、実はそんなに理論通りには行かないし、というかそんなの無理っていう事を分かりやすく理論的に解説している。

    主張の一部を掻い摘んで言うと、合理的なはずのゲーム理論だが、その合理性を引き出すゲームの枠組み(=ルール)自体がナンセンスだよという事。

    この本が出る1、2年前の2001年〜2002年って確か日本でゲーム理論よいしょする本が流行りまくった時期だと思うんだけど、それに対するアンチテーゼとして読むとわかりやすいかも。


    ・・・あと社会学教授のストレンジラブ博士好きは異常

  • 主に経済学の分野で研究されてきたゲーム理論は、いまでは政治学、法学、歴史学、生物学、生態学などに応用されるまでに至っている。

    果たして、ゲーム理論は、幸福な人間社会を分析・解明するツールなのであろうか?

    筆者は、ゲーム理論の持つ、根源的な問題をさらけ出しながら著述している。

    何となくゲーム理論を聞きかじっているものにもそんなに難しくない一冊である。

  • 後半わき道にそれた感はあるが、ゲーム理論の限界を教えてくれた本。コミュニケーションが行われない、ルールは天から降ってくる、超合理性思考など、極めて限定した条件下でのみゲーム理論が成立している。

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著者プロフィール

1949年、東京生まれ。
一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了。ニューヨーク州立大学Ph.D.
現在、法政大学経済学部教授。専攻は理論経済学。
著書に、『現代資本主義とセイフティ・ネット』( 共著・法政大学出版局)、『信用と信頼の経済学─金融システムをどう変えるか』( NHKブックス)、『思想としての経済学─市場主義批判』(青土社)などがある。

「2018年 『市場・国家・資本主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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