持続可能な福祉社会: 「もうひとつの日本」の構想 (ちくま新書 606)

著者 :
  • 筑摩書房
3.59
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480063113

感想・レビュー・書評

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  • (たしか)大学入学と同時に読んだ本。
    文庫だけどとにかく濃密で、「学問書」という感じがした。
    社会保障の在り方について、学生なりに必死に考えさせられた。

  • 課題文献
    本書の「若者基礎年金」というアイデアについて論じる。20から29歳まで年金を支給して若者の『チャレンジ』を支援するという制度。
    ただ今回の不景気で『チャレンジ』精神はどうなるか。どっかのランキングで理想の彼氏の職業ランキングで公務員が一位、ダイヤモンド紙の分析では大企業志向の増加などなど、若者は安定志向に傾いてると言える。
    筆者は「成長が極地へ行ったから、次は成長を望まない『定常志向』が増えてくるはず」という主張をするが、『定常志向』と『安定志向』の違いは何か、それをどう『チャレンジ精神』と向き合わせるのか、疑問がある。
    みたいなことを書いた・・・が・・・『チャレンジ』なんて言葉は出てきてないんだよね。『チャンス』の平等だった。だとすると・・・ちょっと違うような・・・落としたか・・・。

  • 2008/1
    現実的かどうかを除けば、なかなか興味のある国家論が語られている。成長を前提とする社会ではなく定常化社会を考え、若年層に対しての福祉を厚く、高齢者に対しては自助努力を促す少し過激な論。
    ただ、ここに書かれている内容を具現化するためには大きな社会変革が必要としか思えない。

  • 今読み中デス。


  • ・年金の給付は44.8兆円(03年のデータ)
     他方、高等教育支出は約1.6兆円(05年)
     また、若者の雇用政策関係は更に微々たる額。
     筆者の主張は、様々な「格差」の最大の要因の一つが、
     教育年限や学歴であることを踏まえれば、
     本人が希望する限り、現在よりも長い期間の教育や
     トレーニング、試行の機会をできるだけ平等にかつ公的に
     保障するのが良いのではないか。
     そのために、現在より高等教育に支出される金額を、
     大幅に増やすべきではないか、というもの。

    個人的は賛成である。
    少なくとも、上記の金額の分配が合理的とは思えない。
    老人を切り捨てろ、と血も涙もないことは言わないが、
    若者にもう少し公的資金を投資してくれても良いだろう。

  • ¥105

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著者プロフィール

広井 良典(ひろい・よしのり):1961年生まれ。京都大学人と社会の未来研究院教授。専攻は公共政策、科学哲学。環境・福祉・経済が調和した「定常型社会=持続可能な福祉社会」を一貫して提唱。社会保障、医療、環境、都市・地域等に関する政策研究から、ケア、死生観、時間、コミュニティ等の主題をめぐる哲学的考察まで、幅広い活動を行っている。著書『コミュニティを問いなおす』(ちくま新書、2009年)で大佛次郎論壇賞受賞。『日本の社会保障』(岩波新書、1999年)でエコノミスト賞、『人口減少社会のデザイン』(東洋経済新報社、2019年)で不動産協会賞受賞。他に『ケアを問いなおす』(ちくま新書)、『ポスト資本主義』(岩波新書)、『科学と資本主義の未来』(東洋経済新報社)など著書多数。


「2024年 『商店街の復権』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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