フライ・バイ・ワイヤ

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 276
感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027100

作品紹介・あらすじ

僕、宮野隆也が通うさいたま工科大学附属高校の選抜クラスに、転入生としてやってきたのは二足歩行のロボットだった。これは病気のため学校に来られない一ノ瀬梨香という少女を、遠隔操作で動くロボットを通じて登校させる実験だという。僕たちは戸惑いつつも"彼女"の存在を受け入れ、実験は順調なすべりだしを見せたが、小さな疑念がクラスに不協和音をもたらし、悲劇は起こった。近未来を舞台にした、学園ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 近未来学園ミステリ。ロボットの転校生というアイディアは面白いです。殺人事件が起こってしまうのですが、納得できる動機がないままにお話が進み、終わってしまいます。消化不良感が残りました。

  • 久しぶりの石持浅海作品。
    主人公 宮野隆也が通うさいたま工科大学附属高校選抜クラスにロボット「IMMID-28」が転校生としてやってきた。そのロボットは病気のため学校に来ることが出来ない一ノ瀬梨香が遠隔操作して操作している。病気のために学校に来られない生徒をロボットを通じて登校させる、という実験である。一ノ瀬梨香が操作するIMMID-28は選抜クラスに溶け込んできていると、学級委員を務める宮野隆也は考えていたが、一ノ瀬梨香が定期テストで驚異的な高得点を取ったことから、少しずつ違和感が感じられるようになり、ある日、殺人事件が起きる…

    石持作品は動機の部分で現実離れしている小説がいくつかあるが、この作品もそんな感じ。そんなことで人を殺す?と思うけれど、まあ、突拍子もないことを考える人は現実に存在するから、現実離れしている、と考えてしまうのは私の浅薄な考えかもしれない。
    殺人の動機自体は納得はいかないけれど、石持作品の人物描写は好きだ。主人公の宮野と幼なじみのヨハン・スベンソンとの関係も好ましい。宮野君がまっすぐで公正であろうという気持ちが出ているのが本当に良い。多分、このような飄々とした男子高校生、なかなかいないだろうけれど。
    終章の数年後と思われる描写もよい。終わり方が綺麗だ。

    キャラクターが魅力的だっただけに、もっと重厚な物語展開でもよかったのに、と思った。

  • 近未来の工学系高校。遠隔操作のロボットを通して、転校生として入ってきた女の子。彼女の回りで事件が起こる。

    そんな理由で殺すの?と思うけれど、そこは石持作品なので仕方ないか。
    真相解明の場面もなんとなく淡々としていて、犯人を追いつめる感じはあまりしない。
    それも含め、なんとなく全体的に起伏が少ないような印象がするのは、なんでだろう。ロボット転校生という非日常や、事件まで起こるのに。
    そんな感じで、個人的には少し読みごたえが足りないように思えた。

    希望の感じられるエンディングはよかった。

  • 遠隔操作で動くロボット、という設定が光る学園ミステリ。ディスカッションを重ねて真相に迫っていくスタイルは動きは無いものの非常にロジカルで面白い。やや感情的な部分が足を引っ張るが、高校生という心情を含めれば納得はする。情感が説明的で青春要素がやや薄く、SFも設定の域は出ていないが、コンパクトに纏められた良作。少し動機の面が物足りなかったが、探偵役をボカしつつ、論理的に解決を導き出したのは良かった。ラストの読後感もいい。

  • フーダニットで、考えながら読んでいたが、犯人の動機に全く共感できない。ちょっと無茶な展開。特に2人目は、アリバイなんかから、警察が捕まえるでしょう!

  • 身代わりロボの正体については、「身代わり」だけに、正体の候補が限定的になるので気にならなかった。正体も予想の範囲内だったし。
    ミスリードして逸らして欲しかった。

    現実に起きている殺人事件の動機に比べれば、動機としてマシだと思える。

    ラストのヒロインの行動は予想できなかったが、なるほどそれもアリかと。

  • なんと言っても「リアルチョロQ」が…どうやって動かすんだ?やっぱり一度後ろに引っ張ってからスタート?

  • 07/15/2016 読了。

    図書館から。

    文庫版の表紙の意味が分かった。

  • No.864
    ロボットをリモートコントロールして学校生活を送るのは面白い。
    殺人事件が起こる動機が理解できなかった。

  • 動機が弱い。

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著者プロフィール

1966年、愛媛県生まれ。九州大学理学部卒。2002年『アイルランドの薔薇』で長編デビュー。03年『月の扉』が話題となり、〝碓氷優佳シリーズ〟第1弾となった05年『扉は閉ざされたまま』(祥伝社文庫)が 「このミステリーがすごい!」第2位。同シリーズの最新作に『君が護りたい人は』(祥伝社刊ノン・ノベル)。本作は『Rのつく月には気をつけよう』(祥伝社文庫)の続編。

「2022年 『Rのつく月には気をつけよう 賢者のグラス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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