読書道楽 (単行本)

著者 :
  • 筑摩書房
3.64
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本棚登録 : 283
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480816863

作品紹介・あらすじ

「読む。生きるために、読む。」スタジオジブリのプロデューサーによる、半自伝的読書録。

感想・レビュー・書評

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  • 大好きなジブリのプロデューサー、鈴木敏夫さんの読書遍歴と聞いたら、読まずにはいられない!まずは8800冊という蔵書数に驚き、その知識量と交友関係の広さに驚き、巻末の書名一覧、映像作品一覧に驚いた。これだけの広く深い知識があるのは、鈴木さんご本人の経歴・実体験はもちろんだが、やはり読書量だと思う。その遍歴を辿ることができて、嬉しかったしわくわくした。自分もまだまだ本を読むぞ!という気持ちになった。

  • 時々出てくる、映画の原作と映画化作品にまつわる話が面白い。

  • スタジオジブリのプロデューサー鈴木敏夫さんが読んできた書籍を対話しながら語ったものを書籍化したものです。幼い頃に読んできた漫画を含めた書籍から、現在に至るまでの膨大な数の書籍の数々が紹介されています。
    本書を読んで、気になったものを読んでみたいという方にうれしい、索引もあります。私は、『宮本武蔵』(吉川英治)を読んでみたいと思います。また、『気候の語る日本の歴史』(山本武夫)にも興味を持ちましたが、Amazonでも購入することはできませんでした。似たような書籍があるので、そちらを立ち読みしてみて、気に入ったら購入しようと思います。
    若かりし頃から、読書を普通に行なっていたことがわかります。『鈴木敏夫とジブリ展』で配布されていたものが元になっているとのことです。

  • 一冊まるまるこれまでに鈴木敏夫さんが読んだ本について語り続ける内容。
    宮本武蔵の哲学を掛け合わせた人間がいるとしたら、それはたいそう危険な人物なのでは?という話や、村上春樹の『ドライブ・マイ・カー』にみる、ふいに思い出す記憶の話が特に印象的だった。

    また、あとがきで日本テレビの映画担当の方たちが、本心では宮﨑駿をテレビに出演させたいと考えている話があり、それを本人に持って行こうものなら、「けんもほろろ」に断られるに決まっている、ということで、鈴木さんに白羽の矢が立つ話を読んで、やっぱりそうなのなと腑に落ちる感じがして面白かった。

    あとBack to the Futureの話は自分の中に落とし込んでおきたい。

    ====
    ・日本のマンガ・アニメが欧米人に与えた影響がひとつあるとすれば、子どもたちの自己確立の問題でしょうね。アメリカにしろ、ヨーロッパにしろ、向こうの子どもたちは早くから自己確立を求められるじゃないですか。家庭でもそうだし、学校教育でも自分の考えを言葉にしたり、人の前で発表しなくちゃいけない。
     それって内気な子にとってはつらいですよね。そういうとき、「そんなことできなくても大丈夫だよ」と慰めてくれるもの。それが日本のマンガ・アニメだったんじゃないですかね。(p.41)

    ・とくに考え込んだのが、武蔵が言った3つの言葉ですよね。「信ずるは己のみ」「我ことにおいて後悔せず」「人間本来無一物」。この3つの哲学を兼ね備えた人間がいたら大変なことになる。中学2年のときからすでに怖いと思っていましたね。(p.67)
    (中略)その精神がどこへ引き継がれたか:『巨人の星』『あしたのジョー』(p.68)

    ・ぼくはあの作品(ドライブ・マイ・カー)は嫌いじゃなかった。忘れられない記憶というものがある、というやつでしょう。理屈でもなんでもない。忘れられないんだから。それをふいに思い出す。そういうのとは誰もがいろいろな形で経験しているわけで、それをテーマにずっと書き続けていくというのもいいんじゃないですかね。(p.247)

    ・あるとき本棚の整理をしていて、なんとなく紀貫之の『土佐日記』を読み始めちゃったことがあって、気がついたらすっかり読みふけっていて、慌てて閉じた覚えがある。「もったいない」と思って封印したんです。いま読むと仕事をする気がなくなる、人生が終わる。そんなふうに思ったんですね。(p.275)

    ・『歩きながら考える』の中に、堀田善衛「未来からの挨拶ーーBack to the Future」。
    「ところで、この一句につけられた訳註によると、古ギリシアでは、過去と現在が(われわれの)前方にあるもなであり、従って(われわれが)見ることの出来るものであり、(われわれが)見ることの出来ない未来は、(われわれの)背後にあるものである、と考えられていた、というのである。
    これをもう少し敷衍すれば、われわれはすべて背中から未来へ入って行く、ということになるであろう。すなわち、Back to the Futureである」

    読書とは、本という過去を読んで、現在の自分を見つめなおすことだと思う。そして本棚にはその人の過去がある。(p.292)

  • ジブリの鈴木さんの本、ジブリ作品について語るプロデューサー鈴木敏夫のインタビューや書籍は何冊も読んできたが、氏の学生時代からの読書遍歴、活字中毒ライフをここまで詳らかにしたものは初めて読んだ。圧倒的だった。

    「芸術は長く、人生は短い」と語り坂本龍一は世を去ったが、読まなければならぬ本は多く、人生は短い。

  • 鈴木敏夫の読書録。
    幅広く、膨大な読書量に驚かされた。
    そして、日本の歴史とも関わっていることを感じた。
    気になる本がいくつもあったので読んでみたい。

  • 鈴木敏夫の読書論。読みたい本があり、参考になった。

  • 生まれてから現在に至るまでの鈴木さんの読書遍歴から思考の流れまで見れる。勿論ジブリへの影響もわかる。では私の読書遍歴は?と読み比べたくなるし、出てきた本を全て読みたくなる。索引からページに戻ることも出来、まさに1冊の本棚。

  • 流石の読書量と記憶力。私も本が好きで、老後は日当たりのいい部屋で、日がな一日読書をするのが夢だ。たくさんの本と作家が登場する。興味惹かれたものも多く、ぜひ読んでみたいと思った。

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著者プロフィール

スタジオジブリ代表取締役プロデューサー。1948年、愛知県名古屋市生まれ。
徳間書店で「アニメージュ」の編集に携わるかたわら、1985年にスタジオジブリの設立に参加、1989年からスタジオジブリ専従。以後、ほぼすべての劇場作品をプロデュースする。宮﨑駿監督による最新作『君たちはどう生きるか』(23)が、米・ゴールデン・グローブ賞のアニメーション映画賞を受賞した。「仕事道楽 新版──スタジオジブリの現場」「歳月」(ともに岩波書店)、「スタジオジブリ物語」(集英社)など、著書多数。2021年、ウィンザー・マッケイ賞を受賞。

「2024年 『鈴木敏夫×押井守 対談集 されどわれらが日々』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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