金環日蝕

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488028787

感想・レビュー・書評

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  • 近所のよく会うおばあさんが、目の前でひったくりにあった。女子大生の春風は、その犯人を現場に居合わせた高校2年生の練と共に追いかけるが、取り逃してしまう。
    大学2年の春風は、高校2年生の練と、犯人探しを始める事になる。

  • ブクログの評価がよかったのと、こちらの著者さんのパラスターを以前に読んで面白かったので図書館で借りてみました。人気なのか予約してから手元に来るまでかなりかかりました。

    他の方も書かれてますがタイトルと話の内容が結び付かなくて??でしたが、さすがの安定感で面白かったです。内容は特殊詐欺など犯罪を扱っているので単純な面白さではないですが。。

    続編を見てみたい気もするけど、きっとこの先の登場人物の将来は各人の読者の心の中で想像するのがいいような気がします。

    先日本屋に行ったらこの本が児童書の棚に並んでて課題図書?推薦図書?になってて小中学生にはまだ難しいようなきましたけど今時の子達ならこういのも読んでしまうものなのかとビックリしたり

  • 大学生の春風(はるか)と、高校生の錬。
    ふたりは高齢女性がひったくり被害にあう現場に遭遇し、知り合い、犯人探しをする。
    それが、大規模な詐欺事件に繋がっていくとは。

    春風の子ども時代の誘拐犯人。
    錬の父親である加賀谷潤。
    この2人に関する謎はのこったままなので、続編があるんだろうか?

    この本は結構長い話で、わたしは読みながら、何度も同じ話をされている気すらしてしまった。
    おそらく、春風という真面目で正義感のつよいキャラクターが話す内容が、同じような正論だったからだろうか…。
    錬の正体がわかったあたりがハッとして、おもしろさのピークで、その後は特に長く感じしてしまったな。

    苦学生な女の子が詐欺に巻き込まれていくところは、読んでいてすごくもどかしくて、あ~なんとか手を差し伸べられないか!どうすれば良いんだ?と考えたりした。真に迫っていて読みごたえがあった。

    殺人事件がおきない、詐欺をテーマにしたミステリー小説はめずらしい。
    金環日食というタイトルも、本文中にはっきりと言及がないあたり、謎を呼ぶ感じがして気になるタイトルだ(続編を見越して「日食月食」シリーズにしたいのかな?なんてことも考えたりした)。
    わたしは、このタイトルから、太陽が月によって覆われ、その後また月の影から太陽が現れる。しかし一度月に覆われた世界は、覆われる前の世界とは変わってしまっているような(現実にはそんなことはないが)、一度暗くなった世界がまた明るくなるけど、完全に元通りではないということ、犯罪被害者や加害者家族、犯罪にかかわってしまった登場人物達を通じて表現したかったのかな?なんてことを考えた。

    登場人物が背の高い美人女子大生(春風)と、メガネをかけたイケメン男子高生(錬)とあって、「これは実写化しやすそうな設定だ」と思ったけど、実際には映像化がむずかしそうな内容だったなぁ。

  • とてもまとまっている。どこで繋がるのだろうと思っていたら、想定外の方向から繋がっていく。出てくる登場人物、春風さんも錬くんも理緒ちゃんもカッコいい。詐欺が話の大本だから、カッコいいは間違った表現なのだが、皆若いのに守りたい者を守ろうと頑張っている。どうしてこの題なんだろう。この表紙なんだろう。世間からはみだしている人々を書いているから?それぞれの重たい過去に負けないよう戦っている姿勢もカッコいい。

  • ううううぅん……題名と表紙からは全く想像もつかない物語だった。人の奥底にある暗くて重くてどうしようもないところを容赦なく抉ってくるなぁと思うところがある。かと思えば強すぎる家族愛も描かれてみたり。それでいいのか?とか思ったり、しんどかったけど読了後感はなんとなく爽やか。彼らのこれからが少しでも幸せであればと願ってしまう。

  • なんか、凄いの読んじゃいました…って、読み友さんのおススメではあったんだけど、想像の上の上を行かれた感じ。

    さっそく未読の読み友さんに紹介しておきましたけどw

  • 面白かった。少し前に似た設定の作品を読んだので、続けて読まない方がよかったかなと思ったけど、面白くてあっという間に読めた。

    私が読んでて気になってしょうがなかったのが、謎の人物"カガヤ"。ずーっと何者か分からなくて、途中で分かったと思ったら、最後でそれが違ってるわで終始"カガヤ"に振り回された感じがする。正体が分かった時、はぁ〜、違うの???となり騙された。今までバラバラだった事が最後で繋がって全て分かった時の爽快感。素晴らしい。始まりから気の抜けない物語。

    考えさせられたのが、学生の貧困、ヤングケアラー、ブラック企業の問題。その箇所を読んでてズンと重くのしかかってきた。助けてくれる人がいれば良かったのに…。行政なんとかしてよ、と読んでて強く思った。

    スーパー高校生"北原錬くん"が"カガヤ"と同じ側に行きませんように。

  • 出てくる人みんな重要人物。なかなか進まなかったけど途中から面白かった。最初題名にしては軽い話だなあと思ったけどそんな事なかったね。

  • 前情報をあまり入れずに読む。
    学生さんたちが主役らしく、思ったよりライトな文章。こりゃハマらないかなぁと思いつつ、やっぱり軽めでハマらないんだけれども。

    途中でギュンと面白くなる感じがあった。
    あの人やその人が入り乱れてくる感じで内容は面白かったです。

  • 前半のほのぼの加減、といってもきっかけはひったくり犯を追いかけるところではあるが、春風と練の人間関係が出来上がっていくのと、後半一気に人の本性みたいなのが暴かれていく対比に驚いた。

    詐欺とかプレーヤーとか受け子とか、非常に身近なところから始まっているんだと恐ろしくなる。
    最近電車内の広告などで闇バイトへの注意喚起をよく見るけど、時給が良いとか、先輩に紹介されたとかで簡単に足を踏み入れることができる世界なんだね。
    そういう犯罪のターゲットになるのも怖いけど、子供たちのすぐ近くに闇があるというのを想像しただけでゾッとした。

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著者プロフィール

岩手県生まれ。『陸の魚』で雑誌Cobalt短編小説新人賞に入選。『いつまでも』で2008年度ロマン大賞受賞。集英社オレンジ文庫に『鎌倉香房メモリーズ』シリーズ(全5冊)、『どこよりも遠い場所にいる君へ』コバルト文庫に『屋上ボーイズ』、ノベライズ『ストロボ・エッジ』『アオハライド』シリーズ、他の著書に『パラ・スター 〈Side 宝良〉』などがある。

「2022年 『読んで旅する鎌倉時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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