魔術的リアリズム―メランコリーの芸術 (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480092786

作品紹介・あらすじ

1920年ドイツ。表現主義と抽象全盛の時代に突如現れ、束の間妖しく輝き、やがてナチスの「血と大地」の神話の陰に消え去った、幻の芸術があった。歴史の狭間に忘れ去られた画家たちの軌跡を克明にたどり、仇花のごとき芸術の誕生と死を通して、ある時代の肖像を鮮やかに描きだした名著。

感想・レビュー・書評

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  • 「魔術的リアリズム」種村季弘
    20世紀ドイツ芸術について。暗褐色。

    ノイエ・ザハリヒカイト(新しい即物性)。一次大戦からナチスの台頭までに表れた。
    工業技術の発展を背景に、“人びとの情熱は昼よりは夜に、現実よりは夢に向う。”

    1923年5月、マンハイム美術館にて企画された未開催の展覧会の回状にて、『新即物主義』の名前が初出。
    “ここ十年間に、印象主義的分解にも、表現主義的抽象にも組さず、またもっぱら有意味的に外的でもなければ、もっぱら構成的に内的であるのでもなかった、そのような芸術家たち~”
    “ポジティヴに具体的な現実に断固として忠実であり続けた~そのような芸術家たち”
    背景には、印象主義(impression)の外観性/表現主義(expression)の精神性に反立する、新しい時代のモノから投影されたヒトの姿、無機質な没個性を描くムーブメントがあった。

    いずれにせよ1918~1933頃の、ドイツ芸術の傾向のみにとどまったのである。
    後表現主義としての立位置(フランツ・ロー/抜粋)
    醒めた対象、宗教的命題極めて少ない、静力学的、うすい色層、記述的
    もう三崎亜記ドンピシャ。だと思う。

    フランツ・ローによれば、それは印象主義(的リアリズム)と表現主義の双方の「浸透」から成るものであった。
    印象主義的、乃至表現主義的、な傾向は過去繰り返し用いられた主題であるところに、第三の命題として、客体の主格化がきた。世界に対する我々ではなく、世界が我々に対する?

  • 解説:今泉文子

  • 新書文庫

  • 芸術は魔術。
    私は芸術はよくわからないが感動は人並みにする。リアルな絵画はフィクションではあるが虚偽の感動は起こさない。それは真実の感動であり、涙は流れ落ちる。

  • 単行本で既読。

  • 読みたい本。
    新聞広告より。「第1次大戦後のドイツに突如現れ、瞬く間に消えたリアリズム絵画。街も人間も風景も硬直した機会のように描き、黄金の1920年代の裏側にある沈黙と孤独の表徴となった。「死ヲ忘レルコトナカレ」の警句が響く絵画迷宮への案内書。」

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著者プロフィール

1933年東京生。独文学者。『ビンゲンのヒルデガルドの世界』で1996年度の芸術選奨、斉藤緑雨賞受賞。第一著作集「種村季弘のラビリントス」。ホッケ、マゾッホの翻訳・紹介者でもある。

「2020年 『ドイツ怪談集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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