中世賤民の宇宙: ヨーロッパ原点への旅 (ちくま学芸文庫 ア 25-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480090478

感想・レビュー・書評

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  • 20140704~0730 久々の阿部謹也節に圧倒。大宇宙と小宇宙の狭間から取り残された”賤民”の存在。中世欧州が、贈与で成り立つ社会から、次第に貨幣社会へと変貌するさま、相続に絡む教会や市の役割などは、のちの相続税や法整備にも関わるのではないかと、経済学に携わる身としては興味深かった。最終章の”音”に対する日欧の感性の違いなんかはもう少し詳しく知りたいなー。

  • 6月の1冊目。今年の74冊目。今月は学術書中心でできればいきたい。

    阿部氏の論文を集めた論文集。「人と人との関係」を歴史的にどう読み解いていくか氏の研究方法が書かれています。具体的な内容については触れませんが、氏の研究の姿勢には今の歴史学に欠けているのものがあるのでは、といつも考えます。ま、実際歴史学にそんなに詳しいわけではないので、何とも言えませんがね。

    ただ、阿部氏の著作は歴史学に限らず、人文学を勉強する上で、大切なものが何か教えてくれると私は思います。この本もその内の1つです。

  • 中世の人々と我々とでは、宇宙観(この世界に対する理解)が全く違うことが分かり、非常に興味深く読んだ。この本では主に、空間・時間・死・大宇宙と小宇宙について、取り上げられている。学ぶことが非常に多い本だが、それでも、機械で均質に切り取った時間や物理的な基準をもとに測った空間の中で生きている身には、当時の人々の考え方が分からないことが多々あった。理解できなくても、こういう違いがあったと知ること自体が重要ということだろうか。


  • 中世の世界に魅せられたいなら、コレ。

  • 賎民誕生の背景となった、ヨーロッパの宇宙観について論じた本。
    生ける死体や人狼の起源など、非常に興味深い。

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著者プロフィール

1935年生まれ。共立女子大学学長。専攻は西洋中世史。著書に『阿部謹也著作集』(筑摩書房)、『学問と「世間」』『ヨーロッパを見る視角』(ともに岩波書店)、『「世間」とは何か』『「教養」とは何か』(講談社)。

「2002年 『世間学への招待』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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