- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488118501
作品紹介・あらすじ
【名作ミステリ新訳プロジェクト】かつて老執事が奇怪な死を遂げた〝幽霊屋敷〟ことロングウッド・ハウス。イングランド東部の歴史あるその屋敷を購入した男が開いた幽霊パーティーの最中、不可解極まりない殺人事件が勃発した! 現場に居合わせた被害者の妻がこう叫ぶ。「銃を手にした人は誰もいなかった。銃が勝手に壁からジャンプして、空中でとまって、夫を撃ったの」不可能犯罪の巨匠カーがその持ち味を存分に発揮した、フェル博士シリーズの逸品が新訳で登場!
感想・レビュー・書評
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場面割りが、はっきりとしていて、映像が目に浮かびやすい。クラシックといっていい年代の作品だと思うが、そういう点は、とても現代的な感じを受けた。
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舞台はクリスティみたいで最高に好み。ちょっと入り組んでるうえになかなか進まずもどかしいところも。その分ラストの鮮やかさが際立った印象。ミセスローガンのような女性に生まれ変わりたいものです。
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2023/5/29読了
〈創元推理文庫〉からの新訳だけれども、タイトルは昔の邦題『震えない男』の方が良かったのではないか? そしてトリックは微妙――シンプルというか、良くぞこれだけでここ迄引っ張ったという感じ。オチもまた、因果応報というのか微妙。個人的には、カー作品ではハズレの方。 -
60年ぶりの新訳。10年ほど前に旧訳(『震えない男』)を読んでいたが例によってすっかり忘れている。
曰くつきの幽霊屋敷を買い取った資産家が、知人たちを招待して幽霊パーティーを開いた。そこで招待客の一人が射殺され、目撃者の証言によれば銃が壁からジャンプしてひとりでに撃ったという。果たして真相は…
トリックはシンプルだが、後日談がびっくり。フェル博士が自由すぎる。 -
フェル博士シリーズ12冊目、1937年春、同7月『曲がった蝶番』前の事件▲イングランド東部の歴史ある「幽霊屋敷」を購入した男が開いたパーティーの最中、不可解極まりない殺人事件が勃発▼うーむ、エリオット警部が未だ雌伏していた頃の作品。オカルト性が低く、今までと違う?みんな腹に一物ある感じで信用できず恋愛絡みで錯綜気味!と前作の『テニスコートの殺人』辺りから雰囲気が変わった感がある。絵になる男フェル博士に、トリックが酷過ぎるのに、どどでんどんでんと掌の上で回される。凝りすぎな感じが以前と違うのか(1940年)
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結構、無茶苦茶なトリック使うなぁ、という印象。トリックの実現可能性とか気にする人は結構嫌かも。自分はそんな気にしないので楽しく読めた。どうやって着地させるのか気になって一気に読めた。
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これは、ちょっと、薦めにくいなあと、正直に言おう。最初は思ったのだ。
思いながら、何かをするうち、ふと、いや、これは、むしろ面白いかも・・・・・・?
気付いてしまったのだ。
これは落語でいうところの「滑稽噺」である。
ロバート(ボブ)・モリスンはジャーナリストである。
コンゴ・クラブで幽霊が出るという屋敷の噂を聞いた。
その幽霊屋敷を、知人が買うという。
改築して、住んで、その祝いに「幽霊パーティー」をひらくのだ。
幽霊を信じないという人が、そこで過ごすうちに、どう反応するか観察するという趣向だ。
ロバートは婚約者テスと一緒に招待を受ける。
不可解な話を聞いたり、物事が起きたりする中、殺人がおきる。
唯一の目撃者は言う。
誰も触れていない銃が、ジャンプして、撃った。・・・・・・
えー? なに、それー。信じられなーい。
唯一の目撃証言がそれだから、現場は大混乱だ。
そこに現れたのが、名探偵と名高いギディオン・フェル博士である。
巨体で、時にぜいぜい呼吸を言わせ、時に謎のよびかけをする、にこやかなこのフェル博士が、ブランコに座り、「アテネの執行官よ!」と声をあげ、遊園地のコイン投げ、木のボール転がし、射的などなどに夢中になり、コンゴ・クラブに行き、長電話をしていくと、事件が解決する。
言いたいことはたくさんあるのだ。
この人って、この発言って、つまりこれって、・・・・・・
だが言うわけにいかない。
なにを言っても壮大なネタバレになるからだ。
というわけで、読もう。
なにを言ってもネタバレになるということは、読書会むきとも言える。読んだ人の集まりだからだ。
というわけで読もう。
舞台はイングランド東部、時は1939年――つまり戦前だが、これは新訳で非常に読みやすい。
というわけで、読もう。
『震えない男』の名でハヤカワポケットミステリで出版されている。
同じ話なので、読み比べるのも楽しいだろうが、ご注意いただきたい。 -
2023/06/04読了