ドミノ倒し

著者 :
  • 東京創元社
2.55
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本棚登録 : 661
感想 : 127
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027186

作品紹介・あらすじ

「元彼の殺人容疑を晴らして欲しい」探偵・十村の元に舞いこんだ美女からの依頼。しかし事件に触れると別の事件に行き当たり、さらなる別の事件を呼び起こす……。

感想・レビュー・書評

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  • 亡くなった彼女の故郷で名ばかり探偵業を営んでいた十村の元に、ある日彼女の妹から元彼に掛けられた殺人事件の容疑を晴らして欲しいという探偵らしい依頼が入る。赴任している幼なじみの警察署長が他の事件との関連を見つけ出したりとかで芋蔓式に違う事件の調査もする羽目になっていく。この調査過程がもう本当にぐだぐだでハードボイルドを決める十村の間抜け加減に苦笑。いやもう穴見えてるって!と何度肩を叩きたくなったか。そのノリでコメディタッチで流れていくと思っていたら終盤え、そんな展開?え、そこで終わり?で放り出されて呆然。えー、の一言だ。

  • 最後どんでん返しの結末で面白かった!
    今まで読んできた小説で一番最後がびっくりした!
    読み終わった後はぁってなった!

  • この面白さはなんだろう。
    軽妙洒脱さとユーモアに溢れた語り口。
    ユーモアミステリーともいうべき世界だ。
    それに加え、「ドミノ倒し」の名の通り、展開の速さと続々と現れる登場人物の奇妙奇天烈さ。
    最後に明かされるあっと驚くような事件の真実など、実に愉快だ。

    私立探偵である主人公と幼馴染の警察署長の掛け合いも楽しい。
    ここにはリアリティ感など無理に要求することもない。
    物語の展開に多少無理矢理感があるにしても、この作品の舞台が月影市という閉ざされた街だからそれが許される。

    遥か昔、四十年前に小峰元の処女作(江戸川乱歩賞受賞作)「アルキメデスは手を汚さない」を読んだ時を思い出した。

    ラストで主人公がどうなるのかを敢えて明かさないのも、特に違和感はない。
    何故にこの作品の評価がこれほど低いのか、私には理解できない。
    この作品はこういったカテゴリーの小説として評価されるべきものだと思う。

    最近、こういったユーモア小説っぽいものに出会うことが少ない。
    数十年前なら、北杜夫とか小林信彦とか、まさに腹を抱えて笑えるような楽しい作品がたくさんあったのに。
    そういう意味でも、この作品と作者は、私にとって久々のヒットである。

  • ライトでユーモラスな語り口の、ハードボイルドっぽい(笑)ミステリ。一つの事件からドミノ倒しのように派生していく事態と、有能なのかへぼなのか分からない探偵のキャラクター、そして舞台となった月影市のゆるーい土地柄が読みどころ。
    ……なのに。なんですかこの邪悪な真相は! 軽いゆるい雰囲気に流されて読んでいただけに、これは衝撃。笑えるような笑えないような……とても独特な読み心地の一作でした。

  • 駄作。貫井氏が「駄作作ってみた」的に狙った駄作なのかな?と思うほど面白いくらいに駄作。
    表紙も駄作感満載で良い。(文庫のは違うみたいですね)
    貫井氏は様々なテイストやジャンルのミステリに挑戦している作家という印象なので、こういうのも作ってみたのかな。という感じで受け入れられるが、これが初読みだったら、もう貫井さんの作品は読まなかったかも(笑)
    評価が1なのは、内容が面白くなかったからではなく、女性に対する描写で不快なものが多かったから。
    作品を楽しみにしている読者としては、この辺はあらためていただけると嬉しい。

  • 何やら賑やかそうな表紙に惹かれて手にしました。貫井さんらしくないコミカルな語り口調で、楽しみながら読みましたが…。どんどんページが残り少なくなり、月影市で起きた連続殺人事件の犯人は?最後、あれでいいんでしょうか!?何だか腑に落ちない終わり方でした。

  • これは…続きがあるのだろうか?
    とにかくそれが気になって気になって、少し調べてみたけれどそんなような内容の情報は見つからなかった。
    とするとこれで終わり…?
    え~~~…なんと…

    元恋人の妹に殺人事件の容疑者になっている元彼の無実を証明してくれと依頼されるところから始まる。
    その殺人事件の捜査から、どんどん他の未解決事件につながっていって、収拾がつかなくなってくる。
    最後にはドミノが倒れきって、きれいな絵が見えてくるはず。
    そう信じていたのに…

    記憶に残っている1番面白かったところは地声の大きい情報提供者と主人公の探偵が会話をするシーン。
    とぼけた感じが良かったなぁ。

  • 途中まで面白かったのに…(´ー`)貫井さんたまにこうゆーのあるよね。

  • 軽快に軽快に読み進めて、楽しい~と思っていたら、
    見事にやられた~。
    まさか、まさかの展開に唖然。

  • 事件の真相に近づいているんだかいないんだか、鋭いんだか鈍いんだか、カッコ良いんだかカッコ悪いんだか…ホント、こんな探偵見たことないってば!まさに、ニュータイプハードボイルド小説誕生!!暑苦しくない探偵ものをお探しの方、ゼヒに!

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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