- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488012298
感想・レビュー・書評
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“求む奇談!”新聞の片隅に載った募集広告を目にして、「strawberry hill」を訪れた老若男女が披露する不思議な体験談―鏡の世界に住まう美しい姫君、パリの街角で出会った若き魔術師、邪眼の少年と猫とともに、夜の町を巡る冒険…謎と不思議に満ちた奇談に、蒐集家は無邪気に喜ぶが、傍で耳を傾ける美貌の助手が口を開くや、奇談は一転、種も仕掛けもある事件へと姿を変えてしまう。夜ごと“魔法のお店”で繰り広げられる、安楽椅子探偵奇談(「BOOK」データベースより)
自らの影におびえる男・・・自分の影に刺された男
姿見に映る女性に恋した男は・・・古道具屋の姫君
不世出のシャンソン歌手が若き日に出会った優しき芸人・・・不器用な魔術師
幼き少年探偵団は、本当に死体を見つけてしまい・・・水色の魔人
夢のような暮らしをふいにしてしまった女性の後悔・・・冬薔薇(ふゆそうび)の館
誰もいない公園で出会った猫のヨミと不思議な少年ナイコ・・・金眼銀眼邪眼
作家志望の男が出会った〈奇談〉・・・すべては奇談のために
の7編からなる短編集。
6話目までは、氷坂さんでなくともオチは読めます、すごくわかりやすいので。
ただ7話目へのつながりがすごい。
ネタばらしになってしまうので多くは語れないのですが、最後まで一気に読むことをお勧めします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
奇妙な話とおもわせつつ 実は人の思惑が作り出した話だった・・・という短編。まあ面白かったけど 2回目はないな
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タイトルに惹かれて。短編連作。
奇談蒐集家の元を訪れる語り手たち。持ち込まれた奇談を謎解きしてしまう助手。
奇談の内容はホラーテイストでかなり好きなんだけど、物語の進み方がワンパターンで飽き飽き。謎解きも若干強引に感じる部分があったり。最後はそうくるか!ってかんじ。 -
現実にはありえそうにない「奇談」を謎解きしてしまう連作ミステリ。どちらかといえばぞくりとさせられる物語が多くて、ミステリでありながらややホラーテイストでもあります。
お気に入りは「水色の魔人」。これはラスト「すべては奇談のために」までいたっても、真相の真偽があまり明確ではないと感じられました。なのでなお一層恐ろしく感じてしまいます。
「冬薔薇の館」も、綺麗だけれど恐ろしい話。一番幻想的かな。 -
実は単独作品を読むのが今作が
初めてとなる太田忠司。
何から読めばいいか分からなかったので、
クライムクラブなら...と思い手に取りました。
ミステリーゾーンよろしく不思議な話しを集める謎の男。
そこに寄せられる奇談は確かに不思議な話しの数々。
うーん...上手い!!
その上、その場に同席する更に謎の人物による、謎解き。
奇談を普通の話しに変えたり、より恐ろしい
現実を突き付けたり...と見事な安楽探偵っぷりです。
ただし全てが状況証拠のみなので、本当の真実は...
やはり謎...という回収も最終話できっちりしています。
安心して読めましたー。
長編も読みたいなー。どの作品から手を着けたらいいのかしら? -
連作短編。奇談を求める「奇談蒐集家」のもとを訪れる、不思議な体験をした人々。けれどそれは助手(?)によって明かされて奇談ではないことが分かる。そして最後に語られる本当の奇談。
いろいろなことが謎のまま終わってしまって若干消化不良だが、そこそこ面白かった。
2009/11/1 -
奇談蒐集家 太田忠司著
自分の影に刺された男
古道具屋の姫君
不器用な魔術師
水色の魔人
冬薔薇の館
金眼銀眼邪眼
すべては奇談のために
以上7篇の短篇からなる奇談集
7篇とも設定は同じでして
恵美酒という奇談蒐集家のもとに自分が体験した奇談を話しに来る というスタイル。
恵美酒が満足する奇談を話した者には多額の報酬が約束されている・・がなかなか恵美酒を満足させられない。というか満足させられないのは恵美酒の助手の氷坂。
自分が体験した不思議で恐ろしい事をなんなく氷坂が解決してしまう、これがしゃらくさくもあり、快感でもある。
最後の「すべては奇談のために」
コレを読んだ感想
お見事!!
後味スッキリ
全ての奇談が面白く、恵美酒と氷坂の設定も面白い。
イン・ザ・プール と構成が似ている
あれは医師のもとに訪れる患者のストーリーですが
ま、ま。
読んで損はしないとお約束いたします
ぜひ手にとってみてくださいませ -
奇談蒐集家・恵美酒一(えびす・はじめ)の元に、自身が体験した奇談を持ち寄る人々。それらが本物の奇談であれば恵美酒は高額の報酬を出すと言うが、助手の手によって話のタネが解明されてゆき、奇談は「事件」へと姿を変える。
ラストはまさかの展開。黒いなぁ(笑)。 -
「求む、奇談」の新聞広告につられてやってきた人々が出会うのは、執事のようなバーテンと、レトロな書斎でシガリロをくゆらす奇談蒐集家と名乗る貫禄ある男と、彼に付き従う男女判別つけがたい美形の若者。
求めるのは真実の奇談。しかし本当の奇談とはなかなか出会えぬもので……
こちらも連作短編。しかし途中何編かはあんまり気分がよろしくない。
『笑うせえるすまん』とかちょっと思い出しました。
ちょっとブラックな感じです。
ブックデザイン / 緒方 修一
カバーイラスト・デザイン / 松岡 潤・本山 木犀
初出 / 『ミステリーズ!』vol.12、14、16、18、20、22、書き下ろし1本 -
奇談なんて、そうそうあるわけじゃない。
奇談専門の蒐集家とそこを訪れる客の話。ラストがちょっと予想外。