- Amazon.co.jp ・本 (124ページ)
- / ISBN・EAN: 9784487806201
作品紹介・あらすじ
少年時代に、文字を読むことに苦労し、母親を除いてひとりの理解者もなく、学校の教師や同級生たちには疎外感をもち続けてきた著者。息子の診断を機に、58歳になって初めて自らもディスレクシアであることを知った衝撃と、それゆえに振り返る自分の心の軌跡、新たな視点を得て進む自己理解。
本書は、学習障害(LD)の中核であるディスレクシア(読み書き障害)の当事者の苦悩や不安と葛藤、生涯にわたる格闘と、その中で深めてきた思索を、ピュリツァー賞受賞の詩人の感性が語り尽くす自伝である。
ディスレクシアの当事者や家族、関係者の必読書として、また困難を乗り越える人の心の強さ、意志や決断の力、創造性や希望などに関心のある方にも一読をおすすめしたい。
感想・レビュー・書評
-
障害を持っている人の中に特異な才能に恵まれた人がたくさんいると
よく聞きます。この方の感性もその一つなのかもしれません。
障害を早い時期に発見されていたなら大きく人生は変わったのでしょうね。そしてそういう人は世界中にたくさんいると思います。
しなくて済んだかもしれない苦しみと孤独を随分たくさん味わったのだと思います。
そういう人を私も知っています。
訳文のせいなのか、それともこの方本来の文体がこうなのか、
ちょっと読みにくいのですが、それでもこの障害を知らない人、
あるいは障害というものを理解してもらえない人の苦しみを知る一つの
手がかりにはなるように思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
息子がディスレクシアであると診断され、それを気に自分もそうだったと知り、その自分を振り返ってみる、という話。しかしその自分は、ピュリツァー賞を受賞している詩人でもある。2001年宇宙の旅のHALを見て、自分の脳は信用出来ない、敵かもしれない、ということに気づいたときの話。ディスレクシアを語るということは、不安を語る、ということでもある。不安とどう付き合い、どう乗り越えていくか。不安への対処策から別の能力が高まったりもする。読むこと、書くことをあまり意識せずに行っている我が身は恵まれているのか、チャンスを失っているのか。