脳と魂

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480816412

作品紹介・あらすじ

ゆるやかに曖昧で、しかも精緻な自然をそのまま受け容れる仏教的な科学者。悟りを論じるのに脳科学を援用し、死後の世界を量子論から透徹する禅僧。ふたりの"ねじれ"が螺旋のようにからみ合い、みごとに共振する-。智慧と勇気のダブル・スパイラル。

感想・レビュー・書評

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  •  「すべては脳にある」「意識中心主義」「都会と自然」の養老孟司氏と僧侶であり作家の弦侑宗久氏の対談です。「脳と魂」、2005.1発行。私の脳構造の彼方の話でした。頭に残ったのは:日本人しかとれない姿勢が正座と蹲踞とか。そうなんですね。そう言えば、将棋はずっと正座で対局してますが(胡坐をかいても指す時は正座で)、囲碁はかなり前から椅子での対局を採用していた気がします。(違ってたらごめんなさい)国際棋戦があることも関係しているのかなと思いました。正座に戻せば国際棋戦に勝てるかも・・・w。

  • 「バカの壁」の養老孟司さんと小説家で僧侶の玄侑宗久さんの対談を書籍にしたもの。お二人とも見識が広く、深い、普段からこういうことを考えているのか、ご自身の中で知識がネットワーク化されていて、そこからそこに飛ぶ!?っていう感じでついていけない部分も結構ある。そこで二人で「そうそう」ってわかり合っているので、うむむ。読む側の力量かって言う話。あくまで対談の書籍化なんで、二人の問題ではないです。
    筋肉にも記憶がとかはなるほどって思った、そう言われてみればそうだなって、西洋かぶれな状態なんだろう自分も、悪くはないと思うが客観視できるとより良いと思う今日この頃

  • ゆるくフワッとしているが読物として面白い内容だった。

    自立とは何だ?という項目が面白かった。
    今は自分で稼げるようになったらつまり経済的にということを連想する。タイでは修行に行くことが自立、アフリカだとサイを一等倒す、マダガスカルなら牛を盗むなどと書かれてあった。

    今の日本なら、経営者になる、投資をする、とかが自立かなぁと思う。資本主義がどんどん進んでお金がお金を稼ぐようになれば、本書で語られている仏教修行のような身体的なことは確かに求められるような気がする。

  • 対談は読むのに時間がかかる。
    僧侶と学者の対談はわかりやすいが、難解。
    個人、個性、独創性について考えさせられた。
    日本人は仏教的考え方を普通に持っていて、欧米のキリスト教的な考え方とは異なる。それを戦後に欧米を、手本にしたので、教育や経営、政治が、しっくりいってない。

  • 敬愛する養老孟司と僧侶であり作家である元侑宗久との対談
    をまとめた本。いつもながら腑に落ちる言葉が多くて読んで
    いて楽しかった。今まで細かく切り刻んで部分だけを見て
    きた西洋科学とその上に成り立つ文明は、全体を見る目を
    持たなければならない。子供には「とにかく、黙ってやれ」
    と言って修行をさせた方がその子にとって自由である。人を
    殺してはいけないのは経済的に見ても明らか(何もない所
    から鉄砲の弾を作るのに比べ、一人の人間を作り出すのに
    一体どれだけの費用がかかるというのか)。などなど。
    いや、私も潔くありたいものですな。やせ我慢は決して悪い
    ことじゃない。

  • 『バカの壁』を読んでいた時期に新刊として購入した筈なのでおよそ10年前に購入ですね。

    養老さんと玄侑さんの雑談をひたすら楽しむための本です。もちろん、楽しむといっても対談本ですから、各人の知識的背景を知っておいて、それが対談によってぶつかり合ったり混じり合った時にどう化学反応が起きるかを眺めるのが普通の楽しみ方です。ただし、この本でそういう楽しみを求めると物足りなくなって終わりでしょう。様々な知識を駆使して話しているようで、「結局どうなのか」ということの明言はのらりくらりと躱されている感じがします。二人してお互いに公案を出し合っているような感じもします。
    内容的には、養老さんは他の本でも言っていることと同じことの繰りかえしが多く、それに対して玄侑さんが「仏教的ですねぇ」と読み替えていく感じ。記憶について量子まで行かないと分からないか分子でわかるかでぶつかってますが、基本穏やかに雑談交えて話が進んでいきます。 玄侑さんの方は「養老さんに魂のことについて何か言わしたい」という感じは伝わってきますが、それでも、両者とも「『分かった』なんて大嘘」というスタンスなので、テキストで読めばぼんやりしたまま魂の話も終わります。

    「あーなるほどね」
    「そうでしょう?」
    「わかるわかる」
    「ね」
    ↑こう文章で書いてあるとして、お互い何かを了解していることは分かるけれども、何がお互いに分かってるかは見えてこないでしょう。
    このような、対談の場にいた同士は了解し合っているのは伝わるけれど、その場に居なくて、かつテキストとしてしか対談に触れられない読者には、その分かり合ってるのが妙な感じがする上にやはり、よく分からない。そういうタイプの対談本は数多くあります。この本も例に漏れませんね。勿論、だからと言って直ちに悪書とは言えません。知的な対談とはいえ、人の会話をテキストに起こして収録するという性質上、100%そうならなくとも、どう頑張ったって少なくとも50%はそうなってしまう限界はあります。
    むしろ、会話の質、会話に込められたお互いの声の味を感じるといいますか、ほとんどトークショウ的に楽しむ方がこの対談は面白く読めるんじゃないでしょうかね。

  • 個人的に凄く興味をそそられるテーマ、それを語るにふさわしい二人の対談ということで、期待しながら読みました。
     ・魂とはなんなのか?
     ・脳の機能なのか?
     ・それとも別なものなのか?
    物質では説明できないそういったものを考えていくと仏教、禅の思想につながる。
    といった内容を期待していたのですが、残念ながら踏み込んだ議論はなく、もっと軽い雑談的な内容でした。

  • 二人とも感性が磨かれていて鋭い。

  • 思想本は対談でよむと分かりやすくなりますが、「自分の思想はつきつめるとお経になる」とのべる養老氏と芥川賞作家の僧侶の対談でわかりやすく面白い。

  • 解剖学者と禅僧の対話。仏教をキーワードにいろいろな話がでてきた。

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著者プロフィール

養老 孟司(ようろう・たけし):1937年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学名誉教授。医学博士(解剖学)。『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。『バカの壁』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。同書は450万部を超えるベストセラー。対談、共著、講演録を含め、著書は200冊近い。近著に『養老先生、病院へ行く』『養老先生、再び病院へ行く』(中川恵一共著、エクスナレッジ)『〈自分〉を知りたい君たちへ 読書の壁』(毎日新聞出版)、『ものがわかるということ』(祥伝社)など。

「2023年 『ヒトの幸福とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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