- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488105068
作品紹介・あらすじ
明察神の如き灰色の脳細胞の持ち主、小さなベルギー人エルキュール・ポワロの活躍する11の本格短編を収める。いずれの事件においても、相棒のヘイスティングズ大尉のいうように、いまいましいが、ポワロは常に正しかったのである!
【目次】
「西洋の星の事件」
「マースドン荘園の悲劇」
「安いマンションの事件」
「ハンター荘の謎」
「百万ドル公債の盗難」
「エジプト王の墳墓の事件」
「グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件」
「誘拐された総理大臣」
「ダヴンハイム氏の失踪」
「イタリア貴族の事件」
「遺言書の謎」
感想・レビュー・書評
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2023.05.27
ほぼ100年経つというのに色褪せないのがすごい。改めて短編集を読んでみて思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
うーん、クリスティーのショートストーリーは、厚みが物足りなく感じてあんまりかも。。
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「アガサ・クリスティ」のミステリ短篇集『ポワロの事件簿〈1〉(原題:Poirot Investigates)』を読みました。
久しぶりに海外ミステリが読みたくなったことと、ミステリ短篇が読みたかったことから本書を選択… 「アガサ・クリスティ」作品は1年前に読んだ『もの言えぬ証人』以来ですね。
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明察神の如き灰色の脳細胞の持ち主、小さなベルギー人「エルキュール・ポワロ」の活躍する11の本格短編を収める。
いずれの事件においても、相棒の「ヘイスティングズ大尉」のいうように、いまいましいが、「ポワロ」は常に正しかったのである!
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1924年(大正13年)に刊行された「アガサ・クリスティ」最初の短篇集… 彼女の作品の代表的な人物である「エルキュール・ポワロ」を主人公としており、いずれも「スケッチ誌(The Sketch)」に掲載されていた作品だそうです。
■西洋の星の事件(原題:The Adventure of the Western Star)
■マースドン荘園の悲劇(原題:The Tragedy at Marsdon Manor)
■安いマンションの事件(原題:The Tragedy at Marsdon Manor )
■ハンター荘の謎(原題:The Mystery of the Hunters Lodge)
■百万ドル公債の盗難(原題:The Million Dollar Bond Robbery)
■エジプト王の墳墓の事件(原題:The Adventure of the Egyptian Tomb)
■グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件(原題:The Jewel Robbery at the Grand Metropolitan)
■誘拐された総理大臣(原題:The Kidnapped Prime Minister)
■ダヴンハイム氏の失踪(原題:The Disappearance of Mr Davenheim)
■イタリア貴族の事件(原題:The Adventure of the Italian Nobleman)
■遺言書の謎(原題:The Case of the Missing Will)
■解説 中島河太郎
『西洋の星の事件』は、2つのダイアモンド「西洋の星」、「東洋の星」に対して中国人と見られる者たちから所有者に脅迫状が届き、所有者たちはそれぞれ別々に「ポアロ」に守って欲しいと依頼してくるという事件、、、
「ポアロ」は、映画スターの「メアリー・マーヴェル」から依頼された「西洋の星」の方は断り、もう一方の「東洋の星」の所有者「ヤードリー夫妻」の屋敷へ向かう… 満月の夜、「ポアロ」達がいる中で「東洋の星」は盗まれ、同日「西洋の星」も盗まれる。
ダイアモンドは一対のセット(2つ)であり、中国人から狙われている… という部分に巧くミスリードさせられる展開、、、
映像化作品の『名探偵ポワロ「西洋の星の盗難事件」』も観たことがある作品でした。
『マースドン荘園の悲劇』は、「ポアロ」が保険会社より、多額の生命保険をかけた直後に死亡した「モールトレイヴァーズ氏」の死因についての調査を受ける事件、、、
彼は内出血で死んだことになっているが、保険金目当てで自殺した疑いが強かったことから「ポアロ」は関係者の調査を進める。
自然死ではなく、自殺と思わせておいて… 実は殺人という展開でしたね、、、
映像化作品の『名探偵ポワロ「マースドン荘の惨劇」』も観たことがありましたが、原作を読んで、トリック以外の部分が大きく追加されていたことに気付きました。
『安いマンションの事件』は、「ヘイスティング」から友人の女性「ステラ・ロビンスン」が非常に安い家賃で高級アパートを借りた話を聞かされた「ポワロ」が、この不思議な話に事件性を感じて独自に調査を行う物語、、、
「ステラ」はある格安の部屋を借りるためそのアパートへ向かったが、直前で既にその部屋に人が入って断られたという友人夫妻と出会う… しかし、彼女が駄目元でその部屋に行くとまだ借り手はおらず、部屋を借りることができたというのだ。
部屋を借りることができたのは、「ステラ」の容姿と「ロビンスン」という苗字が犯罪者にとって都合が良かったからだったんですよね、、、
「ポワロ」の活躍がなければ、復讐相手と間違えられていたんですよね… ぞっとしますね。
映像化作品の『名探偵ポワロ「安いマンションの事件」』も観たことがある作品でした。
『ハンター荘の謎』は、インフルエンザで寝込んでいる「ポアロ」の下に依頼人が現れ、「ポアロ」は出かけられないため、ハンター荘で発生した殺人事件について「ヘイスティングズ」が現地に向かって調査を行う物語、、、
現地に行けなかった「ポワロ」は、「ヘイスティングズ」からの報告をもとに、電報で的確な指示を与えますが、決定的な証拠を押さえることができません。
そして、消えた家政婦「ミドルトン夫人」は、ある人物と同時に現れることがなく… 実は同一人物だったという展開でしたね、、、
本件は証拠が不十分で犯人を捕らえることはできないのですが… 莫大な資産を手にした犯罪者夫婦は飛行機事故で亡くなるというオチがついていました。
映像化作品の『名探偵ポワロ「猟人荘の怪事件」』も観たことがある作品でした。
『百万ドル公債の盗難』は、巨額の自由公債がニューヨークへの輸送中に盗まれた事件について、責任者の婚約者が「ポアロ」に捜査を依頼する物語、、、
公債輸送の責任者「フィリップ・リッジウェイ」に罪をなすりつけようとした犯罪… 輸送用の特殊な鍵をつけたトランクには、元々、公債は入っていなかったというトリックが面白かったですね。
映像化作品の『名探偵ポワロ「100万ドル債券盗難事件」』も観たことがある作品でした。
『エジプト王の墳墓の事件』は、エジプトである王の墳墓が発掘されるが、それに関わった人物が次々と謎の死を遂げた事件について、亡くなった考古学者の妻からの依頼により、「ポワロ」と「ヘイスティングズ」がエジプトで調査を行う物語、、、
迷信を利用した殺人事件… 「ポワロ」は呪いを信じた振りをして真犯人を欺き、真相に近付いていき、真犯人が毒物を使って「ポワロ」を殺害しようとしたことを見抜き、真犯人を追い詰めます。
王の呪いにみせかけて仕組んだ罠でしたが、真犯人にとっては、「ポワロ」が出現したことが誤算でしたね。
映像化作品の『名探偵ポワロ「エジプト墳墓のなぞ」』も観たことがある作品でした。
『グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件』は、「ポワロ」と「ヘイスティングズ」が休暇先のグランド・メトロポリタン・ホテルで出会った宝石好きの「オパルセン夫人」の真珠のネックレスが盗まれた事件について調査を行う物語、、、
ホテルの女中とボーイの正体は… フレンチチョークの粉等、少ない証拠から、「ポワロ」が真相を導き出します。
映像化作品の『名探偵ポワロ「グランド・メトロポリタンの宝石盗難事件」』も観たことがある作品でした。
『誘拐された総理大臣』は、イギリスの「デイヴィッド・マカダム首相」が外遊中のフランスで誘拐された事件を、政府からの依頼により「ポワロ」が調査する物語、、、
「ポワロ」は、一旦、犯行現場のフランスに行くものの、現地で捜査は行わないままイギリスに戻ってくる… 「ポワロ」は、先日発生した「マカダム首相」暗殺未遂事件との関連性に着目し、「マカダム首相」はイギリス国内にいると推理していたのだった。
映像化作品の『名探偵ポワロ「誘拐された総理大臣」』も観たことがある作品でしたが、原作を読んでみると、映像化作品では、随分、過剰な脚色をされている感じがしますね。
『ダヴンハイム氏の失踪』は、さる銀行の頭取で、金融界の名士とも呼ばれる「ダヴンハイム氏」が突然蒸発した事件を「ポワロ」が調査する物語、、、
数日後、「ダヴンハイム氏」の銀行は倒産してしまったことや、彼が近年、宝石を買い集めていたこと、半年前から妻と寝室を別にしていたこと等から、「ポワロ」は「ダヴンハイム氏」が倒産を見越して、様々な準備をしたいたと推理する… 逮捕しようとする人物が、別人として刑務所にいるなんて、気付かないですよねぇ、面白いトリックでした。
『イタリア貴族の事件』は、「ポアロ」が旧友の医者「ホーカー」と話しているところへ、彼の家政婦が飛び込んできて患者の「フォスカティーニ伯爵」から変な電話があったと報告があり、二人が「フォスカティーニ伯爵」の自宅を訪ねたところ、彼は撲殺されていたという事件を調査する物語、、、
殺害時に二人の客があったことを装うために、三人分の食事を注文して、犯人は、それらを平らげようとするが、ライス・スフレが食べ切れなかったことから犯罪が露呈してしまいましたね。
映像化作品の『名探偵ポワロ「イタリア貴族殺害事件」』も観たことがある作品でした。
『遺言書の謎』は、「ポアロ」が“クラブトリー荘園”の大金持「マーシュ氏」が、ただ一人の相続人である姪の「ヴァイオレット」に奇妙な遺言書の謎を調査する物語、、、
先ごろ亡くなった彼女の伯父「マーシュ氏」は古い人間で女性に教育は必要ないと考えており、遺産が欲しければ聡明な頭であることを証明しろ、という遺言状を残したという… 「ポアロ」は「マーシュ氏」の遺した謎解きに挑戦する。
自分で謎を解かなくても良かったのかなぁ… という疑問は生じますが、まぁ、「ポワロ」にとっては、自らの実力が証明されたので満足できる事件だったんでしょうね。
映像化作品の『名探偵ポワロ「なぞの遺言書」』も観たことがある作品でしたが、遺言書を扱っている以外のところは、大幅に改変されていて原作とは別な作品な感じがしますね。 -
ロンドンに居を構えるベルギー人の名探偵ポワロと、その友人ヘイスティングズの元に持ち込まれた事件の顛末を語ったミステリー短篇集。
ポワロ物ははじめてなので、この探偵がお洒落で言葉遊びの好きなコミュニケーション能力の高い人物として書かれているのをようやく知った。映像化ではポワロは人を苛立たせるキャラクターとされていることが多いけど(実際ヘイスティングズはイラついてるけど)、こういう先回りして自画自賛しておいて必要以上に持ち上げられないよう振舞ってる人は好き。あと一般に「感情的」と表現されそうなタイプの女性の話を聞くのが上手で、結論を急がずに情報を聞き出す方法が身についている。
ポワロの相棒であり、語り部であるヘイスティングズも、地の文で言わずもがななミスリードをしたり、ポワロに無駄な質問をすることが少ないので、引き立て役の助手にありがちな脚を引っ張る感じがない。美女に弱く、お人好しですぐ依頼者の言い分を100%信じてしまうが、愚か者だという印象にはならないバランス。自信満々にヘイスティングズをおちょくるポワロと、毎度悔しがりながらもポワロを認めているヘイスティングズの関係は微笑ましい。
推理小説としては人の入れ替わり、成り替わりのトリックが多用されており、クリスティは役者の演技に信頼を置きすぎなんじゃないかと思うものの、最初期の作品「戦勝舞踏会事件」からそうした要素が盛り込まれていることからして、演劇性というのはポワロの重要なテーマなのかもしれない。真犯人たちはポワロに演技の技量を批評され、ポワロは時折、良い芝居をした犯人のことを泳がせてしまいもする。
1と2を続けて読んだが、最初期の作品が2のほうに入っていたりして編集意図がよくわからない。1のほうが面白かった。特にポワロ自身の口で失敗談を語る「チョコレートの箱」は、ヘイスティングズとまた違うポワロの語りに茶目っ気がある。探偵には人嫌いとそうでないのがいるけど、ポワロは後者の代表格だなぁ。 -
ポワロシリーズの短編集
ポワロとヘイスティングのコンビが様々な事件を解決させていく短編集が8個ほどあった。
ホームズとワトソンの様な関係性が王道的な探偵小説として良かった
それぞれのストーリーもそんなに長くなくて面白かった。 -
※図書館
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ミステリ。短編集。
あれ?物足りないぞ?
殺人事件が少ないのと、ポワロがあまりにあっさりと解決するからか。 -
【本の内容】
<1>
明察神の如き灰色の脳細胞の持ち主、小さなベルギー人エルキュール・ポワロの活躍する十一の本格短編を収める。
「西洋の星の事件」「エジプト王の墳墓の事件」「誘された総理大臣」「ダヴンハイム氏の失踪」など、いずれの事件においても、相棒のヘイスティングズ大尉のいうように、いまいましいが、ポワロは常に正しかったのである!
<2>
ホームズとワトスン博士のように、エルキュール・ポワロとヘイスティングズ大尉の名コンビも、珠玉のようなクリスティの短編に活躍する。
「戦勝舞踏会事件」を初め「チョコレートの箱」「クラブのキング」「潜水艦の設計図」「料理女を探せ」「ヴェールをかけたレディ」「マーキット・ベイジングの謎」「呪われた相続」等全十一編を収録した。
[ 目次 ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
数年寝かせて読んだポワロは名探偵のイメージとは違ったが、慣れるとやはり名探偵だった。
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名探偵ポアロが活躍するシリーズ物。短編のポアロのトリック・謎解きは荒い。催眠術とかでてきちゃう。しかしながら、ポアロファンにとっては、そんなことはたいした問題ではないのです。ポアロが活躍すればそれでよいのです。