連続自殺事件【新訳版】 (創元推理文庫 M カ 1-13 フェル博士シリーズ)
- 東京創元社 (2022年2月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488118495
作品紹介・あらすじ
《名作ミステリ新訳プロジェクト》空襲が迫る1940年の英国。若き歴史学者は、スコットランドの妖気漂う古城ヘ旅立った。遠縁の老人が亡くなり、一族の家族会議に招かれたのだ。老人は、城の塔の最上階から転落死していた。その部屋は内側から鍵とかんぬきで閉ざされ、窓から侵入することも絶対に不可能。だが、老人には自殺しない理由があった。それでは、彼に何が起きたのか? 名探偵フェル博士が不気味な事件に挑む! 巨匠カーならではの逸品が新訳で登場。
感想・レビュー・書評
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戦時中の英国。スコットランドの古城。侵入不可の塔の最上階から転落死した主人。自殺が事故か、はたまた他殺か?塔の密室にフェル博士が出した答えは。そして次の自殺事件が起こる……!
カーの長編は初めて読んだけど、すごい面白かった→
密室ミステリーとしても楽しいけど、もう完全にラブコメで最高(笑)密造酒飲んではっちゃけるシーンとかお腹抱えて笑っちゃう。
フェル博士はもう完全にたぬきだし、登場人物が濃すぎる。最高。
陽気なミステリーやった!アランとキャスリンに幸あれ!!
新訳である訳注も個人的にはマル。納得できた詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
塔から落ちたのは自殺なのか殺人なのか
ウイスキーとタバコとタータンチェックが好きな人向けのレトロなミステリー小説 -
2022/03/17読了
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フェル博士シリーズ13冊目、見事な表紙絵の通り戦時下の古城もの▲遠縁の老人が亡くなり、一族の家族会議にスコットランドの妖気漂う古城に招かれた。不可解な謎に挑む!▼主人公は歴史学者で、導入から引き込まれるラブコメ展開、最も泥酔したドタバタ劇かもしれない。スコッチなのかな〈キャンベル家の破滅〉は、よっぽど強い酒のようで、新聞記者の悲喜劇、ヒロインの脱出劇も楽しめます。キャンベル家の顔つき、エルスパットおばさんの若い頃の写真を見てみたいな。読後、ゆっくり考えてみると素晴らしいプロットだったと再認識(1941年)
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ラブコメと泥酔の本格ミステリ。
イメージと違ったけど、楽しく読みました。 -
久しぶりのカー作品。昔読んだはずなのにすっかり忘れている。
一族の長が保険契約後に密室から転落死。自殺か他殺か。部屋に残された空の動物用キャリーケース。すわ、まだらの紐か?と思ったら全然違った。(ネタ的にはポアロのクリスマス)
推理小説黄金時代の作品はやはり良い。そして、カー(ディクスン)作品の代表探偵(フェル博士しかりH・Mしかり)の豪放磊落さは窮屈な現代での清涼剤だ。
読了の感想は「なんと気持ちのいい連中だろう」(声が聞こえたら負け) -
新訳版。タイトルも旧訳では「連続殺人事件」だったのを原題に忠実な「連続自殺事件」へ変更。
カーお得意のロマンス成分と塔の最上階の部屋(もちろん施錠された密室)からの落下事件(自殺か、他殺か?)という密室成分はたっぷり。怪奇趣味は薄めで、イチオシはやはり登場人物達が皆で酩酊して大騒ぎをするドタバタ部分かな。
全体的に割とライトな味付けで、カーは読んでみたいけど怖いのは苦手…という人にオススメしたい一冊ですね。