名短篇、さらにあり (ちくま文庫 き 24-2)

著者 :
制作 : 北村 薫  宮部 みゆき 
  • 筑摩書房
3.28
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本棚登録 : 333
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480424051

感想・レビュー・書評

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  • 舟橋聖一「華燭」
    永井龍男「出口入口」
    林芙美子「骨」
    久生十蘭「雲の小径」
    十和田操「押入の中の鏡花先生」
    川口松太郎「不動図」
    川口松太郎「紅梅振袖」
    吉屋信子「鬼火」
    内田百閒「とほぼえ」
    岡本かの子「家霊」
    岩野泡鳴「ぼんち」
    島崎藤村「ある女の生涯」

    音楽のアルバムのように、短編集の構成も大事。
    胡乱な様子ではじまって、松太郎あたりでぎゅっと盛り上がり、「鬼火」「とほぼえ」で冷やす。かの子でのん気、その後の「ぼんち」が効いてる。藤村がトリなら文句ないでしょ、のダメ押し。

  • かなり、旧い時代に書かれた旧いハナシばかりだから、読みにくさはある程度あったのだが、なんというかな、通底にある物悲しさみたいなものや恐さだったりというのはちゃんと伝わってくるものなんだな。
    靴を間違えて履いてかれてしまう話があるが、自分も通夜ではないが、昼飯食べた茅場町の飯屋でそういう経験があるが、多分昼間だし酔ってもいないはずなのに、間違えるやつなんているというのが、本当に信じられなかったあの出来事を思い出した。

  • 以下収録内容

    舟橋聖一「華燭」
    永井龍男「出口入口」
    林芙美子「骨」
    久生十蘭「雲の小径」
    十和田操「押入の中の鏡花先生」
    川口松太郎「不動図」
    川口松太郎「紅梅振袖」
    吉屋信子「鬼火」
    内田百閒「とほぼえ」
    岡本かの子「家霊」
    岩野泡鳴「ぼんち」
    島崎藤村「ある女の生涯」

  • 収録内容は以下の通り。

    舟橋聖一: 華燭
    永井龍男: 出口入口
    林芙美子: 骨
    久生十蘭: 雲の小径
    十和田操: 押入の中の鏡花先生
    川口松太郎: 不動図
    川口松太郎: 紅海振袖
    吉屋信子: 鬼火
    内田百閒: とほぼえ
    岡本かの子: 家霊
    岩野泡鳴: ぼんち
    島崎藤村: ある女の生涯
    北村薫、宮部みゆき: 解説対談「小説という器の中の不思議の世界」

    『紅梅振袖』
    職人の一途さが眩しい。ここまでの一途さをどう思うかは人によるだろうが、私は、こうありたいと思った。
    『鬼火』
    途中からの急展開に、驚くなり反省するなり。
    『ぼんち』
    まるで自分の事を言われているようで、甚だ嫌な気持ちになった。こうあってはならないと思った。

    カバーデザインは神田昇和。

  • 北村薫氏、宮部みゆき氏の選んだ
    昭和の傑作短編12作

    どれも名作なのだろうけれど
    最近の軽い文体に慣れてしまった身としては
    かなり読みにくい

  • 何だか読み返すのが辛い作品が多かった印象。。。

    文庫本だと解説があって、それも好きだが
    ラストの北村氏と宮部氏の対談形式もいい。
    恥ずかしながら島崎氏以外存じなかったので、全くの先入観ナシの為、対談についていけないことも多いのだが。。
    お二人の意見をきくと、より面白さが増す。

    華燭…舟橋 聖一
    →三谷氏の映画の雰囲気を思い出す。。
    出口入口 …永井 龍男
    →ちょっと難しい。。。会社の立場とか??
    骨…林 芙美子
    →主人公にしても、弟にしても、父親にしても。。そこまでの悪人は誰ひとりいないのに、幸せになれない、報われない現実。。辛い。。
    雲の小径…久生 十蘭
    →う~ん??解釈は読者に任せるのだろうか??
    押入の中の鏡花先生 …十和田 操
    →存じてたら、さぞかし面白いのだろうな。。
    不動図…川口 松太郎
    紅梅振袖…川口 松太郎
    →こちらの方が分かりやすい。そこまで意地にならなくても、とも思うが。。
    鬼火…吉屋 信子
    →宮部氏の解釈を読んで、そっちか、と。
    催促人のせいで、先に奥さんが…結果として旦那さんが、と思っていた。
    少しの意地悪や皮肉なんて、誰もがやりがちだけれど、だからこそ、気をつけないと。。
    とほぼえ…内田 百間
    →そっちかぁ。。旧書式だけれど短いのでさほど苦しまず読める。
    家霊…岡本 かの子
    →読み終えて、タイトルについて色々考察。
    ぼんち…岩野 泡鳴
    →辛い!!授業中お腹が痛くて、でも周りには苦しみが分らないし、こちらも大袈裟にしたくないし、という体調不良時のしんどい思い出がまざまざと蘇る。。
    本当、「ぼんち」だなぁと、読み終えて納得するけれど、気持ちも分かるから
    この本の中で一番辛いお話だった。
    ある女の生涯…島崎 藤村
    →これも辛い。。。今なんてもっと生きるし。。。
    お二人の解釈が興味深い。

  • 奇妙な話が多い

  • 好き嫌いが結構分かれそうな短編集。当方の好みは『骨』『不動図』『家霊』かな。林芙美子は『放浪記』の甘さと打って変わった感じでちょっと見なおしました。川口松太郎・岡本かの子はそもそもほぼ未読の作家ということもあり、新鮮さ含めて楽しめました。
    しかしほとんど今の時代に読まれていない作家のような気が、、、あれですな、作品が未来も生きていくということはやはり大変なことなんですなぁ。

  • かの子の作品があって嬉しかった。
    印象に残ったもの林芙美子「骨」。
    ふふっとなったのが十和田操「押入の中の鏡花先生」。近代に限ったことではないのだろうが、この時代の文壇世界の交流というか、文学をやる人の師弟関係ってくすぐったくていい。一途。
    川口松太郎「紅梅振袖」と岡本かの子「家霊」は泣けた。弱ってるときに読んじゃ駄目なやつ。
    呆然としたのは岩野泡鳴「ぼんち」、島崎藤村「ある女の生涯」。頑張って読み読み、読み終え、えっ、ええー…となった。

  • 面白いものもあるけど、昔の小説は読みづらいなぁ

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著者プロフィール

舟橋聖一(1904.12.25~1976.1.13)小説家、劇作家。1928年、東大国文科卒。大学在学中の26年、戯曲「白い腕」で注目され文壇に登場。32年から33年「都新聞」に連載した「白い蛇赤い蛇」で劇作家から小説家への転身をはたす。戦後は風俗小説の代表作家と目されるが、官能表現を耽美主義へと高めた純文学の佳作も多い。主な著書に『悉皆屋康吉』『雪夫人絵図』『芸者小夏』『ある女の遠景』『好きな女の胸飾り』等。

「2013年 『芸者小夏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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