怒られの作法 ――日本一トラブルに巻き込まれる編集者の人間関係術 (単行本)
- 筑摩書房 (2023年4月24日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480816894
作品紹介・あらすじ
クレーム、炎上、人付き合い…揉め事ぜんぶ平気になる。裏社会の最前線を渡り歩いてきた作家・編集者が明かす究極の「他人と向き合う技術」
クレーム、炎上、人付き合い…
揉め事ぜんぶ平気になる。
手掛けた書籍は累計2000万部以上!
裏社会の最前線を渡り歩いてきた作家・編集者が明かす
究極の「他人と向き合う技術」
大事なのは、相手との距離感を正確に測れるものさしを持つことです。そのためには相手をよく観察し、よく話を聞くことが必要です。
怒っている相手と戦いたくない、逃げたいという気持ちもわかりますが、相手の怒りに向き合うことは喧嘩をすることとはまるで違います。怖い、逃げたいと思うのは、相手の感情に目が向いているからです。対話の目的はそこにはありません。相手が怒っている原因を知り、その善後策を講ずることに意識を向けるべきです。
(「はじめに」より)
【目次】
第1章 「怒られ」とは何か
…「怒られ」とは怒りの外在化である
第2章 人はなぜ怒るのか
…怒りは「コミュニケーションの手段」でもある
第3章 人はなぜ怒られたくないのか
…3つのリスクを正しく評価する
第4章 どのように謝罪するべきか
…謝罪は勝ち負けではなく、相手との協同作業
第5章 炎上の傾向と対策
…炎上に加担している人間は全体の約1%
第6章 人間の複雑さを見つめる
…そもそも人は完全になどわかり合えない
カバー・本文イラスト:山本さほ(『岡崎に捧ぐ』『きょうも厄日です』ほか)
感想・レビュー・書評
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帯に書かれた「平気になる」までは簡単ではないと思うが、他者の怒りに対する心がまえについて、読みやすくかつ論理的に語られている。
本書の重要な主題は普遍的なもので、ベストセラー『嫌われる勇気』などとも相性が良さそう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
裏社会取材やキワドいテーマの本を手掛けることが多いため、「日本一トラブルに巻き込まれる編集者」(副題)である著者(彩図社書籍編集長/作家)が、自らの経験を踏まえて「怒られの作法」を語った本である。
裏社会本ではなく、一般人に他者の怒りへの対処法を説く「実用書」を意図しているようだ。
が、「実用性」には疑問符がつくなァ。
なにしろ、出てくる「怒られ」の事例が特殊すぎる。裏社会の人と接するときには役立っても、普通の生活には使いみちのない知恵や情報が多いのだ。
あと、怒りについて著者が「解説」している部分が多いのだが、それらの多くがあたりまえすぎてつまらない。
たとえば、《怒りには「感情」と「利害」の2軸がある》(小見出し)とか、《時に怒りは、「怯え」の裏返しでもあります》と言われても、そんなのあたりまえだろとしか思えない。
……と、ケチをつけてしまったが、参考になった部分もある。
たとえば、怒りの当事者と話し合うときは、「こいつは自分の話を聞く気があるな」と思わせることが大切だという話などだ。
あと、紹介されている著者の「怒られ」エピソードの多くは面白く、単純に読み物としては楽しめる。 -
謝罪のスタンス?だったかに、相手と対等である、と書かれていて、謝罪するときって無意識に自分を下に持って行っていたからなるほどと思った。
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登録番号:0142342、請求記号:361.45/Ku82
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単なるクレーム処理でなく、怒りの扱い方まで踏み込んでいるのが特徴的。
社会人生活が長くなると、物事を頭で受け止めるか、心で受け止めるか、を間違えないことが重要と感じることが増えたが、本書でその認識が深まった。 -
子供の頃親に怒られて育てられたせいか、誰かに怒られるということが非常に恐怖で、いかに怒られないようにすれば良いかばかり考えて人間関係を作ってきた。真に信じられる人は少なく、怒る人にはいいように使われるという損な生活をしていた。しかし、職場で何度も「怒られ」を経験していくうちに、コツみたいなものが得られ、怒られをコントロールできるようになった。ただ、怒られも繰り返されると辛いもので、久しぶりに最近耐えがたい件に出くわした。そんな時にこの本に出会い、改めて怒りについて考えるきっかけをもらえたのが何よりだった。
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適切に理解して適切に対処する。
謝り方も適切に、なぜ怒られているかわからないことには不用意に謝罪しない -
2023.05.05(金)晴