- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480422187
感想・レビュー・書評
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2023.1.6
何故だろう。言っている事はわかるような気がするのにしっくり来ない。
茂木さんの言うところの「クオリア」を伴って迫ってこない。
僕に共通する経験がないからなのか、歳をとって鈍麻してしまったからなのか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
茂木健一郎の本を初めて読んだ。TVに出演する氏を見ていて、なんか胡散臭い感じを受けていて、どんな本を書くんだろうという、興味から。
脳科学などの話からやや逸れて、氏の若かりし頃の話など、なかなかおもしろかった。 -
この当時の茂木さんと同じ年齢の自分。
こんなレベルの高い文章を書けるのは流石茂木さんと言ったところなのか。
と言っても難しくて中々入ってきにくい部分もあった。
なんとなく理解しながら読めてはいたけど、「これ」と言ったなにかを吸収した訳ではなく、なにかジワジワ心に入ってくる、不思議な文章だった。
あとがきでも書いてあった様に、今だったら売れてもおかしくないけど、これが昔のあまり知られてない頃の茂木さんだったらあまり売れないのかなと思いました。 -
著名な脳科学者の著者が、「生と死」や「自己」といった哲学的なテーマについて語ったエッセイ集です。
本書を刊行したとき、著者がまだ33歳の若さだったと知って驚きました。科学者が本書のようなテーマに手を出すのは、すでに老境に差しかかった証拠なのではないかという、漠然とした印象を持っていたのですが、まだ若手の研究者だった著者が、自分の取り組んでいる問題を哲学的な思索と絡めて見なおそうとしていたというのは、やはり著者の抜きん出た資質を示しているのではないかという気がします。 -
いつもの茂木健一郎のようで、茂木健一郎らしくない本だ。
情動的な文章で綴られている。茂木健一郎の33歳の作品。
生きて死ぬというニンゲンの宿命の中で、
人生のすべては、脳にあるという事実が、死をどのように
とらえるのだろうか。
地球がうまれて、50億年。
恐竜が絶滅して、6000万年。
人類の誕生と、急速な社会的発展のなかで、
生きて死ぬ人間の期間は本のわずかだ。
それでも、常に新しいものを求めようとするニンゲンの
営みは続いて行く。
臨死体験に、スペースが取られているが、
もともと、それがテーマだったようだ。
若さあふれて、饒舌となり、文脈は脈絡がなく
科学として解明できない クオリアをつむぐ。 -
ずっと積ん読になってたものを、ちょっとずつ読んでいたりするのだけど、そういうのに限って、思ったよりも面白かったりして。これも、面白かった。茂木健一郎ていう人は結構この後、メディアによってすりへらされてしまったようなイメージを持っていたけれど、それは間違った認識だったかもしれない。そのくらいの原石感が、ここにはある。(12/2/13)
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脳科学者である茂木さんのエッセー。自己を脳との関係で捉えた上で生死について思いついたことを書いている。
考察は深いとはいえないが、かえってそれが身の丈に合う。
臨死体験とか体外離脱とか、一般に宗教的な色を含む分野にもあえて言及しているところが心証いい。
科学に対する態度についても参考になりそう。 -
特に印象に残ったのは、宗教に関する考察と、言葉の意味とは何か、という疑問について。このふたつの問題は、前者についてはほとんど無意識的に、後者はここ数年において意識的に気になっていたものである。前者については、ここでかなり整然と説明されているように思い、今後の指標としたいと思う。後者については、日本語と外国語との行き来に悩まされている自分にとって、非常に共感のできる部分があった。ある考え方を反映した言語を、別の価値観に基づく言語に翻訳することは、本当に難しい。けれど茂木の考えるように、この世界に流通している言語が一種の暗号のようなものだとしたら、まだ救いがある。なんでも吸収してしまう新生児のような気持ちで世界に接するしかないのだろうか。
湯川秀樹の『旅人』を読んだときにも思ったけれど、科学者の端正な文学的センスは嫉妬せずにはいられない。 -
若き日の茂木さんの丁寧な文章が新鮮。