- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480422613
感想・レビュー・書評
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すぐれた作品を読むことの快楽を語った本です。
ヘミングウェイの晩年の作品である『移動祝祭日』、「修善寺の大患」をくぐり抜けて人生の機微にせまった漱石の『明暗』、明るい太陽と地中海の織り成すイタリアの気候と風土への愛好を語ったゲーテの『イタリア紀行』などの作品をとりあげ、テクストを引用しながらそれらの作品の魅力がどこにあるのかということが論じられています。
著者は、かつての教養主義や現代の実用主義にもとづく読書とはちがう、すぐれた作品の魅力に耽溺することの歓びを、やや高踏的なライフ・スタイルの提言のようなしかたで説いています。もっとも、こうした「セレブ」っぽさを演出する韜晦癖は、著者の本ではお馴染みであり、どこまで本気で受けとってよいのかわからないのですが、こういう読書のしかたへの憧れが自分のなかに存在していることもたしかで、そのことを思い知らされたという点で複雑な気分になってしまいました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『明暗』論がよかった。
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書評好きにはたまらない。贅沢な書評。
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012050.
「読書とは背徳的なまでに甘美な行為」という著者が、日本の古典からフランス文学まで縦横無尽に語りつくすガイドブック。 -
読書を悦楽とするための指南本。自分にとって読書は単なる暇つぶしか知識の収集となっていたと思う。それも結構なものであるが、豊かな体験と呼べるものではない。本に臨む態度について再考する良い機会を与えてくれた。
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ヘミングウェイの「移動祝祭日」再発見。あとは題名が良いだけ。
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L25.jpで紹介されていた本。実用や時間つぶし、知識獲得を目的としない贅沢な読書、たまにはいいですよねぇ。