だからフェイクにだまされる ――進化心理学から読み解く (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 122
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480074799

作品紹介・あらすじ

人がフェイクニュースや嘘にだまされてしまう7つの心理的トリックを取り上げ、「疑う」態度を身につけることを推奨し、かつ社会的制度作りも必要なことを解く。

感想・レビュー・書評

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  • 心理学的視点で様々な思い込みを解き明かすのが面白い

  • 人間の行動や心理を生物進化の原理から説明するのが進化心理学とのことだが、これをフェイクへの対応策として適用することを論じたもの。狩猟採集時代の心理構造(集団先行で協力的)が残ったままなので、嘘が横行する現代社会に対応できないということが繰り返し述べられる。
    率直な感想はちくま新書のわりにはデキが悪いというかレベルが低い。内容的には既知の情報も多く、全体的にはあまり科学的ではなく文化論的な話題になっており根拠も乏しい。最終的には日本人論になっているところにも疑問を感じた。よって、進化心理学は学問としてまだ確立されていないというか曖昧で少々怪しい印象も受けた。結果的に「この本がフェイクなんじゃ?」と疑いを持つに至るわけだが、著者はその事までは想定してはいなかったのだろうか。気になった情報としては性格分析はアテにならないということと、うつ病は女性に多いということ。これでもどこまでホントなのかという疑問は残ったままだが。

  • 姫路大学附属図書館の蔵書を確認する→https://library.koutoku.ac.jp/opac/opac_link/bibid/BB00003603

  • ●久しぶりな良書
    ●我々がフェイクにはまる理由を太古に遡って教えてくれる。なるほどね…
    ●現代社会の情報伝達技術が人類にはまだ早すぎたのではないかって思っていたけど、まあそうなんだろうな…
    ●なるべく科学的な方法でフェイクを破ってほしいけど…人類の叡智に期待するしかないな。今はまだ過渡期…
    ●明らかに電波なことを言ってる人が近くにいるとゲンナリしてしまう今日この頃ですわ…
    ●現代人必読書です、これわ。全体的に過不足なく、抑制が効いているし、テンポまでよい。

  • 第1章 見かけがつくるフェイク―演出までには至らぬ装い
    第2章 共感に訴えるフェイク―人の話を信じる理由
    第3章 言語が助長したフェイク―想像の果たす役割
    第4章 自己欺瞞に巣くうフェイク―承認欲求の暴走
    第5章 科学の信頼を利用したフェイク―未来予測の限界
    第6章 誤解から生じるフェイク―行動選択の偏り
    第7章 結束を高めるフェイク―部族意識の功罪
    終章 フェイクとどのように対峙していくか

  • 最後の結論で、フェイクに騙されないためにはフェイクを笑いとばせるようになることというまとめ方になっていて、難しかった。
    どうしてフェイクが生まれたのかという点では7章に分けて場面ごと丁寧に理解できた。
    初めての新書だったけれど、面白かった。

  • 巷に溢れかえるフェイクを7つに分類し、見分け方と対応の気付きを整理しています。フェイクがなぜ必要だったのかや個人主義の国で発展など興味深い内容でした。フェイクに振り回されるのではなく、見分け方を知り、フェイクリテラシーを高めて、フェイクをジョークと扱えるレベルに達したいものです。

  • テレビのニュース,商品広告,政治に至るまで,様々なフェイク情報があふれる現代。人間が進化の過程で獲得してきた創造力や言語によって,見極めてきたマコトの道しるべとは?フェイク時代に対応できる能力を身につけるために,進化心理学の視点で解き明かします。

  • フェイクを見抜くのは難しいことを前提に議論を展開しており、次のような分類をしている.見かけがつくるフェイク、共感に訴えるフェイク、言語が助長したフェイク、自己欺瞞に巣くうフェイク、科学の信頼を利用したフェイク、誤解から生じるフェイク、結束を高めるフェイク. それぞれの説明には事例を絡ませて読者を魅了しているが、対応策の複雑さを示しているともいえる.最後に述べている、''人類の歴史で育まれた伝統的な心理構造が、比較的自由な現代の社会環境とミスマッチを起こしている.'' という指摘が重要だと思った.この進化心理学の観点を認識することで、フェイクをジョークとして笑い飛ばせる社会の出現を希望している点に、読破後のやすらぎを感じた.

  • 2022年10月~11月期展示本です。
    最新の所在はOPACを確認してください。

    TEA-OPACへのリンクはこちら↓
    https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00604206

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著者プロフィール

1959年東京生まれ。明治大学情報コミュニケーション学部教授。東京工業大学理学部応用物理学科(生物物理学)卒。同大学院物理情報工学専攻、企業の研究所や政府系シンクタンクをへて、1997年に明治大学に赴任。人工知能技術を遺伝子情報処理に応用する研究で博士(工学)を取得。専門は認知科学で、生物学と脳科学と心理学の学際領域研究を長年手がけている。著書に、『生きづらさはどこから来るか』(ちくまプリマ―新書)、『人間とはどういう生物か』(ちくま新書)、『ざんねんな職場図鑑』(技術評論社)、『なぜ疑似科学が社会を動かすのか』(PHP新書)、『だまされ上手が生き残る』(光文社新書)ほか多数。

「2022年 『だからフェイクにだまされる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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