- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488012595
感想・レビュー・書評
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読み返しまくりのもう何年かけて何十回目か。
タイトルは 六の宮の姫君 でありながら、誌幅は菊池にかなり取られている。この単純な様子に見えてひどく複雑な作家像、人間像にえらく泣かされた。芥川の描写もお見事で、「傲慢で昂然としていることと、細心で傷つきやすいことは、決して矛盾しませんからね」(本文150pより抜粋)という一行、やられました。
そしてまた、206pから208pのこのふたりの、このふたりだからこその、このキャッチボール、に震えがきました。
見えていなかったものを見せてくれた、この本はやはり本格ミステリです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これをミステリーとして書き上げたのか…すごいな。
文学論として書いても良かったはずなのだけど、敢えてミステリーとして、物語として、登場人物に発見させ、語らせる。
著者はそこに何を込めたのだろう。
そう考えるのが、つまりこの物語で主人公がやっていることなんだろう。 -
なんか、古き良き時代…と思う。
芥川好きだけどこんな風に読まないから
考える人はすごいね〜
キャラは好きになれず。 -
やぁ、とてもつらかった。
秋の花よりつらかった。
わたしの勉強不足のせいですね。 -
これは難解!
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2000年2月読了。
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最終学年を迎えた「私」は卒論のテーマ「芥川龍之介」を掘り下げていく一方、田崎信全集の編集作業に追われる出版社で初めてのアルバイトを経験する。その縁あって、図らずも文壇の長老から芥川の謎めいた言葉を聞くことに。「あれは玉突きだね。……いや、というよりはキャッチボールだ」――王朝物の短編「六の宮の姫君」に寄せられた言辞を巡って、「私」の探偵が始まった……。
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国文学科が卒論をどう書くか、についての話。ではなく。いや、その話かな?でも、そういう視点で読むと、また違った感じでおもしろいです。とりあえず、国文学を志す高校生と大学生は読んでみよう。
ただし、どうしても主人公が好きになれない。男性から見ると、こういう女の子がいてほしいのかなあ。 -
イメージ参照(http://kentuku902.seesaa.net/article/387155444.html)
吉川英治文学新人賞候補(1993/14回)