百合子さんは何色: 武田百合子への旅

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480813541

感想・レビュー・書評

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  • 武田百合子と夫泰淳の担当編集者だった筆者。夫の死後作品が出版され話題となった百合子の文才のルーツを探る旅。

    武田百合子、夫泰淳の死後、公表されることを前提とせず描き続けた日記が作品として世に出る。「富士日記」。作家である夫と一緒に暮らし晩年は口述筆記、それが百合子の作品の源泉であると言うのが通説。

    本書は関係者への取材と筆者の試作を通じ、百合子の生涯を辿っていく。夫と暮らした日々もあれば未亡人、結婚前神保町の喫茶ランボオで泰淳と出会った頃。同人誌に寄稿していた女学生の頃。

    特に同人誌に掲載された百合子の女学生時代の詩が絶品。天賦の文才があったようだ。夫泰淳の影響を受けて後に作家になったのだはなく、逆に夫泰淳に強く影響を与えてたのかもしれない。

    「富士日記」ほか武田百合子ファンにぜひオススメしたい一冊です。
    ちくま文庫版もあるようです。

  • 武田百合子さんは、Eテレの「グレーテルのかまど」で知り、すごく気になる人になりました。これは、ファンとして読みたかった本。
    富士日記の百合子さんしか知らなかったので、少女の頃、二人の恋愛など、辛いこともたくさんあったんだな、と思い、なぜか勇気づけられました。それから、夏に対する百合子さんの感覚が好きだなあと思った。

  • 表紙のブローチは百合子さん愛用のもの

    『富士日記』を読み終わって武田百合子さん 泰淳さん 花さんのことがもっと知りたくて読んでみました。
    が、・・・物足りないです。この著者の名前は有名なのにこの程度の文章なのかと正直がっかりしました。
    別の人が書いた「百合子さん」を読みたいです。同性の目から見た「百合子さん」がとくに知りたいです。「百合子さん」を写真に撮るように是非花さんにお母さんを文字として写してもらえたらと切に願います。

    本文より
    食生活のままならなかった戦後の中でも、百合子さんはとくに飢えていたようだ。
     ↑ 『富士日記』の中の泰淳さんの言葉からもそれが伺え、愉快になります。

  • ムック本「武田百合子」を持っていたので、内容はほぼかぶっていて目新しさは無いが、多くの人を魅了していた武田百合子さんの姿を偲ぶことができる。

  • 武田百合子ファンなら読んでみたい本。
    戦中、戦後の凄まじさ、その後の泰淳夫人としての穏やかな日々。軽やかなようでいて、懸命に生きてこられた百合子さん姿がかっこいい。

    ※文庫本の画像が入っていないので、こちらで登録し直した
    (2010年4月)

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著者プロフィール

1940年東京生まれ。慶応大学文学部卒。『時代屋の女房』で直木賞、『鎌倉のおばさん』で泉鏡花賞受賞。著書に『アブサン物語』『北の富士流』『アリと猪木のものがたり』『猪木流』『老人の極意』『老人流』等。

「2022年 『ゆれる階』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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