若い人のための10冊の本 (ちくまプリマー新書)

著者 :
  • 筑摩書房
3.40
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本棚登録 : 132
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480683656

作品紹介・あらすじ

本とは、世界の秘密へと通じる扉の鍵を、私たちに与えてくれるもの。いったいどんな読書をすれば、そこに辿りつけるのか? あなただけにこっそり教えます。

感想・レビュー・書評

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  • このタイトルのアバウトさ。
    それが著者に課されたお題でした。
    無限大の本の中から「若い人のため」だけの情報で本を選べというのですから、著者も悩みます。
    そしてできたものは、本の紹介というよりは、生き方そのものについて語る本になってしまっています。
    もちろんその中心にあるのは本なんですけどね。
    本を手に人生そのもの、考え方そのものを語るような本になっていますね。
    「若い人」とありますが、紹介されている本からして、中学生には荷が重いかもしれません、高校生以降かな。
    中学生でも読める子はいるでしょうけど。
    全般的に硬いです。
    若い人の将来に向けて読んでみて、考えてみて欲しい本を集めているので仕方ないのかもしれません。
    私が同じテーマで本を選んだらどんな10冊になるだろう。
    そして私は著者のように若者に向けて言葉を紡ぐことができるだろうか。
    頭の中にいくら考えていることがあっても、それを書いて表すというのは本当に難しいことですね。

  •  表象文化論の小林康夫氏の著作。氏が自身の本との出合いを振り返りながら、これから21世紀を生きて行こうとする、中学生以上の読者に向けて書かれた本。
     中学生に向けて書かれた著作ながら、ちょっと読みにくいところもあったので、四つ星。

    10冊の本が紹介されている。
     中でも、中原中也の詩集を紹介した第3章、矢内原伊作の『ジャコメッティとともに』の第4章が出色だと思う。

     こんな本に中学生の時に、あるいは遅くとも高校生の時に出合っていたら、自分の人生は変わっていただろうなと思わされた。
     
     氏の「知」に対する圧倒的な肯定感に接すると、この人は、性善説で生きられるような人にしか出会わずに済んだ幸運な人なんだろうなという気がして羨ましかった。そして、性悪説に立たなければ生きていけない自分の不幸が省みられた。
     
     最後の1冊が檀一雄『檀流クッキング』に終わっているところが面白い。
     
     

  • 哲学者である著者が、今の若い人々に読んで欲しい本を紹介する作品。
    自身が若き日を振り返り、その後の自分の生き方に影響を及ぼした、また今の自分があるのは「この本だ」と言える本を紹介している。
    「ノルウェイの森」や「ゲド戦記」「壇流クッキング」等の紹介もあるが、一方著者はすでに70歳になる方であり、若き日に読んだ本は今の若い人たちにはあまり馴染みのない本、教科書で取り上げられるくらいにしか知らない本が多いと感じるだろう。
    また著者の文章は哲学者としての目線で書かれたもので、その文章は難解と感じられる。若い人ではない私にとっても「難しい」と感じた。
    しかし、ここに紹介された本を若い人が興味を持って一冊でも手にとってくれると、それは今まで自分が知らなかった世界に一歩踏み出すきっかけになるのではないかと思う。

  • 「若い人」と書いてあり、俺じゃんと思ったら、大学生は著者の定義からは外れているようで、老いを感じた。
    内容は大学生でもいける。というより読書離れした現代人ならば何歳が読んでも価値があるもののように感じた。

  • 次に読む本をなんとなく探している若人にオススメ

  • (2021-04-01 2h)

    著者、小林康夫さんの温かな語り口で紡がれるヤングアダルト新書。
    私はもはやこの本の対象とされる10代後半の歳ではありませんが、間奏曲1(p115)に少し励まされながら読み進めました。

    ノルウェーの森、中学生のときに性描写の多さから上巻で切り上げてしまい、読了できておらず、加えて以降村上春樹さんの著作を食わず嫌いしていました。引用されている箇所を読んでいても、その淡々とした描写が嫌に艶めかしく感じてしまって駄目ですね。まだ村上春樹さんの性の枠について触れることが難しそう。

    推薦されている本は、『夜と霧』のほかは全て未読です。すべて読み進めていきたいですね。
    自然科学は正に門外漢なのですが、知ることの必要性について語られている中で感銘を受けました。自分たちの世界について知ることに積極的な姿勢を保ち続けたいと思いました。
    ゲド戦記の作者さんの「人は本を食べ、映画は聴衆を食べる」という表現、すごく好きです。ゲド戦記ってジブリの印象が強くて、推薦図書に並んでいるのを初めて見ましたが、この一言で、このかたの描く作品が読みたい!と一挙に惹き付けられました。

    また、随所に溢れる小林さんの本に対する愛情が素晴らしいです。私が紙の本に対して抱く愛しさと同じかそれ以上の大きな愛が滲み出ています。最後のあとがきなんか、最高ですね。本の重み。素敵だ〜。

  • いままで読書をあまりしてこなかったけれど、読書のできる人になろうと決心した中学生から高校生におすすめです。

  • 40代の私が読んだことのない難しい本が紹介されていました。縁遠い本ばかりでした。参考にはなります。私は幼いのかも知れない。

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著者プロフィール

東京大学名誉教授

「2023年 『知のモラル 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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