- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488016692
作品紹介・あらすじ
心臓移植を受けている学者は、手術中にどんな夢を見たのか。ダイアナ妃に憧れた少女が語るプリンセスの一生とは。聖戦に参加することになったイスラム教徒の青年たちは、観光地で何を思うのか。芸術家の老女が、家のあちこちにいる幽霊たちへ向ける想いとは。――すべての結末に描かれる鮮烈な「絵」が、わたしたちの心を奪っていく。ブッカー賞候補作家が放つ、驚きと寂しさ、愛おしさに満ちた12編。カナダ総督文学賞最終候補作。
感想・レビュー・書評
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芸術家の老女は、懐かしい家で家族の幽霊を見る―。結末の鮮烈なイメージが胸を打つ表題作を初め、ブッカー賞候補作家が贈る切なく愛おしい短編集。カナダ総督文学賞最終候補作。(e-honより)
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それぞれの登場人物たちの日常生活のエピソード。いとおしさを感じる短編集。
難解ではないのだが、雰囲気に入っていって内容を味わうことがやりにくさを感じた。 -
かわいていてさみしい、雰囲気のある作品たちだと思います。
が、その本筋に入り込むのが大変。
カナダだかイギリスだかの文化の予備知識がないと、たくさんのカタカナ言葉に邪魔をされる。細部を気にせず、ばくっと意味意味をすくって読める人にはいいかもしれない。 -
すごい熱量があるわけじゃない。
淡々として、なんだか寂しい。
そりゃそうだ。だってみんな幽霊になっちゃったんだもん。
死はありふれたものみたいにあちこちあって、
すべての死を嘆き悲しむことなんてできないけど、
茫漠とした寂しさをすくいとることはできる。 -
★3.0
全12編が収録された短編集。ダイアナ妃にチェーホフ、トニー・ブレア等、著名人を取り上げている作品が多め。が、彼らを特別視することはなく、市井の人々の目線で綴られる。私的には、愛と記憶は部分ではなく全身に存在すると悟る「デニス・ノーブルの心臓」、同じ電車に乗り合わせた人々をオムニバス的に綴った「大切なものがある」が印象的。また、全体的に小難しくて理解できない部分も多かったものの、面白いくらいに情景だけはイメージできた。特に、表題作のアンジェリカと亡き人たちの暮らしに、ほっこりと優しい気持ちになる。 -
実在の人物や出来事を織り交ぜて語られる繊細でほのかに怖い物語。
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わからなかった
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アリソン・マクラウドの短編集。
創元の『海外文学セレクション』は、基本的にジャンル小説以外のものを刊行しているレーベルだが、不思議と、創元っぽいカラーを纏っている。本書もそういう『創元っぽさ』がある短編集だった。