ブラウン神父の醜聞 (創元推理文庫 110-5)

  • 東京創元社
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488110055

感想・レビュー・書評

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  • フランボウが出てくる短編が好き。

  • ブラウン神父もの、「創元推理文庫としての」最終巻。殺人犯にしろ、容疑者にしろ、被害者にしろ、とにかく「人が消える」トリックが多いブラウン神父シリーズですが、今回も半分ぐらいの作品で誰かが消え、その謎をどう解くかという展開になっています。消えた人を見つけ出すという大きなテーマは同じながら、使われているトリックも受ける印象も違うという点では、チェスタトンの面白さを存分に味わえるとも言えるでしょう。

    表題にもなっている「ブラウン神父の醜聞」という短編の最後の数行は、文章としてとても素敵です。ブラウン神父の世界がここに凝縮されているという感じ。

  • シリーズの他作品とくらべるとおとなしめだけど、「とけない問題」はとてもよい。魅力的な謎の提示と逆説に基づく切れ味のよい解決があり、ブラウン神父ものの醍醐味がよく出ていると思う。

  • 「手早いやつ」と「共産主義者の犯罪」のふたつ。おすすめ。

  • ブラウン神父ですな、まったく。
    これでブラウン神父ものはコンプリート。

  • センセーショナルな題名が付けられたシリーズ最終巻。
    さて本作では今までの短編集では2、3編の割合で収録されていた思い込みを逆手に取ったチェスタトンならではの逆説を取り扱った作品が数多く収録されている。
    未読の方に先入観を与えて読書の興を殺ぐことを避けるために、あえて具体的な題名は挙げないが、収録作8編中5編と約6割をこの趣向の作品が占める。
    これほど連続すればさすがに食傷気味と云いたくなるが、それでもまだ名作といえる作品がある。

    その本を開いた者は神隠しに遭い、消失してしまうという呪いの古書。そしてその言い伝えどおりに本を開いた者が次々と消えていくという抜群に魅力的な謎を扱った「古書の呪い」は人間消失のトリックとチェスタトンの逆説が見事に融合した傑作だ。

    その他白眉な作品として「とけない問題」を挙げる。世界でも有名な箱が修道院にやってくる。しかしそれを有名な盗賊が狙っているので助けて欲しいと請われたブラウン神父とフランボウは修道院に向かうがその最中に祖父が死んだので助けて欲しいという婦人から連絡が入り、その家に立ち寄ることに。そこでは既に祖父と思しき老人は木から首を吊って死んでおり、しかも体には剣が刺さっていた。さらに木の周辺にはその老人の物と思える手足の跡が散乱していた。この不可解な事件をブラウン神父が見事真相を突き止めるという話だが、これはある意味、推理小説の定型を打ち破った作品といえるだろう。

    シリーズを読み通した者の性なのか、2作目の『~知恵』以降、事あるごとにクオリティが下がっているという言を連発しているが、それはやはり最初に『~童心』を読んでしまったからだろう。やはり第1作は傑作すぎた。もしこのシリーズを未読の方が取っ掛かりとしてこの第5作目から手に取ったならば、恐らく面白いと思うだろう。今になって思えば、チェスタトンはクオリティは保っていたのだ。ただ私は常に『~童心』クラスを求めてしまっていた。それだけのことだ。

    さてこのブラウン神父シリーズ全5集を読むことで私の中で“チェスタトン”という1つのジャンルが出来てしまった。それはミステリを読む書評家も同様で、奇妙な論理、逆説が導入された作品を読むと「チェスタトン風」という枕詞が挿入されることからも明らかだろう。
    この後、私はチェスタトンを追いかけることを決め、当事絶版本だったブラウン神父シリーズ以外の作品を求める長い逍遥が始まるのである。

  • The Scandal of Father Brown(1935年、英)。
    ブラウン神父シリーズ。

  •  2007年3月9日初読

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