家内安全 (ちくま文庫 な 35-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 37
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480423207

感想・レビュー・書評

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  • 収録作品
    ゆっくり進む船が行く/鉄紺/ぬるぬる/ショートストーリーズ(短編六編…『きっと、大丈夫』、『良人』、『うふふ』、『埴生の宿』、『別れてのち、三年』、『MOTOR DRIVE』)/家内安全

    *****

    以前、『新解さんの読み方』、すごくくだけた感じで簡単に言うと、国語辞典へのつっこみ本、を少しだけ読んだことはあるものの、夏石さんの小説を読むのは初めて。

    “わたしの毎日は、彼しか与えることのできない栄養でできている”という言葉が帯にあった。
    …どろどろ系?
    南Q太さんの解説も楽しみにしつつ、読み始めた。
    女性独特の空気がこの本にもある。
    でも、思ったよりは“どろどろ”はしていなかった。

    基本的に、物語に出てくる女性たちは背筋がしゃんと伸びているように思う、そんなイメージ。
    同性と上手く付き合えないタイプが多い。
    うわべだけの付き合いとは仲良くすることがすべてではないのに。
    でも、ちゃんと誠意ある受け答えはさらりとできる主人公。


    ただ、私は苦手なタイプの本だった。

  • 知らない作家と思って手にとったら、一番嫌いなタイプでしたというオチなので、特に感想はない。面白くもなんともない。

    嫌われ者だと思って社会人になったら、性的な意味では嫌われておらず、相手には不自由しないものの、お互いの家庭が壊れたりいろいろあるよね、という話が何本か。

    セックスとその先にある出産を盾に、女性が自らの正当性のみで突っ走り、棘だらけの棍棒で社会を殴るというタイプの作品が、昔から嫌いである。山田詠美や倉橋由美子など。1980年代後半くらいに、意識の高い女性向け雑誌の隅に、よくわからないイラストを背景にして掲載されていたような小説だ。

    これらの作品群から受ける印象は「私はお前たちが嫌いだ」しか無いわけで、たまたま「そっち側」に上手く乗れなければ、一切の感情移入が出来ず、何寝言を言っているのかという感想しか持てない。

    でまあ、ある程度長い3作は、主語述語も全然書けていないものの、無理してなんとか読めたが、途中の2ページくらいの作品群はこれっぽっちも残らなかった。載せる雑誌も雑誌である。

    もういい。

  • 表紙とタイトルがちぐはぐな印象で読んでみた。

    恋愛ものと言うには生々しすぎるし、かと言って杉本彩さんの著作のような世界でもない。
    あっけらかんとしすぎていて拍子抜けするほど。

  • 夏石鈴子はセックスのことをとても愛おしく書く。いやらしいこと、のはずなのに、そして、からだの感ずるあれこれがかなりていねいに描かれているのに、不思議に、読んでいて全然欲情しない。セックスとして現される、相手をどうしようもなく欲しいという気持ちとか、向き合って欲しいという気持ちがあんまりにも真剣で真摯なので、そちらに気を取られてしまうからだろうか。
    それぞれの短編にでてくる女性は、みな、我が道をいく感じの、媚びないし馴れ合わないタイプの人たち。言い訳しない。正当化もしない。どうしようもない苛立ちとか欲求とか不安とか、ちゃんと、そこにあるものとして、逃げてない。ごまかさない。

  • 女の日常のエロが描かれている。

  • 3年前に読んで、またいつか読む予定のグループに入れていた本。そしてまた3年後に読む予定にしよう。

  • 2010.3

  • 『いらっしゃいませ』がおもしろかったので、
    ほかの作品も読んでみたいなぁと思って。

  • 何度も読み返している。女性の心の微妙な動きにものすごく共感する、わたしにとってオンリーワンな作家。恋してる時に読むとたまに泣きそうになる。

  • 1/2 年頭からすごい本にあたってしまった。もうせつなすぎて衝撃的。文章を追っているだけで涙が出た。激烈におすすめ。夏石鈴子さん,好きだ。

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著者プロフィール

1963年生まれ。著書は『バイブを買いに』、『いらっしゃいませ』、『新解さんの読み方』、『新解さんリターンズ』、『今日もやっぱり処女でした』(日本図書館協会選定図書)、『きのうと同じに見えるけど』などがある。

「2010年 『愛情日誌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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