スタバではグランデを買え!: 価格と生活の経済学 (ちくま文庫 よ 27-1)
- 筑摩書房 (2012年1月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480428967
作品紹介・あらすじ
スーパーなら88円のお茶を、店の前の自動販売機で150円で買う人がいるのはなぜか?ケータイ料金は、なぜあんなに複雑なのか?100円ショップの安さの秘密はどこにあるのか?グランデサイズのコーヒーがお得な価値設定なのはなぜか?身近な生活で接する価格について、やさしい経済学で読み解く。価格のカラクリを知りたい消費者のための経済学入門。
感想・レビュー・書評
-
2007年、当時の新鋭エコノミストによる市場経済における価格決定のノウハウ本。当時はその斬新でインパクトのあるタイトルでかなりのブームを巻き起こしていたことを覚えている。そのムーブメントに乗った読者の一人として、再読。
なぜ、スタバでショート(Sサイズ)ではなく、グランデ(Lサイズ)を選ぶべきなのか。量は倍だが、価格差はそれほどではない。そして、店側の材料費、労力負担はどちらのサイズもほぼ同じ。社会全体の経済利益を考えれば、客も店もグランデを選ぶことが幸せだ。という結論。
これって、最近のダダ下がりする日本のGDPを回復させる一つのアイデアでは。日本人はスタバでショートしか飲まなくなってしまった。
本書はさらに、コンビニとスーパーでの飲料格差、百均の低価格ノウハウ、子供の医療費無料化などなど、モノやサービスの価格がどのように決まり、消費者はどのように動くのかをわかりやすく解説。ベテラン企業人であれば、知っておくべき常識であり、これから経済を学ぼうとする学生には、よい教科書。
また、バブル崩壊後、iPhone上陸前、日本の元気がなくなりはじめた頃の市場を振り返ることができる「昔はヨカッタ本」。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第7章 経済格差が、現実にはなかなか是正できないのはなぜか?
所得よりも資産の格差のほうが大きな問題である
第8章 子供の医療費の無料化は、本当に子育て支援になるか?
安易に政府に頼る国民は、結局は大きなツケを負わされる
終章 身近な話題のケース・スタディ
付加価値に分解して考える
おわりに 他人と同じだから得なこと、ちがうから得なこと
第七章以降があるから、一般的なビジネス書とは一線を画している。良書。 -
勉強になった。価格の仕組みについて知ることができた。
-
日常の中の経済
普通に生活してて、感じる「?」にうまく答えて、わかりやすい!
-
身近なところから経済学を学べる。
-
面白かった。
同じペットボトルのお茶がスーパーで88円、コンビニでは147円、自動販売機では150円で売られているのはなぜか?
原価15円程度のコーヒーが250円で売られている内訳は?
家電量販店が密集して立っているのはなぜか?
などなど。 -
スタバではグランデサイズを買った方がいいということだけでなく、100均の安さの秘密や携帯電話の料金プランがなぜあんなに複雑であるかなど、日常生活では意外と意識しない部分を例を交えながら経済学的に説明している本だった。経済学用語が時々見られたが、表なども用いられているためゆっくり読めば理解に難くない本である。
-
身近なお店の価格設定について。
スタバでのショートサイズとグランデサイズの値段が100円しか変わらないことを皮切りに、市場の様々な価格について分析する。普段意識しないコスト構造について知り、新たな価格の見方の発見となった。
グランデサイズを買うことは、店側にとってもお客にとっても良いことらしい。 -
細かい数字が多くて思ったより難しかった。
スタバは人件費とか場所代が高いから、飲み物自体は安いということが具体的な数字でよくわかった。
金持ちでも、相応に働いて金持ちの人と、そんな働いてないのに金持ちの人とがいるというのが考えたことがない部分だった。
与えられた仕事をきっちりこなして、正当に評価されるということが給料が増える方法だという部分はとても納得した。 -
取引コスト、時間コストについて書かれた本。取引コスト、時間コストについては普段から考えていることなので、目新しさは全くなかった。発刊された頃に気になりながらもずっと読めていなかったが、期待しすぎていたのかもしれない。特に読む必要はない本だと思います。