- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480437372
作品紹介・あらすじ
さまざまな人生の転機に思い悩む女性たちに、そっと寄り添ってくれる、珠玉の短編集、いよいよ文庫化! 巻末に長濱ねると著者の特別対談を収録。
感想・レビュー・書評
-
話の筋と関係ないですが『いちご』の浮ちゃん(お爺)のキャラが最高でした。爆笑。
ブレないお爺!
主人公と浮ちゃん(お爺)のやりとりに、西加奈子さんのギャグセンの高さが伺えました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一つ一つのお話に紡がれている言葉が心に、染みました。魔法のような文章でとても心地良かった印象です。西加奈子さんの作品は、「サラバ!」以来読んでなかったのですが、たまたま表紙に元欅坂の長濱ねるさんの帯文が目に入り手に取ったのですが、何かダメージを受けたりした人に染みるというか、自分がやるせのない思いでいる時にこの作品に出会って変われたと、西加奈子さんのユーモアあふれる文章が心に変化させてくれる。そんな感想を持ちました。中でも「ドラゴン・スープレックス」という作品は、とても心から笑えたし、心から共感できました。「あの人には、あかんもんが憑いてると、あかんもん憑くからあかん」その言葉が口癖なおばあちゃんに翻弄される曾孫の女の子の物語で、変わった人々に囲まれて生きていく模様がユーモアに描かれています。とても心に響きました。
-
西加奈子さんのイラストが力強い。最近、ダンボールの裏に描いていることを知った。このイラストのように短編集に出てくる女性は皆、力強く懸命に生きていた。
私は、「孫係」がよかった。係だと思えば、大抵のことは、できそうな気がした。お互いが、係を思いやりをもってこなしていけば、誰もがもっと平和的に暮らせそうな気がした。そして、悪態がつける本当に信じられる人をみつけておきたいと思った。 -
『孫係』が好きでした。
係をきちんとこなす。
「ばあさんも、私以外には一切悪態をつかなかった。みんなを思いやって、みんなが望むことを全力でやって、そして疲れたら私にだけそっと悪態をつく。絶対誰にも漏らさなかったし、だからそれによって誰かを傷つけることは絶対になかった」
完璧なおじいちゃまが言うから素敵でした。
外面がいいことが悪いことじゃないと思えた。
「その人の望む自分でいようと努力するんです。」
「正直なことと、優しいことは別なんだ。」
『あねご』
お父さんは、頑張ってたんだ。お父さんに言ってあげる人はいたのだろうか。もしいなかったのなら、私が言ってあげたい。お父さんがいてくれて、本当に楽しいって、そう言ってあげたい。
「あなたがいてくれて、本当に楽しいです。」
-
8編の小品集。
どれも身近な様で異世界の様で、これが西加奈子さんのworldなのかな…と思いました。
特にあねごは共感しながら読み進めました。そうやってキャラを確立して受け入れてもらって自分が自分てなくなっていく感じが
現代の奥底にある孤独感なんじゃないかと。
小品集はサラサラと読める良さがある反面、もう少し続きが知りたい入り込みたいのにと言う不満足を感じるのもまた良し何だよね。 -
日々を生きる中で、出てくる不安や罪悪感。
自分というキャラクターと世間との齟齬から出てくるしがらみのようなもの。
それを気にしなくて良いんじゃない?っという気持ちにさせてくれる短編集。
共感できるところも出来ないところもあり、それは様々な悩み、私が体験したことのない悩みがかかれているからこそで、それも分かるように年を重ねたいなとも思う。 -
孫係 と オーロラ が好きでした。
孫係
誰しも周りにも合わせるようなときってあると思う。
何なんだろうこれ。と思うときもある。
それをそっと肯定してくれる。
おじいちゃまと孫のやりとりもなんだかカワイイ。
オーロラ
この人たちは恋人なんだろうか、そんな気がする。と、読み進めたら、
最後にほんとに恋人だったことがわかる。
最後の最後まで明確に示されないけど、
そこはかとなく香る、恋人感。
それを感じさせるのが作家さんの凄いところ。 -
最初読んだときはおもしろい短編小説だな〜って思うくらいだったけど、
最近、この本のここが読みたい!と思うことがあって。
「おまじない」というタイトル通り、
色んな場面でお守りになるような言葉が散りばめられていることに気づきました。
これからもお世話になる気がする。