登頂 竹内洋岳

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480818355

感想・レビュー・書評

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  • 人柄がほんとよく表れている14座の実録書。

  • 日本人初の14座サミッタ―となった、竹内洋岳さんの13、14座目の登頂記録をまとめたものである。
    インタビューやブログからの文章が多いので、何となく読みやすい印象だが、主語、目的語がはっきりしない時は???となったことも…(´-`).。oO
    彼の登山に対する考え方や14座登頂達成までの思考の流れなど、詳しく書いてあるので、ブログで読み取れない部分を埋めることができると思います。

  • 竹内さんをテレビで見かけたことがあります。潜水夫(もっとスマートな呼び名があると思いますが)の方と対談されていました。
    そのときの竹内さんの出で立ちは、ストールを巻き、素足に白いローファーかなんかを履いておられまして、おおよそ私たちが持っている山やのイメージを完全に覆すものでした。
    そのときの内容はあまり印象に残っていませんでしたが、竹内洋岳という人は私の中に強くインプットされたのでした。
    本書はそんな彼が8000m峰14座完全登頂という偉業を成し遂げた記録です。といっても詳しい内容は最後にの2座に絞られていますが。
    しかし私はびっくりしました。8000m峰全座登頂がまだなされていなかったなんて。彼が日本人で初めてだったなんて。
    あれほどエベレスト、エベレストとどの登山家も競って向かっているこのご時世にねぇ、それほど大変なことだと言うことでしょう。
    しかし彼はなんかそんなにがつがつしたところがないし、がむしゃらという感じでもないのです。
    そう見せているだけかもしれませんが。
    軽量化をはかるため、自分の体重もぎりぎり、筋肉もいらない、という人です。見かけも本当にひょろひょろですもんね。よくあんなで8000mの山を歩けるな、という感じの体です。
    チョー・オユーの時は、パートナーをブログ上で募って、本当に連れて行ってしまいました。残念ながらアタック時には、同行できませんでしたが。
    たくさんの人にこの感動を味わって欲しいって。
    そして考え方が前向きというか、明るいです。
    下山のルートを見失ったと言って、何回も登り返したあげく、着の身着のままでビバークしてしまうんです。
    気象条件や気候を考慮してのことでしょうけど、ツエルトも被らず。昔だったら山で眠ったら死んでしまうとか言われていたのに・・・もうびっくりです。
    14座目の山はダウラギリ、成功したときにメディアから14座登頂おめでとう!と言われて、「私は14座と言う山に登ったのではなく、ダウラギリに登ったんだ」って、ダウラギリは中学から知っていた思い入れのある山なのだそうです。ちょっと偏屈?
    ともあれこれで終わりではなく、新たな挑戦はまだまだ続くらしいので、これからも目が離せません。

  • プロ登山家である竹内洋岳の標高8000m超14座日本人初制覇に至るまでのドキュメンタリーですが、元が本人のブログやインタビューに基づいているため、お堅い感じは全くなく、むしろ登山の楽しさを前面に押し出している。ところどころで垣間見える厳しい決断などは、「こういうところが『プロ』を名乗る所以なのだな」と感心させられる。人生の山を登る登山家にお勧めできる1冊だと思う。

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著者プロフィール

1947年秋田県角館町(現仙北市)生まれ。作家。東京理科大学理学部応用化学科卒業。アウトドア雑誌の編集に携わるかたわら執筆活動に入る。小説で芥川賞候補4回ノミネート。『木のいのち木のこころ』『失われた手仕事の思想』『手業に学べ』『大黒柱に刻まれた家族の百年』など、聞き書きによる著書を多く著す。2003年に絵本『なつのいけ』(絵・村上康成)で日本絵本賞大賞受賞。1950~60年頃の子どもたちの生活を描いた絵本『おじいちゃんの小さかったとき』(絵・松岡達英)がある。他に『正吉とやぎ』など。

「2022年 『少年時代 飛行機雲はるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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