ちくま日本文学全集 34 大岡昇平

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  • 筑摩書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (477ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480102348

感想・レビュー・書評

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  • 「中原中也の思い出」とか「富永太郎伝」、それに第二次世界大戦中の日本軍兵士の人肉食を扱った「野火」とか、興味深そうなタイトルが並んでいるけれども、読んでいてあまりひっかかるところがなく通り過ぎてしまいました。
    今はあまりこれらの話に関心が湧かない。

    それに「野火」の風景描写は、ほとんどわたしには読めない。読もうという気も起こらない。ただ文字を眺めるだけ(昔から風景描写についてはそうで、たいてい読み飛ばしている)。

    「レイテ戦記」の抜粋は、文藝春秋かなにかの論説記事みたいで、文学全集にはふさわしくないような気もするが、作者のこのような側面を紹介するものとして載っけたのだろう。
    けど興味ないので、これも斜め読み。

    「一寸法師後日譚」
    ここだけですね、面白かったのは。
    楽しくて、セクシーで、大笑いできるお話です。

  • レイテ戦記 より
    一寸法師後日譚
    中原中也の思い出
    富永太郎伝
    少年 より
    成城だより より
    歩哨の眼について
    野火

  • 「野火」が読みたくて手に取りました。
    戦争という状況の中で、人権も生きる意志も全て捨てた主人公が
    最後まで残していたものは信仰心でした。
    極端な例を出すと、究極の飢餓に陥った時人肉に手を出すかどうか。
    実際食べる人もいれば食べられない人もいたらしい。
    自分の命よりも人間の尊厳を大事にするか・・・?
    いや、そんな簡単な話でもないみたいだ。

    打って変わって「一寸法師後日譚」は、なかなか面白かったよ´.ω.`
    神話的起源を意識してたようでもあるけれど、展開がちょっと無理ありすぎでない!?w

  • 名前は、聞いたことあるような…。「レイテ戦記」というのは、聞いたことあるような……。
    と、存外、文学にくわしくないことを露呈してしまうわたしであった……。

    人物評、戦記物、エッセイみたいな感じで並んでいて、1番、たくさんページをさかれているのが、戦記物。「野火」というのと「レイテ戦記」のエピローグです。
    で、これが、まるでおもしろくない(爆)
    「レイテ戦記」のエピローグなんて、まるで資料の羅列。なんじゃこりゃという感じで、とばし読みをしてしまいました。
    例えてみるならば、後半の江川達也の「日露戦争物語」みたいな感じ。

    でも、人物評とか、エッセイとかは、けっこうおもしろいです。特に人物評では、「中原中也の思い出」がよかった。

    後半の「一寸法師後日譚」は、好きな話です。
    ちょっとエッチで、ちょっと怖くて、ちょっとユーモラスです。

    「成城だより」(一部)も、おもしろい。
    けっこう、最近まで、生きていた人なんだ。しかも、ものすごく、好奇心旺盛にいきていた人なんだということがわかります。

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著者プロフィール

大岡昇平

明治四十二年(一九〇九)東京牛込に生まれる。成城高校を経て京大文学部仏文科に入学。成城時代、東大生の小林秀雄にフランス語の個人指導を受け、中原中也、河上徹太郎らを知る。昭和七年京大卒業後、スタンダールの翻訳、文芸批評を試みる。昭和十九年三月召集の後、フィリピン、ミンドロ島に派遣され、二十年一月米軍の俘虜となり、十二月復員。昭和二十三年『俘虜記』を「文学界」に発表。以後『武蔵野夫人』『野火』(読売文学賞)『花影』(新潮社文学賞)『将門記』『中原中也』(野間文芸賞)『歴史小説の問題』『事件』(日本推理作家協会賞)『雲の肖像』等を発表、この間、昭和四十七年『レイテ戦記』により毎日芸術賞を受賞した。昭和六十三年(一九八八)死去。

「2019年 『成城だよりⅢ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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