- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488027155
感想・レビュー・書評
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世界は幾重もの魔法でできている
彼らは闇とともに呼吸し、たまにびっくりするくらい純粋なのだ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
短編集なのか、残念・・・と思いつつ読み始めたら、やはり夢中に。
そして、東京創元社の装丁が好き。 -
乾石智子の〈オーリエラント〉シリーズ初の短編集! 今まであまり焦点が当たらなかった民族的なことが強く表に出た作品たち。様々な魔法が出てきてバラエティー豊か、ストーリーも色々で飽きさせない。魔法が禁止された世の「闇を抱く」が良かった。
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著者初の短編集。「紐結びの魔道師」「闇を抱く」「黒蓮花」「魔道写本師」所収。
おいしいものを食べるようにじっくりと味わいました。
わたしは、横暴な男たちの振る舞いに対する、女たちのひそかな結束が見事で、読んですっとする「闇を抱く」が好き。
でもどの話も、独特の味わいがある。
いろんな魔術がこの短編集にも出てきます。「紐結び」なんて、なんだかちょっとやってみたくなるような(笑)
短編ならではの書き方かもしれないなぁと思ったのが「黒蓮花」 誰かに問いかけられて答える・・・という一問一答の方式を、自分自身に問いかけ心の中で答えるという方式で、「他人」の存在を大幅にカットして、主人公の孤独と孤立を浮き彫りにして見せた。
また最後のあたりの主人公の「語り」は、音楽にのせて聞いてみたいような。重厚に真っ黒に歌い上げ、最後に一筋の光を射してみせる。
「魔道写本師」は、「夜の写本師」で出てくる登場人物が主役。ちょうど「夜の~」を読み返していたので、おおっ。と嬉しい。 -
短編集。なので軽め。シリーズを読んでいる人には聞いた名前があちこちに出てきて、ちょっと嬉しくなる。
闇を抱いて生きる覚悟を感じさせつつも、いたずら心あり、お茶目さあり、小気味よさもあり、で、深刻にならずに読める。 -
読み終わって、やはり長編が読みたい、と思った。
短編各話で読めるし、シリーズと時間を共有しているので、関連を想像する楽しみはあるが、長編と比べれば尺が短い分、やはり振れ幅が小さい。
巻末の年表で少し時間の整理。