あしたから出版社 (ちくま文庫, し-56-1)

著者 :
  • 筑摩書房
4.20
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本棚登録 : 1088
感想 : 70
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480438225

作品紹介・あらすじ

青春の悩める日々、創業への道のり、編集・装丁・営業の裏話、忘れがたい人たち……「ひとり出版社」を営む著者による心打つエッセイ。解説 頭木弘樹

本当は就職をしたかった。でも、できなかった。33歳のぼくは、大切な人たちのために、一編の詩を本にすること、出版社を始めることを決心した──。心がこもった良書を刊行しつづける「ひとり出版社」夏葉社の始まりから、青春の悩める日々、編集・装丁・書店営業の裏話、忘れがたい人や出来事といったエピソードまで。生き方、仕事、文学をめぐる心打つエッセイ。
解説 頭木弘樹

感想・レビュー・書評

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  • p.2024/5/3

  • おもしろかった!
    夏葉社日記や、長い読書など、夏葉社や島田さんに関連する書籍を、好きな本屋さんが推し並べて棚に並べるもので、まずはここからと思いこの本を手に取りました。

    作家を目指してフリーターをしていた島田さんが、ひとり出版を立ち上げ、本を編集して売り出していく様子などが描かれたエッセイ集です。

    自分もいわゆる就職には挫折感を持っていたので、共感からスタートしてあっという間にのめり込んでしまいました。
    文章も簡潔でわかりやすく、読みやすかったです。
    本がとにかく好きな人、仕事に悩む人にはとくにおすすめしたい一冊でした。

  • 所々に存在する悲しみと隙間から漏れ出る強さが相まって、著者の人となりに惹かれた。不器用でうまくやれないけれど、誠実に対応をして仕事をつくっていく姿が眩しかった。不安定な所に心がざわついたりして、読むのが苦しい部分もあって。それでも生きていく、本をつくって売っていく、自分の仕事や生活を思い返して頑張ろう。私なりに。と思った。

  • 文庫版書き下ろし、解説もよき

  • 【孤独なときは本屋さんへ行った】

    従兄が死んだ
    就職できなかった
    本をつくることに決めた

    ひとり出版社を立ち上げた島田さんの
    「いい本」への気持ちが溢れる一冊

    解説の「残像のいい人」という言葉が
    とても好きです

  • カフェで何気なく手に取った本だったけど、読んでいて何度も涙が込み上げてきた。
    夏葉社さんの本も読みたい。

  • 良かったなぁ、電車の中で読んでいて、何度涙を拭ったか。
    また別の機会にまとめたいので、
    このへんで。

    →「本屋さんへ」
    https://blog.goo.ne.jp/mkdiechi/e/bf949592143aa63c0768728354a54572

  •  本好きな人には,たまらない本だろうと思う。
     この本のことは,わたしがお世話になっている仮説社のブログか『たのしい授業』誌上かであると思われる。よく覚えていない。

    みんなと同じ働き方はあきらめた。30歳まで自分のためだけに生きてきたぼくは,大切な人のために全力で本をつくってみようと思った。(表紙より)

     大好きだった従兄弟の突然の死を受け入れようと,初めての本作りに挑戦する筆者。本好き,本屋好きと自負する著者の七転八倒の物語。本書を読むと,ここに紹介されている,著者が編集した本たちを読みたくなる。
     わたしが読んだのは,単行本の方。このブクログに登録しようとして,文庫本も出ていることを知った。 

  • とにかく繋がりが素敵。人柄もあるのでしょうけど、縁がすごい!本も面白かったけど、編集された本がとても気になって早速注文しました。勿論ネットではなく書店で取り寄せました。これからも楽しみにしています。

  • -------------------------
    就職は
    あきらめた。
    本をつくる
    ことに決めた。
    -------------------------
    好きでよく見ているYouTubeで(vlog)で島田さんの本が紹介されていました。
    気になって購入し、ようやく読めました。

    本書冒頭の「はじめに」が胸に刺さりました。
    そう、そうなの、って。
    みんな自己責任、
    失敗したら責任とるのが当たり前、
    だってそれは自分が選んだんだもんね、って。
    そういう気持ちにさせられるのは、
    SNSで糾弾されたり
    執拗に言葉で責められる様子を見るからなのか。
    でも、ネットというツールも
    島田さんの出版社では活用されています。
    (ブログやSNSを通じてきっかけを作ったり)

    本書は、
    島田さんが出版社を立ち上げるまでの過程と想い、
    出版物をどう販売につなげるかなど、
    島田さんのお人柄や生い立ちと織り交ぜながら
    描かれています。
    書店を一軒一軒まわる姿や、
    どう経営していくかなど、本当にぎゅっと。

    綺麗な本、ずっと本棚においておきたい本、
    本の中身だけではなく、外側も含め。
    夏葉社の本が欲しいのですが、
    お小遣いの関係で賞与が出たら、
    お迎えしたいと思っています。

    本が好きな人はもちろん、
    今の生活が少し苦しかったり、
    これで良いのかなと思っている人にも
    ぜひ読んでほしい一冊でした。

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著者プロフィール

1976年高知県生まれ、東京育ち。日本大学商学部会計学科卒業。大学卒業後、アルバイトや派遣社員をしながら小説家を目指していたが、方向転換。2009年9月に出版社・夏葉社を東京の吉祥寺で創業した。著書に『古くてあたらしい仕事』(新潮社)、『父と子の絆』(アルテスパブリッシング)、『90年代の若者たち』『本屋さんしか行きたいとこがない』(岬書店)がある。

「2022年 『あしたから出版社』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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