ドイツ悲劇の根源 (上) (ちくま学芸文庫 ヘ 3-5)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480084934

作品紹介・あらすじ

「根源」へのまなざしが、「ドイツ・バロック悲劇」という天窓を通して見る、存在と歴史の「星座(コンステラツイオーン)」-『ドイツ悲劇の根源』は、この「星座」のきわめて精緻な叙述である。バロックの言語形式との格闘のなかで、言語哲学と歴史哲学が、理念と現象が、ギリシア悲劇と近代悲劇が、英雄の神話的生と被造物の歴史的生が、メランコリカーとハムレットが、象徴とアレゴリーが、音声と文字が、神と悪魔(サタン)が、さまざまに火花を散らしながら出会う。哲学的批評の方法論、悲劇論、メランコリー論、アレゴリー論から成る1920年代のこの名著に、「運命と性格」、「暴力批判論」、「カルデロン・ヘッベル論」ほかの関連論考・資料を加えた、文庫版新訳。

感想・レビュー・書評

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  • 上下巻読了。
    読書が人間に快楽をもたらす知的、もしくは生理的な行為だと規定するなら、ベンヤミンの生み出す緊密な文章ほどその目的に適するものはなく、読むあいだ、頭の中にエンドロフィンやドーパミン等の脳内物質を発生させ、時間を忘れ没頭させてくれる、まさにドラッグのような中毒的体験。
    ベンヤミンのその博識ぶりと幅広い芸術作品への耽溺には惚れ惚れする。
    カルデロンやドイツバロック期の悲劇作品には触れたことがない分、多少調べながら進んだが、それでも大変興味深い言語的、哲学的、歴史的、芸術的な言葉の冒険に駆り出され感無量。
    言語とはドラッグである。

  • ドイツ文学研究者としてのベンヤミンの集大成とも言える著作。古典古代の悲劇(Tragödie)と近代悲劇(Trauerspiel)を峻別し、バロック悲劇を論じる中でベンヤミンの哲学、悲劇論、メランコリー論を展開するこの著作は、今世紀に書かれたものの中で最も含蓄深いとともに最も難解であるという印象を抱かせる。

  • アレゴリーを巡る沈思黙考。

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著者プロフィール

1892-1940 ドイツの思想家・文学者。「ドイツ悲劇の根源」「パサージュ論」など

「2011年 『ベンヤミン・アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ヴァルター・ベンヤミンの作品

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