僕の明日を照らして (ちくま文庫 せ 11-2)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 1168
感想 : 86
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480431417

感想・レビュー・書評

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  • 虐待のテーマを扱っていて、瀬尾まいこさんの小説としては重い内容かなと思ったが、主人公である隼太の成長が描かれており、心温まる話であった。
    ただ最後の結末には驚いたけど、決してアンハッピーな結末ではない。

  • 瀬尾まいこさんの作品は、どれも人間味があって面白い。
    中学生・隼太と義理の父・優ちゃんのそれぞれの闇。闇の中から沸々芽生えてくるお互いの信頼関係と成長する姿がとてもほっこり温かい。
    最後はハッピーエンドともバッドエンドとも捉え難い結末だったけれど、この家族にとっては良い結末ではあったのかなと思った。

  • 人の感情がうまく描かれている。

    知らない世界だからわからない世界でもある。

    あったかいような切ないような変な気持ちになるけど後味は悪くなくて、サクサクと読まされたという感じ。

  • 虐待する継父と僕(隼太)の物語。というと、無職で酒浸りの父親を想像してしまうが(私だけ?笑)、この父親(優ちゃん)は近所でも評判の優しい歯科医。普段とても優しくて穏やかなだけに、スイッチが入った時にガラッと変わってしまうのが怖い。でも我に帰ると、猛反省…ものすごく小さくなってしまう。
    2人で“優ちゃんがキレないよう”色々試し、努力する日々を見守る感覚で読み進める。
    ラストは予想と違ったけれど、2人の絆がここまで強くなっていたのかということに感動。その先を想像させられる終わり方だった。

  • なんでだろう。おかしな形の愛を、すごく愛おしく想った。さみしさは時に、残酷に悲しいほど、人を触れ合いへ敏感にさせる。けれど、それが温かくて、羨ましくも思う。最後は、涙がでた。

  • 暴力を振るっちゃう優ちゃんとの物語。
    血のつながりのあるお母さんと、血のつながりのない優ちゃん。クラスメイトに、部活の先輩。
    人との繋がりについて改めて考えちゃうようなお話でした。

    暴力よりも一人ぼっちの夜のが怖い、ってわかる気がする。
    守りたいもののために必死になる姿に苦しくなりました。

  • 一言でいえば家庭小説に入るんだろう。児童虐待に関する物語。

    読んで、子供にとっての最良を考えた。このところ話題のドラマも思い出したりして(見てはいないのだけど)。

    うむ、答えが出ないというのが正解なのだろうと読み終わって微かに思った。

  • 読後感が不思議
    急な幕切れなだけに、その後が気になる。

    つまるところ、子どもは成長する。
    子どもなりの理屈で。
    ある意味、柔軟でタフだなぁ。

  • 読みやすくてすぐ読み終えられた。
    DV、ひとり親、思春期、反抗期、再婚、貧困、義務教育など色々な環境に影響される主人公の思いが描写されていて、1年ぶりくらいに久しぶりに小説を読んでみて、小説も良いなぁと改めて感じた。
    自分と通ずる部分もあるし、読んでいて切なくなる部分、はたまた心が温まる部分もあった。
    登場人物の物語って捉えるとそこで終わるけれど、主題が虐待じゃなくて善悪だという解説を読んで、そういう捉え方もできるのか、とびっくりした。

  • 虐待の話だったのでかなり構えて読みました。でもやっぱり瀬尾さんの本でした。どんな理由があったとしても虐待の加害者を認めることなど絶対に有りませんが、このような大人は世の中に案外たくさんいるのではないかと思います。ただし、この様な子供は絶対にいません。虐待の被害者が虐待の加害者を救済するなどということは現実にはあり得ませんが、このフィクションの物語りでは何とか3人で暮らす日がまた来て欲しいと思い読み終えました。

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著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

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