- Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480425263
感想・レビュー・書評
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短編も長編もいつの間にか、読み入ってしまう流石の筆力。
映画や舞台化されている様子が浮かんでくる…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
有難う
は、わずか4ページだ
石田衣良が、いつの間にか泣かされてしまうと言うのも首肯できる とても良い -
短篇が八つと長篇が一つ。長篇の『山の音 』では、“死”、“夢”、“花”、“美醜”の描写が多い。「死」は川端康成自身が幼い頃に両親をなくした経験から、抑圧された願望が「夢」となって現れるのはフロイトの影響、「花」は若く美しい女性の比喩、「美醜」は若く美しい女性に惹かれ、老いた醜い女性には惹かれない人間の本能かと思われる。登場人物たちの離婚や浮気、堕胎など現代ではありふれた話かもしれないが、当時はどうであっただろうか。日本語の美しさを味わえる作品でもあった。
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短編「葬式の名人」、「掌の小説」より七編、長編「山の音」が収められている。
川端康成は日本風の叙情味あふれる作家だとなんとなくイメージしていたが違った。
作品は硬質だった。
「山の音」は、老夫婦と息子夫婦が同居するある程度裕福な世帯の日常を、鉄筆で描いたエッチング画のような作品で、作者の冷ややかな観察眼が特に印象的だ。
だが冷ややかすぎて楽しくない。構成はカチッとしていて揺るぎなく、作品としてそれは立派なものだが、イヤな中身である。
こういう冷徹な観察家はえてして極端なエゴイストだったりするが、川端康成もそうだったに違いない。底意地の悪さのようなものが滲み出ていて不愉快だ。
川端康成は不愉快な作家なので私は嫌いだ。 -
どうして今頃川端を?自分でそう思いながら読み返しました。三度目の「山の音」。掛け値なし、傑作です。
二十代に読んだ時には、「卑猥」だと感じました。四十代の終わりに読んだ時には「うまい」と思いました。今回「参りました」。
戦後の十年間という時代が、戦場の現場を知らない語り手である主人公信吾を設定することによって、くっきりとリアルに浮かび上がってくる、いわゆる「戦後文学」として、同時代の大岡昇平や、野間宏、戦場を見て、体験してきた作品に対峙している。みごとなものだと思いました。 -
【読書メモ】長編『山の音』、男性による老人文学としか言い表せない。ぼんやりとした不快さがつきまとった。自分にはまだ早い作品なのだろう。
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夫婦というのものは、おたがいの悪行を果てしなく吸いこんでしまう、不気味な沼のようである。…深いなぁ。
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読んでないです。全く。
ただ短編の「化粧」が大好きです。
映像化したいぐらい好きです。
恐ろく美しい。
女子なは、みんな分かるんじゃないかしら?