パイは小さな秘密を運ぶ (創元推理文庫) (創元推理文庫 M フ 21-1)

  • 東京創元社
3.50
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488136024

感想・レビュー・書評

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  • あたしは、イギリスの片田舎の古い屋敷で暮らす11歳。化学実験に熱中する日々をすごしてる。
    ある日、何者かがコシギの死体をキッチンの戸口に置いていき、父が尋常ではない恐れを見せた。
    そして翌日の早朝、あたしは畑で赤毛の男の死に立ち会ってしまう。男は前日の晩に、父と書斎で口論していた相手だった…。

    どうにも合わなくて盛り上がる前に断念。
    海外のアニメによくあるような姉妹間の嫌がらせの応酬がエゲツなくて不愉快。
    口紅にウルシ混ぜるとか陰湿すぎる。
    殺人事件なのに警察にも不実な態度だし。
    人気のシリーズなようなので、読み進めたら面白いのかも。
    とりあえず、またの機会に。
     

  • 著者のブラッドリーは、なんと70歳の新進作家だ。しかし、作品は全く年齢を感じさせることはなく、むしろ若々しく瑞々しい。なんといっても主人公がすこぶる魅力的だ。フレーヴィア11歳、化学実験が大好きで多感な少女だ。本書は一応はミステリーなのだが、謎解きの妙味は薄い。ひとえにフレーヴィアの感受性こそが物語を支えている。超希少種のいわく付きの切手と、少女の冒険(それは行動においても、感性においてもだ)。そして、化学もまた見事にプロットに組み込まれている。シリーズ化される構想もあるらしいのだが、大いに楽しみだ。

  • 化学…特に毒物が好きな11歳の少女が主人公という所に惹かれて購入。
    結果、面白かった。
    なんだかとっちらかった感じで読み辛い部分もあったけれど、思考があっちこっちする頭の回転の良い、こまっしゃくれた、でもちょいドリーミーな所もある…複雑な女の子の語りらしさが出ていたのかなぁと。

    のっけから、幼い妹に猿轡噛ませて両手縛って閉じ込めるなんてどんな姉達?父親は無関心??と主人公を気の毒に思っていたけど、結構な仕返ししてるし、最後の方ではやっぱり家族なんだな~とホッとしたり。
    肝心の推理の方も、自宅の庭で死んだ男の事件から、父親にまつわる過去の事件まで解決してスッキリ。
    使用人達や刑事さん達も味があってなかなか素敵だし、事件の解決もモチロンだけど、人間関係の進展なんかも気になるので続きも購入予定。

  • 残念ながら、私には合わない本であった。
    言葉の使い方というのか使いまわしが苦手である。

  • 化学大好き少女フレーディアシリーズ第一作。

    あらすじ
    1950年代イギリス片田舎。お屋敷バックショー荘に住む3人姉妹の末っ子フレーディア11歳。切手収集に熱心な父に客が訪れるが、その客が庭園で死亡する。最後に「ワーレ」と言って。どうやらそれは貴重な切手の盗難・紛失に関わるものだった。

    11歳の化学オタク、フレーディア。登場人物がみんな皮肉っぽくてイギリスらしいなーと思っていたら、なんと作者はカナダの人で、イギリスに行ったことはないらしい。加えて70歳すぎてからのデビュー作が本作だ。よく11歳少女の気持ちを細かに書いてるなーと思った。謎解きだけじゃなくて、こどもらしい復讐や観察眼が面白かった。シリーズが何作かあるので続けて読みたい。

  • 読み始め…16.6.1
    読み終わり…16.6.4

    時は1950年。イギリスの片田舎で化学実験に熱中し、いろんな毒物に思いを馳せる11歳の少女フレーヴィアがこの物語の主人公です。

    ある日何者かがキッチンの戸口にコシギの死体を置いていき、それに父が尋常ではない恐れを見せたその翌朝、フレーヴィアは、菜園で赤毛の男の謎の死に立ち会ってしまうことになるのです――

    フレーヴィアは三人姉妹の末っ子だけど、なかでもいちばんのしっかり者で好奇心旺盛、お転婆活発な早熟の女の子。彼女は二人の姉たちの振る舞いを日々然りと分析し、ちょっとした悪戯を仕掛けることをなによりの楽しみにしています。そんなフレーヴィアが、男の謎の死に直面したのだから好奇心の血が騒ぐ!というのも当然のことでしょう。

    フレーヴィアの果敢で向こう見ずな姿は見て(読んで)いてなんとも気持ちいいです。愛車(自転車)グラディスで村中を駆っては謎を調査し、一瞬の閃きに心ときめかせてぐいぐいと真相に迫っていくテンポのいいリズムにどんどん引き込まていきます。

  • 化学大好きの11歳の少女が日常生活の中に突然入り込んできた死体の謎を解き明かす物語で、自分の知識と推理と子供ならではの行動力とで少しずつ事件の本質に迫っていく過程は、あれっどっかで似たような感覚を…と思ったら、カッレくんか!カッレくんに似ている。久々に子供時代のあの興奮を味わった。ああ、カッレくんは私の青春だった!舞台は1950年のイングランドで、イギリス文学や歴史的背景がふんだんに散りばめられた絢爛な文章は読むのに時間がかかる。悩み事があったらミステリを読め(意訳)と言ったのは江國香織だったか。現実の心配事より本の中のジョンやメアリーの心配で頭の中を埋めるのだと。そういう意味でこの本は最適。最初からフレーヴィア(なんて個性的で魅力いっぱいの少女!)に釘付けになるのだけれど、文章のあらゆるところで引っかかりながら読むので時間がかかる。つまりそれだけ長い間現実の心配事を忘れていられる。犯人がわかっても子供探偵は逮捕できない。むしろ力づくの反撃にはなす術がない。大人の助けを借りなくちゃ。そういうところもカッレくんを彷彿とさせる。最後の切手の行方は素晴らしかった。シリーズ物になる予定らしいので、楽しみです。

  • 11歳の少女が主人公のミステリ。
    各賞総なめの好評な作品で、確かにテンポ良く、いろんな要素が入っていて面白いです。
    時は1950年、イギリス。
    田舎の大きな屋敷に住む少女フレーヴィア・ド・ルースは、三姉妹の末娘。
    一人で化学の実験に熱中していた。
    先祖に化学に凝った人がいて、立派な実験室があるのだ。
    母は行方不明になった後に亡くなったそうで顔も覚えていない。父は趣味の切手にしか関心を示さない。
    上二人の姉オフィーリアとダフネとはタイプが違い、仲が良いとは言えず、閉じこめられた所から脱出したりしているありさま。

    ある日、父が書斎で何者かと口論していたのをのぞき見てしまう。
    庭師兼何でも屋のドガーもそれを見ていた。
    ドガーは戦争神経症で時々様子がおかしくなるが、フレーヴィアにとっては一番の友達。
    翌朝、フレーヴィアは庭の菜園で死体を発見。
    昨夜のことは警察には言えないまま、一人で事情を調べ始める…
    図書館で過去のことを調べに行くと、父の学校時代に恩師が自殺した事件があったと知る。
    しかも、学生達が自殺に追い込んだという噂が…?
    父が逮捕されてしまい、姉たちは泣き崩れる。自転車で警察署に乗り込み、警部補に頼み込んで、父に話を聞くフレーヴィア。
    怪しい人物が泊まっていただろう近くの旅館へも潜り込み、旅館の娘メアリに頼んで部屋を探索。スーツケースに隠されていた曰くありげな切手を見つける。
    グラディスと名付けている自転車で思い立ったらすぐにどこへでも行き、警部補に神出鬼没とまでいわれる~早熟で果敢な少女の大冒険です。

  •  主人公は11歳の女の子フレーヴィア。なんと化学大好きで自宅に実験室をもっているという。おかげで毒物を中心に、化学物質の名前がたくさん出てくる。こんなミステリがよく賞を受賞したりしたものだ。その女の子が探偵役となって殺人事件の謎を解く。たしかに化学知識が大いに役にはたっているが、んーこういう条件でほんとにわかるかなという気もするが。狭い範囲の事件で容疑者も限られるし、ミステリとしての意外性はほとんどないが、小道具となっている印刷ミス切手の数奇な運命とか、昔の事件とのかかわりとかで、なんとか形にはなったかというところ。それよりも生き生きとしたフレーヴィアの活躍が読みどころだろう。

  • 少女探偵、秘密を探る。
    田舎町で起こる不思議な事件の数々。
    科学好きな少々が大胆に謎を解く。
    好奇心旺盛な女の子の冒険譚。

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