USTREAMがメディアを変える (ちくま新書 874)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480065759

感想・レビュー・書評

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  • テクニカルライター小寺信良氏のUSTREAMに関する一冊。USTREAM本は既に何冊も出ているが、TV業界に身をおいたこともある方の視点から書かれているため、TVとUSTREAMの違いが明確に整理されており、さまざまな示唆を与えてくれた。

    ◆本書の構成
    ・第一章 ユーストリームという世界
    ・第二章 ユーストリームの可能性
    ・第三章 ユーストリームとツイッターの相乗効果
    ・第四章 ユーストリームがビジネスを変える
    ・第五章 ユーストリーム番組制作のポイント
    ・第六章 ユーストリームがテレビを殺す
    ・第七章 横たわるユーストリームの課題

    正直、ソーシャルメディアがマスメディアを駆逐するといった、一面的なものの見方には僻々している昨今である。もし、それが事実ならば「草野球が広まることによって、プロ野球が滅亡する」ということだって起こりうるはずである。むしろ、裾野の広がりは、映像文化そのものの活性化として喜んで受け入れるべきこと。無競争であったこれまでの状況こそ特殊であり、あるべき姿に戻っただけとも解釈できる。

    ◆本書を読んで感じたこと
    ・自分たちの仕事において常識と思っていることが、どのような前提条件のうえに成り立っているか、きちんと把握しておく必要がある。
    ・その前提条件を把握するためには、個人でソーシャルメディアの海に飛び込んで体験してみるのが、一番の近道と思われる。
    ・その中で、それぞれのメディアにおける”文脈の違い”を認識する必要がある。
    ・映像によって何を伝えたいのか、それを考えることが一番大事である。

    「マスメディアのことだけ知っている」、「ソーシャルメディアのことだけ知っている」というのは、いずれも片手落ちなこと。違いのわかる男こそ、今求められているのだ。ダバダ~♪

  • 小寺 信良氏の渾身の著作。これまでのUstream本とは異なる切り口で、逆説的に著者が長年関わってきたテレビをあぶり出すことになっているのが興味深い。

  • [ 内容 ]
    ユーストリームとは、インターネットで生放送を配信できるサービスである。
    対談やイベント、政治中継、広告・広報等々、様々なシーンで活用が進み、いまや約五〇〇万ものチャンネルが存在する巨大メディアだ。
    なぜ、これほどまでにユーストリームは注目を集めているのだろうか?
    ツイッターと共に「ソーシャルメディア」の代表と言われるユーストリームは、テレビなど既存メディアとどう向き合うのか?
    その仕組みから可能性まで徹底的に検証し尽くす。

    [ 目次 ]
    第1章 ユーストリームという世界
    第2章 ユーストリームの可能性
    第3章 ユーストリームとツイッターの相乗効果
    第4章 ユーストリームがビジネスを変える
    第5章 ユーストリーム番組制作のポイント
    第6章 ユーストリームがテレビを殺す
    第7章 横たわるユーストリームの課題

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • ネットによる生放送、電波放送に比べると破格的に安価、超多チャンネル。ツイッターとの相乗効果、インタラクティブ、編集のない生。

    視聴者としての使い方ではなく、制作側の視点で書かれているのが良い。

  • 本格的なネット放送ができる Ustreamの仕組みと今後の可能性についてまとめた本。

    仕組みと共に、twitterとの連携、ビジネス変革の可能性、製作のヒントなどもまとめている。出版から丸3年近く経っているが、むしろニコニコ生放送などの方が多くの作品を放送している面もあるが、素人でも放送できると言う点は素晴らしいと思う。

    今後も1つのインフラとして、活用の可能性があることがわかった点がよかった。

  • 視聴率低下で打ち切りのニュースを聞くと、以下の文の言い分がよくわかる。

    ユーストリームのおもしろさは、テレビ放送に匹敵するビューワーも集める放送も、そうでない放送も等価であるということである。大きな放送に押されて小さな放送が切断されることはない。
    ユーストリームを利用して行われる放送は、ユーストリームにとっての良いを追求していない。
    ユーストリームが示す最大の可能性とはこのブロードキャスティングの再起動なのである。


    CGM(コンシューマ・ジュネレーテッド・メディア)
    ソーシャルネットワークを通して、放送に対して自由にコメントが付けられる。消費者によって内容が生成されていくメディア
    例:YouTube ニコニコ 携帯小説

    放送法改正案
    狭義 ケーブルテレビ
    広義 インターネットを使った放送にも影響がある
    1、公安及び善良なものであること
    2、政治的に公平であること
    3、報道は真実を曲げないですること
    4、意見が対立している問題については、出来るだけ多くの角度から論点を明らかにすること

    発信者自らが適切に自重しながら、強いメディアに育てる必要がある。

  • 生半可な新書では太刀打ち出来ないくらい中身の詰まったUstreamをはじめとする生放送サービスに関する書籍。Ustreamとかの使い方指南書ではなく、その背景や考察が主体ですが、生放送サービスに興味がある人全てにオススメです。

  • Ustream
    ツイッターとかとの連動
    生だからこその、仕組みや捏造などの可能性が低い
    現場をリアルに直接見ることができる⇒他のは他の人々の価値判断を通り抜けてきている
    コストはゼロ円だけど、拡張性が高い媒体

    テレビとは違い、ラジオに比較的近い 費用対効果とか実時間性などにおいて
    しつをもとめるならテレビ
    信用性を求めるならラジオ

    最近はテレビ局に依頼してUstreamに流す動画の撮影依頼もある
    Ustreamへの投稿を容易にできるようなコンテンツなどの製作もある
    テレビとUstreamとの連携プレーも広がっている(テレビのキー局は新聞社がほとんど、経営的にきびしくなっている)

    ○利点
    普及効果の大きさ
    時間枠にとらわれないこと
    費用対効果
    画像の中でハイライトがつけられるところ


    〈Ustreamが抱える問題〉
    肖像権⇒人格権、財産権
    人格権はどこにいたとかそういうやつ。
    文字化が進んでおらず、検索でひっかかりにくいこと
    ⇒永久性が乏しい
    その場限りという点

    思ったこと
    ネットにおいての人間行動をはかり、知ることが大切
    例…即物的とか

  • 本書では、TVやラジオなどの放送の世界との違い、ユーストリームが持つ特徴・可能性についてわかりやすく解説してくれている。

    特徴としては、
    ・ソーシャル
    ・イントラクティブ性(視聴者とのリアルタイムの)
    ・ローコスト
    ・コンテンツ重視(テーマや議論、内容等を重視。TVよりもラジオに近いイメージ)

    このユーストリームからどのようなビジネスが派生してくるだろうか。
    企業広告も変わってきそうだ。

    (メモ)
    ------------------------------------------------

    ①インターネット広告の欠点
    ・TVに比べて、広告の費用対効果がはっきりしている。ユーザーの動きをトレースできるから。しかし、購入した人の動きであり購買に至る前のプロセスがトレースできないという欠点がある。(どのようなきっかけでそれを知ったのか、どんなソリューションを求めて辿り着いたのかetc)

    →ユーストリームでこの課題を解決できる可能性がある。

    ②企業の新製品発表でユーストリームが使われるようになってきた。(ソフトバンクの携帯夏モデル発表など。)
    視聴者数がリアルタイムで確認できる。(また、ツイッターとの連動性がよく、ツイッターのコメントも拾える)

    →従来の製品発表では、どれくらい情報が伝播したか不明であったが、ユーストリームだと数が実績として残る。

  • Ustreamの入門書。
    どのようにしたら放送できるかや、その制作についてのノウハウ、権利関係などまで言及している。
    既存のメディアの放送の限界を超えていけそうだし、どのように生かすかはアイデア次第か。

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著者プロフィール

1963年、宮崎県生まれ。テクニカルライター・コラムニスト。テレビ映像の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、94年にフリーランスとして独立。以降映像・音楽を軸に、AV機器からパソコン、放送機器まで、幅広く執筆活動を行う。2008年より一般社団法人インターネットユーザー協会(MiAU)の代表理事として、子供と情報社会の関係を調査・研究している。Twitter: @Nob_Kodera

「2011年 『【電子書籍版】子供がケータイを持ってはいけないか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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