盲目の理髪師【新訳版】 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488118440

作品紹介・あらすじ

大西洋をイギリスに向かう豪華客船クイーン・ヴィクトリア号のなかでふたつの重大な盗難事件が、さらには奇怪な殺人事件が発生する。なくなったはずのエメラルドがいつの間にか持ち主の手にもどったり、死体が消えたあとに〈盲目の理髪師〉が柄に描かれた、血まみれの剃刀が残っていたり。すれ違いと酔っ払いのどんちゃん騒ぎに織り込まれる、不気味なサスペンスと意表を突くトリック。フェル博士が安楽椅子探偵を務める名長編!

感想・レビュー・書評

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  • 豪華客船内で起こった2つの事件。だが、盗まれた宝石は知らぬ間に元に戻り、殺されたはずの女は行方をくらます。
    下船した作家モーガンから話を聞いたフィル博士は安楽椅子探偵として事件の謎を解く……!

    フィル博士シリーズ4作目。今作は冒頭でアメリカのミステリ書評家が「茶番狂言(ファルス)」だと明言している通り、見事なドタバタコメディ。主要メンバー4人は基本的に酔っ払っていて(酩酊度が軽くなったり重くなったりする笑)「そんなアホな」と突っ込みたくなる展開の連続(笑)ゲラゲラ笑い→
    ながらサクサク読んでいたら、ラストにフィル博士の見事な伏線回収謎解き!!
    うわぁぁぁぁってなる(笑)
    博士が一つ一つの伏線を拾って説明していくんだけど、たしかに!違和感あったわ!ってなる。
    ハチャメチャ4人組に気を取られていてスルーしてた。これは上手い。面白いなぁ。

  • フェル博士シリーズの4冊目▲北大西洋航路でイギリスへ向かう豪華客船クイーン・ヴィクトリア号で、外交官のウォーレンは映画フィルムを盗まれてしまい▼前回登場の探偵小説家モーガン視点な盗難品奪還ドタバタ劇。シャンパンで酔ってオペラッタ〈ミカド〉tit-willowを歌ったり「やったー!」と拳を突きあげ勝ち誇るポーズをとったり!読者としてはドタバタが激しすぎて〈何が起きているのか〉を追うのに精一杯なのですが、安楽椅子状態で「ドタバタを恐れちゃいかん」と解決する博士の姿は、さすがの名探偵と楽しませます(1934年)

  • フェル博士シリーズ。豪華客船クイーン・ヴィクトリア号の船内でおこるドタバタ劇。

    今回のフェル博士は、完全なる安楽椅子探偵。現場にいかず、ヒアリングだけで事後推理。全員怪しく、最後までなにがなんだか全然わからない展開。
    トリック要素が薄く、本格ミステリーというよりは、ユーモアミステリー寄り。お酒飲ませちゃダメな人が多すぎて、正気が残っている人が負けの感じが面白かった。

  • フェル博士もの初読本。

    カーの作品は、最後が面白い。それまでに与えられた情報からなぜ気づかなかったのかと思わされる結末を探偵役が披露する。
    だが、最後だけが見どころなのはもったいない。笑劇とあるとおり、まるで三谷幸喜ばりのハチャメチャ劇が終盤まで続くが、登場人物の行動の頭の悪さ、犯人の理解し難い謎の行動やトリックの甘さなど、他のカー作品と比べると今ひとつ。

    ただ、途中がどんなにふざけていてもしっかりミステリ小説になっているのはすごい。

  • 2020/02/19読了

  • 新訳は読みやすいですね。H.M卿物の方が好きですが、本作は映像化した方がより楽しめるかもしれません。楽しいドタバタ劇からの急展開、そして少々不気味な幕切れへ。

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著者プロフィール

別名にロジャー・フェアベーン、カー・ディクスン、カーター・ディクスン。1906年、アメリカ生まれ。新聞や学生雑誌への寄稿を経て、30年に「夜歩く」で作家デビュー。長年の作家活動の業績から、63年にアメリカ探偵作家クラブ賞巨匠賞、70年には同特別賞を受賞した。1977年死去。

「2020年 『帽子蒐集狂事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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