わたしの忘れ物

著者 :
  • 東京創元社
3.21
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本棚登録 : 274
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027803

作品紹介・あらすじ

H大学生部のユウキさんに無理矢理にすすめられた、商業施設の忘れ物センターでのアルバイト。引っ込み思案で目立たない私にこの仕事を紹介したのはなぜだろう? 「他人には他愛のないモノでも、持ち主には大切な思いがある」短期間のアルバイトの中で、少しずつ理解を深めていく中辻恵麻。『メグル』『ミツハの一族』と連なる、心優しい連作集。

感想・レビュー・書評

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  • 20230820

  •  『メグル』の続編で、ある大学の奨学係のユウキさんから半ば強引にアルバイトを紹介された、中辻恵麻ちゃんが主人公…アルバイトの内容は、大型複合商業施設の忘れ物センターの仕事をすることだった…。引っ込み思案で存在感がないと自負する恵麻ちゃんに、なぜユウキさんはこの仕事を斡旋したのか…。一見ガラクタのようにしか感じられないものでもかけがえのない大切なものもある…落とし主やセンターの職員との関わりの中で、大事なことに自ら気づく6編の連作短編集。

     「メグル」とは違って、主人公は恵麻ちゃんで固定しているためか、ちょっと中盤がだるだるになってしまったかな…。でも、「妻の忘れ物」「兄の忘れ物」「家族の忘れ物」「友の忘れ物」「彼女の忘れ物」「私の忘れ物」の6編すべてに、大事なものに対しての落とし主の感情が読みとれてそれはよかったです。友達っていいなって思ったのは「彼女の忘れ物」…あと、まさか…そんな!!と驚いたのは「私の落とし物」で、この章は「メグル」を彷彿させるストーリーでした。親友の美影、そしてユウキさんとセンターの職員さん、みんな恵麻ちゃんを大事に思っていたんだなぁ~って、あり得ないストーリーと思いながらも、ジーンときました!この最終章があったから、☆4つです。

    • かなさん
      ヒボさん、
      ある意味、癒し系キャラなのかなぁ~
      伊良部先生(;´▽`A``

      いいなぁ~独特なキャラ、いいですねぇ~♪
      いつか、読...
      ヒボさん、
      ある意味、癒し系キャラなのかなぁ~
      伊良部先生(;´▽`A``

      いいなぁ~独特なキャラ、いいですねぇ~♪
      いつか、読んでみますっ(''◇'')ゞ
      2023/07/09
    • ヒボさん
      無理せずに(^-^)/
      無理せずに(^-^)/
      2023/07/09
    • かなさん
      ヒボさん、ありがとうございま~す♪

      もう、日付が変わっちゃう(^-^;
      また1週間始まっちゃうけど
      暑さに負けず、読書もしたいです...
      ヒボさん、ありがとうございま~す♪

      もう、日付が変わっちゃう(^-^;
      また1週間始まっちゃうけど
      暑さに負けず、読書もしたいですね!

      おやすみなさい(つ∀-)オヤスミー
      2023/07/09
  • メグルに続く、悠木さん紹介のアルバイトシリーズ。
    今回は学生である中辻恵麻が、大型複合商業施設の忘れ物センターでのアルバイトを通して、忘れ物の品々とその持ち主との出会い、心を動かしていくストーリー。
    それぞれの章ごとに、忘れ物に対する持ち主の想いが籠っており、切なくも温かな気持ちになるが、それだけでは本作は終わらない…。
    最終章ではそうだったのか…!という伏線回収が待っている。

  • 「妻の忘れ物」「兄の忘れ物」「家族の忘れ物」
    「友の忘れ物」「彼女の忘れ物」「私の忘れ物」「エピローグ」
    6話収録の連作短編集

    主人公はH大学3年生の中辻恵麻。
    影が薄く地味で目立たない人物です。
    そんな彼女が大型複合商業施設の忘れ物センターでアルバイトをすることになり…。
    主人公の成長物語だろうと想像しながら読み進めると、途中いくつかの引っ掛かりを覚えてしまいます。

    乾 ルカさん初読みだったので、その結末には驚かされました。

    6つの忘れ物のエピソードを通して恵麻の過ごした49日間を想い、切なく温かい気持ちになれた作品。

  • 最終章が予想外すぎて理解が追いつかなかった。

  • H大学生部のユウキさんに無理矢理にすすめられた、商業施設の忘れ物センターでのアルバイト。
    引っ込み思案で目立たない私にこの仕事を紹介したのはなぜだろう?
    「他人には他愛のないモノでも、持ち主には大切な思いがある」短期間のアルバイトの中で、少しずつ理解を深めていく中辻恵麻。
    (アマゾンより引用)

    この主人公の性格に共感できない。

  •  『メグル』の続編。不思議な能力を持つH大学奨学係職員の悠木さんによる学生救済譚。

          * * * * *

     今回救済されるのは全編通して中辻恵麻という女子学生。斡旋されたアルバイトは複合商業施設の忘れ物センターの事務。
     センターを訪れる5人の客の忘れ物に対応するうち、大切なことを思い出していく恵麻の姿が描かれます。

     最終章に至るまでの5章とも概ね地味で淡々とした展開なので見逃してしまいがちですが、すべて恵麻の心から欠け落ちたピースを補う出来事になっています。そして最終章で心の空白をすべて埋め終えた恵麻が、自身を受け容れるというストーリー。

     少し間怠っこい感じもするけれど、うまい構成だと思いました。何よりこちらの推測の1歩だけ先を行くミステリー調が心地いい。

     ただ、最終章までで退屈さに耐えきれず放り出す読者がいるのではと心配してしまいます。乾さんの味と言えばそこまでですが、いい作品なので惜しく思われて仕方ありませんでした。

  • 2021.12.26 読了


    忘れ物センター、2人の同僚、
    期間限定のアルバイト、
    忘れられたモノたちと
    忘れた人たち。

    中辻恵麻は 大学生。
    学生課から 無理やり押し付けられた
    期間限定のアルバイトをしているうちに
    取るに足らないモノでも その人によって
    価値が変わることを知る。

    自分はどお?
    最近会ってない両親や親友のこと。

    最後にどんでん返しもあります!
    面白かった!


  • 最後の章でとても驚いた。泣いた。
    「ミツハの一族」と「メグル」も読んでみたい。

  • 2021.5.17-409

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著者プロフィール

乾ルカ
一九七〇年北海道生まれ。二〇〇六年、「夏光」でオール讀物新人賞を受賞。一〇年『あの日にかえりたい』で直木賞候補、『メグル』で大藪春彦賞候補。映像化された『てふてふ荘へようこそ』ほか、『向かい風で飛べ!』『龍神の子どもたち』など著書多数。8作家による競作プロジェクト「螺旋」では昭和前期を担当し『コイコワレ』を執筆。近著の青春群像劇『おまえなんかに会いたくない』『水底のスピカ』が話題となる。

「2022年 『コイコワレ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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