- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480063472
感想・レビュー・書評
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新聞やテレビなどのメディア報道はそれぞれの思惑で情報を選んで放映しているし、何かいろいろの論の根拠となる「データ」なるものも、おしなべてなにかの意図を持って作られているんだよ、という所謂メディアリテラシーとデータリテラシーについての話。
で、その「意図」にたいする「つっこみ力」という一冊。作者は千葉県民の30代イタリア人、ということである。ここにつっこむのは負けな気がする。
非常に明晰な書き手だと思いました。いや、いやみではなく。ここ最近読んだ書き手の中でも、もっとも頭脳回路がすっきりはっきりしている。
とりわけデータリテラシーに関しては、失業率と自殺率との関係性を示すデータについての意図や、どうやって本来の意図を隠すかという手法について非常にわかりやすく啓いてくれています。この本で「つっこみ力」を鍛えよう、ということではないけれども、ただ「データ」なるものの楽しみ方、読み方および醍醐味という点を、かなり筋道立てて書いてあってすこぶるヨロスイ。
ネット上の情報に少しでも携わる気持ちのある人は、考え方の指標として是非読んでおいていい一冊なんじゃないかしらん。短いし。漫談だし。
で、おそらく日本にいる外部者としての「イタリア人」じゃないと書けない。その辺の謎ぶりがものすごくいいセンスなんですな。
そして、あんまり有名な出版社でも無名な出版社でも出せない本です。という意味では奇跡かもしれない。
筑摩の、いい仕事です。
この作者には会ってみたいなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
落語のような口語口調の語り口で、面白さを増幅させる手段としてのつっこみ力の重要性が述べられた一冊。
前半はつっこみ力が、愛と勇気と笑いで構成されていることを紹介し、一見正しいように見える論理力や批評力では世の中はよくならないことを力説しています。後半は各国の自殺率などの統計を事例に、データの方便を説く内容で、読みどころはほぼ前半に集約され、この章だけで十分に面白いと思います。
ただ、どうしたらつっこみ力がつくかについては、何も書かれていませんので、ご注意ください。 -
藤澤友紀子さん(情報メディアセンター) 推薦
データは社会の真実を表したものではない。そのデータは社会現象の一部を切り取った都合の良いものでしかない。社会で起きていることすべてを鵜呑みにするのではなく、一度立ち止まって自分の頭で考えてみよう。 -
同氏の『反社会学講座』に比べて、内容が薄く、主張がはっきりしている。
新書という形態に合わせたのか、あるいはこれ自体が新書のパロディなのか?
どちらにしても相変わらず面白い。
愛とは分かりやすさである、か。なるほど。 -
正解がないからこそ世の中は面白い
世の中を正しくするのでなく、面白くしようと考えるべき。
どんなに高度な分析から得られたものであろうと、データは自然には沸いてくるものではありません。誰かがなんらかの目的を持って社会現象の一部を切り取ったもの。すべてのデータには、それを作成した人間の何らかの意図や偏見が裏に隠されている。データを面白がれずに信じてしまう人は、そのカラクリを分かっていない。 -
おもしろく、不真面目な感じがするけど、とてもまともで真面目な本。
データとの付き合い方を見直したくなった。
でも、この本の著者パオロさん(日本人)の「反社会学講座」を読んだことがある方は読む必要はないかも。結構似たような内容だったので。 -
反社会学講座を読んだのであるならばこの本を読む必要はないと思う
笑いに関して前傾姿勢になりすぎて、そこまでしなくてもよろしいんじゃないかとこちらこそつっこみを入れたくなってしまう
まあそれだけに前作が良かったという話なのかもしれない -
思ってた内容と違ったけど、とにかく読んでみた。が、著者が何を伝えたいのかが読み取れなかった。
もっと読解力を身につけたい。 -
メディアリテラシーとかそういう難しいことを、漫才のボケとツッコミのツッコミの力、ツッコミ力としてまとめた本です。ふざけた感じで書いてはありますが、現代社会の問題点などを痛快に批判している読んでスッキリする本です。これからも愛と勇気と笑いで世の中を変えていってください。
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データとのつきあい方 「データは自然に湧いてこない」
「マイホーム」の切なさ