- Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480863980
作品紹介・あらすじ
グローバル化とデジタル化の波に見舞われた世界のなかで、オリジナルな価値は記号と幻想に食いつくされ、リアリティは抹殺される。しかし、それですべてが終わりではない。「大消滅」の後、いったい何が起こるのか?われわれを待ち受ける、恐ろしくもグロテスクな、笑劇的未来とは?現代社会の実相を暴きだしてきた思想家ボードリヤールが、人間の行く末を予言する。最晩年に記した表題論考と「腹話術的な悪」「カーニバルとカニバル」を収録した、現代文明への遺言状ともいうべき遺稿集。
感想・レビュー・書評
-
読み解くのが難しい
カーニヴァルとカニバルはダーイシュが台頭したりトランプが当選したりする昨今にもタイムリーな内容で面白い詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ボードリャールはいつも謎めいているけれども、
もっとも率直に言おうとするが為の難解さであると思う。
要するに取り扱おうとしている対象が
あらかじめ両義的であるような場合はそうなる。
消滅こそが生き延びる唯一の方法であるような現実。
(この現実が生き延びるために、と言っている)
「なぜ、すべてがすでに消滅しなかったのか」という表題の問いは
おそらくは挑発でもある。単に本を手に取らせるため、というだけでなく
圧倒的に絶望的な状況を描写しながらも、
深い現実性のイメージの海に沈んだ現実の存在を
思い起こさせようとしているのではないか。
これはこの本の感想としては逆説的な解釈でもあると思うが、
そう考えないことには、
彼がこのように書物にする必然性を感じられないのでもある。
とはいえ、これもまた記号の集積であり、
それをよく承知しているからこそ溺れそうになりながらも
書き続け、読み続けたのではないか、僕たちは。 -
現代のグローバル化やバーチャル化によって現実というリアリティは消滅した。現代の思想家ボードリヤールが現代のバーチャル化を例に挙げて消滅したリアリティと消滅したそのあとについて見つめた一冊。
【図書館1階開架 361.1/BAU】 -
ゆっくり時間があるときにじっくり読むといい本です。
薄い本ですが、内容は暑いです。
いまの世界についてかたった本です。