ちくま日本文学全集 20 尾崎翠

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480102201

感想・レビュー・書評

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  • この作家でないと書けない、そんな類の小説。
    尾崎翠の置かれた境遇、育ってきた環境、資質、
    そんなものが入り交じっての「第七官界」なのでしょう。
    ふわりとして、ひやりとしている、
    「ガール」ではなく、あくまで「少女」の感覚がすばらしい。

  • ちくま日本文学全集020

  • 院生の頃ゼミで読んでたものなんだけども、読んでない話がちょこちょこあったので、全部読み切ってしまうことにしました。
    話や出てくる小物はけっこう好みだったりときめいたりするものが多いんだけども、文章というか文体がものすごくわたしに合わないのが残念です。
    特に、初恋、詩人の靴、アップルパイの午後なんかはすごく好きな話です。食べ物はおいしそうですよ。

  • 私にとってとても読みやすく、呼吸をするようにすんなり流れ込んでくる文章だった。作者も呼吸をするように書いているのではないかと思わせるような、美しい文章。
    なんといっても空気感がたまらない。このみっちりした空気に鼻先まで浸る幻燈のようだ。

    「第七官界彷徨」ではじめてこの人の文章を読んだが、行間に満ちる匂いに浸ってくらくらするようだった。蘚の恋ももちろん色鮮やかだけれど、物語の最後になってごく単簡に描かれる町子の恋の、淡く馨ること。大正期の人だけれど、こんな恋愛文学があったなんて、新鮮な驚き。

    私の読んできた恋の文章の中で、一番に近いくらい美しいかもしれない。

  • 遠い方の図書館。3回目の挑戦。今度こそ読めるかな?
    (12.04.04)

  • 少女小説、といっていいのか。なんとはなしにうらぶれた生活臭を漂わせながらも、幻想的。苔の恋愛。不思議。

  • いろいろと訳がわからなくなった。笑

  • 『第七官界彷徨』の面白さ・豊潤さは異常!これはいろんな短編が入った本ですが、最初に『第七官界彷徨』を読んでしまってもよいと思います。

  • 第七を開いたとたんに異様な迷宮に連れ込まれてしまいました。言葉はこんなに美しいのです。たとえ汚穢の匂いがしても。

  • 『こおろぎ嬢』→『地下室アントンの一夜』→『歩行』ときて、『第七官界彷徨』まで読み終えたら、また『こおろぎ嬢』に戻りたくなるのは私だけだろうか。


    ☆『第七官界彷徨』
    タイトルに惹かれる。
    なんとなく、政治的な話かと思ってたら、全く違った。

    登場人物が、みんな我が道を歩いてて、主人公の女の子は、それに振り回されてるんだけれど、別にそれを全く気にしないで、ついて行く。
    まるでロボットみたいなんだけど、最高にチャーミング。
    かみ合ってんだかないんだか、それでも物語は進んで行く。
    クスッという可笑しさが随所にある、最高にキュートな作品。

    結局のところ、第七官についての定義もなかったし、なんだかよくわからないけど、凄くギリギリのバランスで、最高に滑稽な物語。

    私の第七官で読めたのかも。



    この全集の中で、一番好きな話は『初恋』だけど。

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著者プロフィール

1896年鳥取生。女学校時代投稿を始め、故郷で代用教員の後上京。日本女子大在学中「無風帯から」、中退後「第七官界彷徨」等を発表。32年、病のため帰郷し音信を絶つ。のちに再発見されたが執筆を固辞。71年死去

「2013年 『琉璃玉の耳輪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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