オリエント急行の殺人 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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本棚登録 : 440
感想 : 52
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488105396

作品紹介・あらすじ

オリエント急行列車に乗り合わせた乗客たちは積雪に閉じこめられてしまった。その翌朝、ひとりの乗客が体いっぱいに無数の傷を受けて死んでいた。乗客のひとりエルキュール・ポワロの目と鼻の先で起きた事件である。被害者はアメリカ希代の幼児誘拐魔だった。そして乗客は世界中の雑多な人々――その全員にアリバイがあったのだ。有名な映画にもなった、クリスティを代表する傑作! 訳者あとがき=長沼弘毅

感想・レビュー・書評

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  •  初めてのアガサ・クリスティ。映画や舞台にもなっているオリエント急行殺人事件を読んでみた。読んでみた、言っても全くの偶然で突然読むことになり、名前くらい聞いたことのある作品を読むことが出来たのはラッキーだった。
     これだけ有名な作品なのだから既に色んなことが言われてるのだろうけど、すぐに気付くのは国民に対する偏見、ステレオタイプがやたらと出てくること。アメリカ人の台詞なんか翻訳も「僕はかまいませんぜ。」(p.178)みたいな変な語尾になっている。そして「チューインガムを吐き出してポケットに突っ込んだ」(p.180)り、というのがアメリカ人のステレオタイプらしい。「この犯罪は、きわめて緻密に計画され、思慮深く実行されたもののような気がするのです。あらゆることを考えに入れた、知能的な犯罪です。いわゆる、ラテン民族の犯罪ではない、これは、冷徹で機略に富んだ人間の犯罪だーアングロ・サクソン民族の頭脳ですよ」(p.193)というポワロの言葉もあり、ポワロの巧みな推理にもいくらか影響を与える程に、この種の偏見が含まれている。一応、「イギリス人というものは、ひどく冷静な人種だ。」(p.277)「イギリス人というものは、買収しにくいものだ。えらく取っつきにくい人種だからな。」(p.278)という感じで、アングロ・サクソン系もけなされている。これのアジア人バージョンとかで読んでみたい。ほとんどタブーなんだろうけど。日本を舞台にして県民性のステレオタイプなら許されるだろうか。
     話自体はやっぱり面白いし、まさかの展開になるあたりがたまらない。「さて、私は、このへんで、いよいよそれを実行に移すことにいたしましょうーあなた方の目の前でね。おふたりもめいめいやってごらんなさい。さあ目をつぶって考えるのです…乗客のなかで、ひとり、もしくはそれ以上の人物がラチェットを殺した。それははたして何者か」(p.277)とか、もちろんポワロがそこにいる2人の別の人物に言っているのだけれど、明らかに読者に問いかけている感じで、古畑任三郎みたいだ。でもこの「〜してごらんなさい」とか英文解釈教室の伊藤和夫っぽい感じが先に浮かんだのはおれだけだろうか。
     今度は英語で読んでみたいし、映画も見てみたいと思った。偶然でこれを読めたことがラッキーだった。(19/08/06)

    • mamofgrandpa5さん
      英文解釈の伊藤和夫っぽい!
      デジャヴ、と思ってたのですが、ものすごく腑に落ち、笑わせていただきました。
      英文解釈の伊藤和夫っぽい!
      デジャヴ、と思ってたのですが、ものすごく腑に落ち、笑わせていただきました。
      2019/08/09
  • アルバート・フィニーがポアロの映画は見ていたが原作は初読み。
    ミステリーでもありエンタメ作品でもありながら「正義とはなんぞや」を問う作品。
    面白く読むことはできたが登場人物たちの背景を思うとやり切れない哀しみと葛藤が感じられる。
    タラレバはないが、もしポアロが乗り合わせなかったら、もし雪で足止めがなかったら完全犯罪完遂されたのだろうか。

  • 謎解き部分の衝撃!
    なんで今まで読まなかったんだ!!!

  • これも夏休みの読書。中学生の頃にこれを読んだ時、ストーリーの展開だけでなく、ひとつ列車にいろんな国の人を乗せて、国から国へと走るオリエントエクスプレスの存在にロマンティシズムと憧れを感じたのでした。未だに乗ったことはないけど、イスタンブールで駅舎を見た時の高揚感と言ったら。結末を覚えてても物語の世界に入り込めるクリスティの腕。人物描写の面白さかな。

  • アガサクリスティの4大有名作のひとつ。英語原題だとすぐに謎は分かりそうだけど、描かれ方と謎解きの両方が凄い。

  • 推理小説の古典だけに、今初めて読むと、すでにどこかで読んだような感覚にとらわれた。遅かったかなと思いながら読み進めていたら、最後は(現代では変態化した人権主義により否定されかねない)意外な結末に驚かされ、爽快な気分に。昔から読み継がれる小説はやはり違うと納得した。時代背景の異なる戦前の作品だけに、浮世離れというか、史劇に近い雰囲気も一興。畢竟犯罪を扱うミステリ作家の正義感も印象に残った。

  • 久々のミステリー。おもしろかった。
    ポワロと一緒に謎解きしたかったけど、登場人物が多く、覚えていられなかったので断念。
    こういうパターンは今ではたまにあるので、途中でなんとなくわかったけど、当時は相当斬新だったんだろうなぁ。

  • 学生時代に読んでいましたが、久々に本屋で購入して再読。トリックから犯人から何もかもすっかり忘れてしまっている自分にびっくり。おかげで?今回も初読と変わらず楽しめました。今回ポワロと一緒に行動するブークとコンスタンチン博士と一緒にえ?え?と混乱してました。最後の終わり方はとてもほっとして、良かった〜と気分良く読み終えることができました。相変わらず面白くて他のアガサクリスティ作品も再読しようと早速購入してきました。

  • 初めて読んだ。面白かった。さすがだなぁ。
    順序立てて推理してくのは分かりやすかった。けどあの推理に持ってくのは‥
    ポワロの解決策は粋だな。まあ誰でも納得するよな。
    "宿命ですね"って言葉気になったんだけど、あれは自分たちの行動に対してのことだったのかな。そんなに上手くはいかないよっていう。もし事故に遭わなかったらポワロを知ることも無かったろうし。

  • 4-

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著者プロフィール

1890年、英国、デボン州生まれ。本名アガサ・メアリ・クラリッサ・ミラー。別名メアリ・ウェストマコット、アガサ・クリスティ・マローワン。1920年、アガサ・クリスティ名義で書いたエルキュール・ポアロ物の第一作「スタイルズ荘の怪事件」で作家デビュー。以後、長編ミステリ66冊、短編ミステリ156本、戯曲15本、ノンフィクションなど4冊、メアリ・ウェストマコット名義の普通小説6冊を上梓し、幅広い分野で長きに亘って活躍した。76年死去。

「2018年 『十人の小さなインディアン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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